SharePoint Onlineを社内ポータルで活用する方法をご紹介!
目次
「社内ポータルを作りたいが、サービスが多すぎてどれを選んだらいいのかわからない!」「資料をたくさん取り寄せてはみたものの、情報が多すぎて逆に選べなくなった」、そんな困りごとをお持ちではありませんか。
社内ポータルを構築する際は機能面のほか、従業員がどれだけ利用しやすいものを作れるかという点や、業務との親和性も重要になってきます。
さらに、構築・更新を社内で行う場合は、作業や管理のしやすさも不可欠です。
この記事では、これらをすべて網羅するマイクロソフト社のSharePoint Onlineについて解説します。
SharePoint Onlineは専門知識いらず!直感的な操作でサイト作成が可能
SharePoint Onlineはもともと「ファイルや情報の共有サービス」として開発され、その後、組織内サイト作成ツールとして進化してきました。他のMicrosoft Officeアプリと同じく直感的に操作できるため、専門知識がない人でも手軽に、組織内に情報共有するためのサイトを作ることができます。
SharePoint Online単体では、ドキュメントやデータ、コンテンツの管理・共有というシンプルな機能しか持っていませんが、目的に応じたパーツが豊富に揃っているとともに、他のOffice365アプリとシームレスな連携ができるという大きな利点があります。
これらをうまく組み合わせることによって、利便性に優れた社内ポータルサイトを構築することができるのです。
社内ポータルを構築する際にSharePoint Onlineを利用するメリット
冒頭で述べたとおり、SharePoint Onlineは必要な機能を選択的に取り入れられるため、他のツールより開発の自由度が高く、さまざまなメリットも有しています。
モダンUI(モダン機能)の追加
SharePoint Onlineは「モダンUI」が標準となっています。なお、モダンUIが導入される以前のUIは「クラシックUI」と呼ばれます(クラシックUIへの切り替えも可能です)。
モダンUIは、「凝ったデザインや豊富な機能のサイトを、時間をかけて作り込みたい」というよりも「必要最低限の機能を盛り込んだサイトを『スピーディーに』作りたい」という場合に適しています。また、従来のテキストメインのサイトではなく、画像や動画が中心のマルチデバイスでも閲覧しやすいサイトを作成する際に適しています。
すでにクラシックUIで作成されたサイトが社内で使われている場合などは、自社のニーズに応じてクラシックUIと切り替えて使用されるとよいでしょう。
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レスポンシブ/ミニマルデザイン
モダンUIを使用すると、外出先でもスマートフォンやタブレットで社内ポータルを閲覧できるように、画面レイアウトをデバイスに合わせて自動調整して表示する「レスポンシブデザイン」を簡単に導入できます。
また、モダンUIのサイトデザインは非常にミニマルです。
「ミニマルデザイン」とは、伝えたい内容を強調して伝えるために過剰な装飾を極限まで削ぎ落とした、シンプルでクリアな、コンテンツありきのデザインを指し、近年のWebサイトやプロダクトにおいて主流となっています。どこにリンクを貼れば読んでもらいやすいか、どういう並び順であれば見やすいかなどを重点的に考えてポータルを構築できます。
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導線の最適化
以前はリンクやボタンなど導線の複雑さがしばしば指摘されてきたSharePointですが、モダンUIではより直感的で迷いのない操作が可能なレイアウトが取り入れられています。
そのため、サイト作成に不慣れな担当者でも、レイアウトに悩むことなくスピーディーにコンテンツの更新やサイト改善ができます。
標準機能でもできることが豊富
SharePoint Onlineは、単体でも豊富な機能を備えています。
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ドキュメント/コンテンツ管理機能
SharePoint Onlineは、従来の一般的な社内イントラと同じくドキュメントや画像、各種データなどのコンテンツを保管・管理でき、社内間で共有できます。
特に優れている点は、ドキュメントの検索性の高さ、複数人での編集のしやすさ、高いセキュリティの3点です。
SharePoint Onlineでは高性能な検索機能が標準装備されているので、膨大なデータから必要なものを瞬時に見つけ出すことも可能です。
また、SharePoint Online上で保管・管理しているドキュメントは複数人でリアルタイムに共同編集ができるため、チーム全体ひいては全社の業務効率化に大きく寄与します。
さらに、Windows OSを開発したマイクロソフト社のツールであることから、セキュリティも極めて堅牢です。
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他のOffice製品やサードパーティーアプリとの連携
他社製品では実現できない一番の強みが、オフィスワークに欠かせないExcelやWord、PowerPointといったMicrosoft Office製品とシームレスに連携できることです。
具体的には、SharePoint Onlineの中で、Officeソフトで作られたドキュメントの確認・共有・編集ができてしまいます。さらにそれらの作業を複数人で同時に行えることも魅力のひとつです。
ちなみに、業務に使うツール群をオンライン上の一ヶ所に集約して、そこにアクセスすればすべての作業を遂行できる「デジタルワークプレイス」という概念が注目を集めていますが、SharePoint Onlineはその基盤を担うものとなります。
他のOffice365アプリやサービスのハブとなる
SharePoint Onlineの最大の強みとも言える機能です。
具体的には、SharePointを介して、他のMicrosoftアプリやサービス同士を連動させる役ことができます。
例えば、Microsoft StreamとYammerはそれら単体同士では連動させることができませんが、これらをSharePointで作成したひとつのページ上に掲載することで、ひとまとまりのコンテンツとして社内に展開できるわけです。
例: Streamに掲載した以下のような動画を、それぞれの内容に関連したYammerのチャネルと組合せることで、社内からコメントを入れたり、双方向の交流ができるようにする
- 社長のメッセージ
- 社内技術の紹介(各現場で使われている技術を紹介)
- 各自のスキル自慢
- 広報部の取材裏話
- 他社の動向や最新技術のシェア
など
これらのメディアミックスはSharePointなくしてできません。
これからの社内ポータルには必須とも言える機能であり、SharePoint Onlineが力を発揮する分野です。
部門別の社内ポータルの機能、活用事例
SharePoint Onlineで社内ポータルを構築したら、その中にそれぞれの部門ごとのサイトを作ることができます。部門別サイトの活用事例をご紹介します。
人事部のサイト
・キャリア支援サイト、研修サイト
どの部門でどんな仕事をしているのかなど、外からでは見えにくい業務内容や職場の雰囲気をキャリア支援サイト上で発信することで、社内リクルーティングを活性化させることができます。
また、社員向け研修の内容や開催日程を取りまとめて研修サイトで発信すれば、社員は自分が受けたい研修をチェックしたり、受講予定の研修の内容やスケジュールを確認したりしやすくなります。サイトをカスタマイズすることで、個々の社員のスキルやキャリア形成との関連性が高い研修を表示させることも可能です。
近年では研修自体のオンライン化が進んでいるため、研修とSharePoint Onlineの親和性もますます高まっています。例えば、受講者募集の告知や、研修開催前の受講者へのリマインド、研修後の資料共有、研修の事前事後の課題の出題、研修後のアンケートなどに活用できます。また、SharePoint Onlineのコミュニケーション機能を使って研修事務局や講師が受講者とコミュニケーションすることで、受講者へキャリア形成に向けた動機付けにつなげることも可能です。
・人事労務手続き
SharePoint Onlineには人事労務関連に必要な承認ワークフロー機能が揃っているため、申請、署名、フィードバックなどの承認プロセスを備えたサイトを構築できます。これによって社員はテレワーク環境からもPCやスマートフォン上で各種申請・承認を行うことが可能です。
また、煩雑な人事業務もPower Automateを使って自動化することが可能です。SharePoint OnlineとPower Automateを連携することで、利用者の利便性・満足度向上と、人事担当者の業務効率向上の両立が見込めるのです。
広報部門のサイト
・WEB社内報
WEB社内報は紙媒体と比較して簡単に加筆・訂正が可能で、社内のニュースをスピーディーかつ手軽に発信できるというメリットがあります。
また、社外の編集パートナーや各部門の編集委員にアカウントを付与することで、記事の投稿や編集の作業は共同で行い、最後に編集部が承認・公開するなど、業務改善につなげることもできます。広報特有の煩雑な業務もPower Automateで自動化することが可能であり、SharePoint OnlineとPower Automateと連携することで、さらなる業務改善が可能です。
・社内SNS
社内の手軽な情報発信や情報交換の場としてSharePointサイト上に社内SNSを作ることもできます。具体的には、SharePointサイトにYammerやTeamsを統合します。あらかじめテーマ別のチャットルームを設けるなどにより、部署の垣根を越えたコミュニケーションの促進に生かすことができます。
事業部門のサイト
・ナレッジ共有サイト
過去のプロジェクトドキュメントや用語の解説記事など、組織に蓄積したナレッジ共有を図るためのサイトです。仕様書や設計書、業務マニュアルなどのドキュメントを体系的に管理することでノウハウの属人化から開放されます。
営業部門のサイト
・営業支援サイト
営業活動に必要な情報やノウハウを提供するサイトです。
これまで暗黙知に相当する営業ノウハウは伝達や共有が難しいとされてきました。しかしSharePoint Onlineを使えば、動画と提案書を組み合わせて提案プロセスを解説したり、Eラーニング(サードパーティ製サービスであるLMS365)を連携させてトレーニングコースを設ける等の方法で、効果的に営業ノウハウを共有することが可能です。また、SharePoint Online内のVR空間内で営業イベントを催すなど、実際の営業活動に生かすことも可能です。
SharePoint Onlineで構築した社内ポータルの事例
ここからは、実際にSharePoint Onlineを使用して社内ポータルを構築した事例を紹介します。
なおこれらの事例は、社内の業務やコミュニケーションに何かしらの課題感があり、そのソリューションとして社内ポータルを活用したという好事例です。
人事部門の「社内広報ニーズ」を拾ってメディア化
ある企業の人事部では、以下のような課題を抱えていました。
- 離職防止や就労意欲向上のため、従業員のキャリアデザインに対する意識を醸成したい
- 人事部が従業員に行っている支援の内容を、メッセージとして社内にきちんと伝えたい
- 従業員が自身のキャリアを考える材料とするため、各部署の業務内容を共有し、社内リクルーティングを活性化させたい
上記のような人事部門の要望を、広報部門がすくい上げる形で、従業員のキャリアデザインや、会社によるキャリア支援についての情報を発信する「社内メディアサイト」をSharePoint Onlineで制作しました。
更新頻度は低いがよく見られているコンテンツは「トップページ」からすぐに閲覧できるようにし、外部のデザイナーを起用して凝った見栄えのバナーを作成・設置しました。また、キャリアに関するおすすめの書籍を紹介者の想いと共にリレー形式で紹介したり、社内の有名人の職務経歴インタビューを掲載するなど、社員の興味を引くコンテンツを内製し、コンテンツ一覧からたどりやすい階層に配置しました。話題性のあるコンテンツをコンスタントに発信することで、社内の意識変容/行動変容の促進につなげている事例です。
「研修ポータル」で研修をプロモーション
こちらは人材育成に課題を持っていた企業の実践例です。
研修に対して、以下のような課題感をお持ちでした。
- 社内研修に対する従業員の当事者意識が低くなっていた
- 研修にかける時間・費用・効果が全社で疑問視されていた
これらの課題を解決するために、トップ層からの「階層研修を実施する背景」や「この研修が従業員にとってどれほど重要か」というメッセージなど、研修を自分ごととして捉えてもらうための情報を、SharePoint Onlineを利用して従業員へ発信しました。また、SharePoint Onlineを基盤にしながら研修自体をオンラインで行い、コストの大幅な削減にも成功しました。研修後は「業務に役立つ」コンテンツを継続的に提供して耳目を引きながら、必要な情報にアクセスしてもらうことで、長期にわたる研修効果の促進にもつなげています。
社員のハミダス気持ちをカタチにする「SharePoint Onlineサイト構築」
こちらは、全社活動の推進にSharePoint Onlineサイトを活用した事例です。
冷凍食品やレトルト食品の製造・加工・販売を手掛ける株式会社ニチレイフーズでは、「ハミダス(とらわれず、明るく)」を従業員のモットーとして、社内・社外でのさまざまな活動に結びつけています。SharePoint OnlineでのハミダスWebサイトを構築し、ハミダス活動の活発な情報発信と交流の場を提供しています。
社内システムをこれまでのNotesからSharePoint Onlineへ移行する際にハミダスWebサイトが立ち上がったことで、これがSharePoint Online活用のモデルケースにもなり、スムーズなシステム移行にもつながりました。
Office365を活用した理念ポータルの構築の事例
グローバル共通のコミュニケーションポータルとしても、SharePoint Onlineは適しています。
ある日本企業では、事業のグローバル化が進み、地域ごとにワークスタイル・雇用形態もバラバラになっていました。そこで、企業の総合力を発揮するため、グループ一体感の醸成に向けたインナーブランディングの推進と本社・海外拠点・グループ関連会社間での効果的な情報共有に向けたインターナルコミュニケーション体制の強化が求められてきました。
そこで、Office365をコミュニケーションのグローバル共通基盤として採用することを決定。グループ・グローバル各社で運営しているイントラポータルにあるコンテンツを調査・解析して全社で共有すべき情報を集約し、SharePoint Onlineで構築したポータルサイト上統合しています。
まとめ
SharePoint Onlineは、各種Officeツールとの連携することで、充実したコンテンツを盛り込んだインタラクティブな社内ポータルサイトを構築できます。
また、途中で紹介した「デジタルワークプレイス」の概念においても、業務上必要な情報やアプリケーションが一か所に集約されたポータルサイトは非常に重要であり、SharePoint Onlineはこれからの企業活動の中核をなすツールであると言えるでしょう。
社内ポータルで情報を発信したいとお考えになっているコーポレート部門や、コーポレート部門から依頼を受けて社内ポータル用のツールを検討しているシステム部門のみなさまは、ぜひSharePoint Onlineの導入を検討してみてください。
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株式会社ソフィア
コミュニケーションコンサルタント
小野寺 貴俊
業務改善を基軸とした、ITツールの調査・実践・応用が得意です。データ分析と組み合わせたDX(Digital Transformation)を推進していきます。
株式会社ソフィア
コミュニケーションコンサルタント
小野寺 貴俊
業務改善を基軸とした、ITツールの調査・実践・応用が得意です。データ分析と組み合わせたDX(Digital Transformation)を推進していきます。