2023.08.07
チームビルディングとは?目的やチームを機能させるための方法、ポイントを紹介!
目次
企業をはじめとする組織では、目標達成や課題・問題解決のためにチームを作ることがあります。
たとえば、イノベーションや業績向上、シェア拡大といった実務上の達成を目指したり、経営・業務上で直面した課題・問題に対して、社内外から専門家を集めてチーム化し解決を試みる場合などがあるでしょう。
ビジネスの複雑化と人財の多様性は、理屈ではイノベーションや不確実に対応できるということを標榜していますが、複雑な業務同士を結合させることやバラバラな多様性のあるメンバーを協同させることは、言うほど簡単ではありません。
では、企業にとってより有益なチームを作るためには、どのようなチームビルディングを行えば良いのでしょうか。チームビルディングの目的や機能、チームのタイプ別の種類、各タイプのチームを機能させるための方法などについて解説します。
チームビルディングとは
最初に、チームビルディングについての概要について解説します。大まかには「メンバーの能力・個性を活かしチームを作り上げる」といった意味のチームビルディングですが、現在においては、「複雑かつ前例のない問題や課題を多様性のあるメンバーの能力・個性を活かしチームを作り上げる」ということになると思います。
具体的にはどのような意味や成り立ちがあるのでしょうか。
ここでは、チームビルディングについて3つの項目を設けて解説します。
チームビルディングの意味
チームビルディングは、個々の社員の能力・スキル・経験をベースに、プロジェクトや業務の目標達成ができるチームを作り上げるための取り組みを指します。チームを作り上げるために必要なプログラムやワークを実施したり、既存のチームをブラッシュアップし、より良いチームにするための研修やミーティングといったものを実施し、チーム作りを行います。
上記のような理由で、企業などの組織の中でチームを作ることを「チームビルディング」と呼び、経営や業務遂行をする上で必要となる課題・問題解決方法のひとつになります。そもそも企業などの組織は、所属する個々の社員の能力・スキルをただ集めて動かしているわけではなく、社員同士の連携や社内のルール・業務プロセスなどを基にした、人的資本を効率的に活かせるよう設計された組織力でビジネスを行っています。
しかし、チームの生産性には、20世紀初頭から現代まで科学的かつ立証可能な形で「仕事、課題、目的」といった要素がビジネスにおける理論として一般化されてきました。しかしながら、現代のチームワークの焦点は「人々、関係性、風土」にあり、競争力の源泉となっています。そのため、ビジネスにおいてはチームワークや職場に関連する問題が社員やチームリーダーの最も注目すべき事項となっています。
中でもチームは基本的かつ人的資本をもっとも効率的に活かせる方法であり、スポーツやレクリエーションなど、さまざまな集団活動の中で頻繁に採用されますが、とくにビジネスにおいては大きな力を発揮します。
また、優れたチームを短期間で作るためには、日々の業務の中のコミュニケーションによって関係性を強化したり、チーム力を高めるためのゲームを実施する場合もあります。
チーム作りの全体図だけでなく、それらの個別の具体的な方法論をチームビルディングと呼ぶ場合もあり、意味としては広義に当てはまる概念になります。
チームビルディングが必要な背景
ITテクノロジーが普及する以前のチームビルディングといえば、基本的に企業内での異動によって関係性が構築されていました。しかし、現代社会では中途採用・アウトソーシングなどが一般化し、連携が複雑化しているため、業務への認識において連携相手とズレが起こりやすくなっています。
そのような連携相手との業務認識のズレを防止するため、チームビルディングによる問題や課題に対する最適化されたチーム作りが必要になります。
現代においては、多様な人材と事業手法が事業においての基盤であると言っても過言ではありません。しかしながら、多岐にわたる背景や専門性を持つメンバーが結集する場合、一人ひとりの特徴や経歴、仕事の進め方には、少なからず相違が存在しています。
従って、多様性とチームワークは、必然的にコミュニケーションのかみあわないジレンマが存在することが前提となります。
そのため、異質な要素を有機的に結合することが必要です。ここで言う「有機的」とは、カオスとなる多様性をコラボレーションすることができる適切なバランスを指します。
逆に言えば、このような多様性を受け止めることが、創造性や未踏の問題解決に必要なイノベーションを実現することができるのです。多様性があってこそ、チームワークが成立するのです。
現代のビジネスや市場において、高度なチームワークが求められる状況が増加している一方で、多様性を協調に昇華させるということは、より困難な課題となっています。そのため、チームワーク力が高い職場は、ビジネス面において、非常に大きな価値を提供する経営資産となるでしょう。
また、チームという組織における集団のボトムを作ることから、変化の激しい現代社会に対応できる企業・組織作りが可能となります。従来ような、社内と社外の区別がはっきりしていた時代は過ぎ去り、多様な人たちと即座にチームを創り上げることが、必要となっています。多様性の持つ意義は、メンバー間の相互作用により、当初は誰も思っても見なかった結果が得られるところにあります。
このチームビルディングにおける予測不可能性と多様性こそが、これからのビジネスを面白くもし、難しくもするでしょう。チームビルディングの結果、何が出てくるかは、事前に誰にもわからないものですが、その予測不可能性を認識していれば、思いがけないものが出てきたとき、慌てたり驚いたりせず、むしろそれこそが、問題への新たな突破口になったり、次のアイディアへのきっかけになったりするものです。
チームビルディングは、やってみなければわからない。これを最初のキーワードにしたいと思います。あらかじめ決められた目標と手順に従えば、望ましい結果が得られるという従来の思考は、通用しない状況にあります。
AIが発達し、単純な計算や段取りであれば、コンピューターが全部やってくれる時代です。その状況で、生身の社員が、チームビルディングをすることの意義は何でしょうか?それは決して、あらかじめは決まった答えに正しく到達する為ではないはずです。そうではなく、計算や手順からは、予測しえなかった驚きや新しさ、そして洞察を得る為です。
ある意味で、予測不可能性は、結果がわからないという点で、ワクワクさせるものでもあります。結果の分かった映画もドラマも面白くはありません。結果がわかないこそ、次が気になり、関心が産まれます。チームビルディングも同じです。予測不可能性をむしろ、楽しみ、次に何が出てくるかわからない事を、待ち受ける積極的な姿勢こそ、AI時代でも、人間にしかできない作業でしょう。
自分の何ができるか?この出会いから、何を引き出せるか?を、常に考えながら、チームを創っていきましょう。
私たちに人生においても、様々な出会いがあり、その出会いによっては私たちの人生が思ってみなかった方向に進んでいき、そして、出会って人と助けあいながら、相手も自分も、足りないところを補いあい高めあうことによって人生の新しい段階への入っていく、一般的にこれを幸福と呼んでいるのであり、私たちが人との出会いに、心ときめくものを感じる理由も、そこにあります。
言い換えれば、出会いにときめかなくなった時、私たちは、価値を創造できず、新しさを評価することもできなくなります。チームビルディングこそ、出会いです。自分を変えてくれ、高めてくれる可能性がそこにあります。チームビルディングに、時間と手間をかけることは、賢明な人的資産の運用でしょう。
問題や課題に応じて作っては解散するチームが多い
現代の企業では、業務やプロジェクト上において発生した問題・課題に対して、ピンポイントで適宜チームを作っては解散させるパターンが増えています。
しかし、ピンポイントで創られたチームの人間関係やチームワークという資産は、解散の段階で、無くなるとしたら、これは非常に惜しいものでもあります。
タスクフォース・クロスファンクショナルチームなどで解決できる問題・課題は、企業内に所管部署がなかったり、業務内容に特殊性があって対応できない可能性があり、社内外の社員・メンバーで構成したチームで対応する必要があります。この意味のおいては、急ごしらえのチームビルディングは、現代のニーズにマッチしているともいえます
しかし、チームビルディングの土台に、人間関係がある事を忘れてはなりません。例え急ごしらえで、すぐに創ったチームでも、根底のある人間関係がしっかりしていれば、既存のシステム内のチームよりも、はるかに柔軟で課題に即した解決法を導き出せることも、十分にあり得ます。
チームでは、人と人との相互作用が業績に大きな影響を及ぼすことは言うまでもなくチームワークが重要なテーマとなっています。
加えて、人事部門では配置や昇格の決定に際し、この人間関係という要素が隠然と昇進昇格に影響していることは、経営幹部や事業責任者であれば、経験がある事でしょう。しかしながら、感情や集団心理などが含まれるこの人的資産という分野は、可視化や分析が困難であり、数多くの未解決の課題を抱えており、属人的要素に頼っていることが現実です。
また、学者や実務家の理論も玉石混交であり、詳細な体系化も容易ではありません。それにもかかわらず、現場では個々人の経験や素養に頼ることが多く、社員やチームリーダーにとって最も重要な関心事となっています。
そういったチームは短期的な解決・成果が求められるものであり、個々の社員やメンバーの専門的な能力・スキルに頼って急ごしらえのチームを作り、その場・その状況の対処のみを行って解散する流れが一般的です。
そのため、企業内の独自チームが育たない一因になり、いつまでも成熟しないといった問題もあります。
よくよく考えてみれば、明らかなことですが、事業と人が多様である現在の環境下で、チームとして生産性をあげることが過去と比較して困難と言えます。
しかし、複雑な課題に対して、解決できる専門能力とスキルを完全揃えてチームとして課題解決を進めるという状況は基本的に不可能でしょう。実際は、間に合わせの人財もいれば、必要以上に高い能力を持っている人財など、玉石混交な人財で組成されいます。絶え間ない微調整で、人財の不均衡を細かく調整し合うことは重要でしょう。しかし、短期で全面的チームを入れ替えたり、人事異動を多発させることは、始まりかけたチームビルディングの過程を壊していることに他なりません。
安定して部分と変化する部分とバランスが取れていることが大事であり、状況に対応するからと言って、全面的にメンバーを変えてしまうような、チームビルディングをしてしまうと、折角育った信頼関係や相乗効果が、丸ごとに失われることにもなりかねません。
企業の業績は、圧倒的な個人がパフォーマンスという叩き出すというよりは、個人の技量は中くらいでも、良いチームで個々の社員が自分の能力を思う存分発揮する場合の方が、成果が出るものです。
とびぬけて優秀な社員をあちこちのリーディングカンパニーから、ヘッドハンティングして、それを集めてチームをつくっても、土台となる人間関係が、根底にない場合、ほとんどうまくいきません。
中国企業の日本や台湾企業の優秀な技術者のヘッドハンティングにおいても、とびぬけて優秀な社員を引き抜くことはできても、技術は転移が失敗した例は数多く、日本の球団でも、優秀な選手と集めたからと言っても、必ず優勝できるとは限りません。
一方で、バラバラに優秀な社員を集めるのではなく、チームを丸ごと買収した場合には成功率が高くなります。土台となる人間関係が移転するからです。これほどまでに、企業の土台としての人間関係は資産価値があり、ヘッドハンティングや買収において、慣れ親しんだメンバーを連れてくることがリファラル採用やなど事例もこれに当てはまります。
チームビルディングの成長段階
チームビルディングによって作られたチームにも、社員と同じように成長段階があるとされています。しかし、抽象度がやや高いチームという特性上、数字でわかる成果以外の要素で成長を管理することは、個々の社員の成長を管理する以上に難しくなります。
とはいえ、チームの成長段階を管理する方法がないわけではありません。ここでは、チームの成長を見ていく際によく用いられるタックマンモデルを基に、チームの成長段階について見ていきましょう。
一般的なタックマンモデルの紹介
タックマンモデルは、米国の心理学者ブルース・W・タックマンが1965年に提唱したチームの成長を分析するための枠組みです。タックマンモデルによると、チームの発展は、生成期・混乱期・統一期・機能期・散会期の5つの段階を経るとされています。
生成期(Forming)
チームが結成され、メンバー同士が互いの背景や経験を知り、役割を確立していきます。この段階ではメンバー間に緊張や不安があり、まだチームの結束力は形成されていません。
緊張と恐怖を内に秘め、感情を抑えながら所属し続けることも稀ではありません。
実際の状況では、生成段階においては関係性のないメンバーが集まるタスクフォースやプロジェクトチームなどがあります。そのような場合には、人事異動や新入社員として、既存のチームに加わることもあるでしょう。
メンバーは理論的にはチームとしての概念を理解していますが、感情的には恐怖や不安が広がっています。これは、ジャック・ギブが提唱した「受容懸念」と呼ばれるものです。
転職や異動、または新しいメンバーとのチームワークにおいて、「私は周囲の人々に受け入れられるのか?また、私自身も全員を受け入れることができるのか?」などの心配は誰しも経験があるものです。
口火を切る人を全員が目で探ったり、愛想笑いや丁寧で手探りの会話が繰り広げられたりします。重要なことは、初期段階では潜在的な緊張と不安が存在するということです。
チームビルディングの生成段階において、メンバー同士が交流する機会を通じて、各自の価値観や考え方など個々のユニークな要素を共有することが効果的です。このようなコミュニケーションからメンバーがそれぞれの特性や専門性を活かした業務を迅速にチームに示し、パフォーマンスを通じて受け入れられることが重要です。
混乱期(Storming)
メンバー同士が意見やアイデアをぶつけ合う過程が起こります。異なる視点や価値観の衝突が生じることもありますが、これを乗り越えることでチームの結束力・協力体制が強まります。
実態としては、混乱期と後述する統一期と機能期は、厳密には行ったり来たりしています。
会議や対話の場で、意見やアイデアに対して議論や合意形成ができていればよいのですが、コミュニケーションスキルの問題から、嚙み合わない場合や誤った解釈が生まれる場合があります。
その後、自分の意見を主張しない、もしくは議論に参加せず結論が出るのを待つということが、標準化する可能性があります。テーマを出す人が固定化したり、意見を言う人と言わない人に偏りがでてくるなど、必ず混乱期のチーム全体の経験や体験が経路依存していきます。
つまり、混乱期は、その後統一期と機能期の根本的なパフォーマンスや規範風土に影響するわけです。混乱期を是正するため、チームのガイドラインを創ることも重要です。
しかし、混乱自体は、大なり小なり起きます。チームビルディングにおいては、メンバー同士もしくはリーダーが、チーム崩壊の幅を理解しながら、議論する能力や合意形成能力を強化し、各人が調整できる能力をつける必要があります。
最初からうまくいくチームなどありえません。どのチームも手探り状態から始まります。その段階で、他の社員の目を、気にせずに、改革案を言えるか、かどうか?うまくいっていないプロジェクトに対して、正直な批判ができるかどうか?、この雰囲気をつくっておくことが重要です。
大手投資会社のブリッジウォーターのレイ・ダリオは、何よりも、自由さとオープンさを社風の中で重んじました。彼が、社員に出したアンケートには、「きちんと仕事をしていないと、あなたが思う社員を3名挙げてください」のようなものがありました。
一般的には、このようなアンケートは道徳的ではなく、社風を悪くすると考えられがちです。しかし、ブリッジウォーターでは、このアンケートの後、他の社員から手厳しい批判をされた社員が、そのことを恨むのではなく、本当のことを言ってくれてむしろ感謝したという声が多く寄せられました。もちろんアンケートによって、社員の昇進などが決まったりしないことは言うまでもありません。投資会社は、目まぐるしく動きマーケットの中で、常に最善の判断を求められます。一つ判断を間違えれば、大きな損失が会社に降りかかってきます。
そんな時、重要なのは、自由さとオープンさです。それがブリッジウォーターでは、共有されていたからこそ、非常識と思われるアンケートや質問が、良い結果をもたらしたのでしょう。
統一期(Norming)
混乱期を経てチームが段階的にまとまりを見せます。メンバー同士がお互いを理解し、共通の目標に向かって協力し合います。チーム内に必要なルールやルーティンが確立され、チームの統一感が高まります。
実態的には、メンバー同士で、役割や個性が理解され共感できるようになり、「阿吽の呼吸」にあるようなハイコンテクストコミュニケーションが増えてきます。
これにより、コミュケーションコストはぐっと下がり、メンバー個人は役割や業務に意味づけやコミットを芽生えさせる段階にある一方、ミスコミュニケーションやちょっとしたすれ違いが多発しやすい時期でもあります。
これは、ある意味、各人が主観的にチーム構造を生成しつつある段階である為、業務やメンバーに対する個人的な解釈を持つことになり、相手を信頼している証拠でもあります。
ただし、主観である状況では、実は思い込みによる抜け漏れがあり、これが続くと混乱期に逆戻りしてしまいます。チームビルディングにおいては、構造化と可視化をする必要があり、一般的なチームビルディングの研修などは、この段階に対するフォローアップが多く見られます。
リーダーが決めつけるのではなく、まずは、社内で自由に意見や提案ができる仕組みやアンケート、ヒアリングを行うことが、効果的です。
現状の調査から、普段の業務では、見えてこなかった混乱や感情や要求が可視化されるでしょう、ここで出てくる課題を基に、対話やディスカッションがあれば、建設的な改善が可能となります。なんども繰り返します。決して、個々の社員を査定する為のアンケート調査やディスカッションではなく、チームのよくするための、モノだということを周知させましょう。それが本当にしんとうしてくれば、誰かを陥れる為とか、自分を目立たせるためではなく、チームの為に、真摯の意見が、現場から挙がってくるはずです。
そうやって各メンバーの主観を外に出すことで、混乱やモヤモヤした感情から、心理的に距離を置くことが可能になります。実は、混乱期という過程は、いつでも起きうるものです。このような状況にチームがなってしまったら、早い段階で対話の機会を持つことが重要です。
この手の混乱は、目に見えない問題や要因が混乱の種であることが多い為、とくにこの部分を注力することが肝要です。
機能期(Performing)
チームが安定し、効果的かつ効率的に業務を遂行する時期です。各メンバーは自身の役割を果たし、相互に信頼し合いながらチームとして協力します。円滑なコミュニケーションと意思決定が行われ、高いパフォーマンスが発揮されます。
この段階に関して、チームビルディングされた状態である為、限りなく目指した状態に近づきます。機能し成果を上げる状況は、チームの大きな成功体験を与え、活力を生み出す状況にあります。
成果や業務に偏重したコミュニケーションだけではなく、メンバーの家庭生活や日常も含めたアプローチが必要です。チームメンバーは一人の人間であり、家族やプライベートなど社会環境の一員でもあります。良いチームビルディングでは、決して成果や業務だけで、メンバーを判断せず、それぞれのメンバーが置かれている社会状況を常に念頭に置きながら、コミュニケーションをしなければなりません。
仕事以外の見えない部分で変化しているのでストロークコミュニケーションが重要です。平たく言えば、ちょっとした雑談や「調子はどう」のようなオープンクエスチョンをすることで、メンバー間同士が、メンバーの精神状態を配慮し合うことが重要です。
散会期(Adjourning)
チームが目標を達成し、解散する時期です。チームメンバーは達成感と充実感を味わいながら、次のステップに向けて準備を進めます。振り返りや評価の機会を通じて、チームの成果と学びを確認する時期でもあります。
実態としては、散会期は生成期と同時に起きる場合が多く、チームを全部バラバラにするということは、実際には少ないでしょう。しかし、チームは、価値の源泉であるため、チーム自体が機能している場合は、少数の人を入れ替えるケースが多くみられます。
ここで注意し置きたいのは、大企業においては、ようやく構築された価値あるチームの状況を確認せず、盲目的な人事異動により、知らずに価値を破棄してしまうケースは比較的よくある話です。
ITや建設関連企業など、業務形態がプロジェクト型のビジネスには、過去のプロジェクトでのメンバー同士につながりが、非公式に存在し、その関係性が、実体的に組織全体の動きや意思決定に影響を及ぼしていることは、よくあります。
強固なチームビルディングがなされたプロジェクトチームや職場は、その後のメンバーの人生においても、企業においても、大きな資産になっています。これを無視してはいけません、実体として過去のプロジェクトチームや職場のリーダーとメンバーの経験が、上級幹部クラスの人事異動や昇進昇格に影響していることは、周知の事実です。コンサルティングファームなどは、チーム毎、競合のファームに転職することは少なくありません。この例などは、チームワークが職場や企業という枠組みを超えて、有機的に機能し、その働きは、別の会社に移ったとしても、有効であることの証でしょう。
これからは、企業単位や部署単位で、職場を考える時代はありません。そうではなく、絶えずに、小刻みに変化するチームこそが、働く単位をなる時代です。
社員は、個人的に査定されてるというより、チームの中での働きに拠って、チームの中で査定されることになるでしょう。なぜなら、その社員の働きぶりをチームの離れた上司では、評価できないからです。チームこそ、未来の職場であり、良いチームビルディングこそ、未来の企業がよって立つ基盤となります。
チームビルディングは時間がかかる
企業や組織の中で地に足を付けて活動するチームを作るには、一定の時間がかかってしまうものです。チームの成長を4段階のフェーズで表した「タックマンモデル」では、チームは段階を経ながら成熟していくものであり、その成長スピードは考えている以上に遅いとされています。
また、立ち上げたチームが必ずしも成長していくとは限りません。途中段階において社員同士で混乱・衝突などが起こり、空中分解してそのまま解散してしまうパターンもあります。
可能な限りチームの成長スピードを向上させたい場合は、チーム内の社員同士の関係性やコミュニケーションに対する社内ツールやメソッドを活用する必要があります。チームビルディングで活用できる社内ツールを選ぶポイントは以下の通りです。
- 定量・定性情報を把握できるツール
- 目的に応じたツール
- 社員が使いやすいツール
- 規範や風土を保つツール
「定量・定性情報を把握できる」
チームを構成する社員の考えや体調といった情報を管理できる機能があるかどうかを見ます。相手を理解し、良質な関係性を構築するには個々の社員の情報は不可欠です。メンバー同士が、コミュニケーションを取る為には、足場となる事実や情報を全員が把握できないと、必ずミスリードやボタンの掛け違いが起こり、無駄な混乱や不安を増やすことになります。
「目的に応じたツールかどうか」
チームが結成する目的を整理して社員同士で共有し、そのツールを用いてチームビルディングした場合、必要なチーム作りができるツールかどうかを判断します。課題や目的がないチームは存在しません。あくまでも、社内ツールであって、単なるのおしゃべりや仲良し集団ではなく、目的や課題の達成で集まった集団であるという可視化ができる状態を創るツールが重要です。
「社員が使いやすいツール」
チームを構成する各社員のITリテラシーに合っていて、スムーズに使えるツールかどうかをチェックします。そもそも各社員が使いこなせなければ意味がないので、重要なポイントとなります。
「規範や風土を保つツール」
折角のコミュニケーションツールが、他の社員を誹謗したり、不正確な噂を流すような場になっては元も子もありません。傷つく社員がでたりやる気をなくし社員が出るようならば、そんなコミュニケーションに意味はありません。便利なツールが手に入った現代だからこそ、それを使うときの、規範はあらかじめ決めておくべきです。
チームビルディングでチームを機能させるための要素
チームを作り上げるのは、達成したい目的があるからです。企業として達成した業務・プロジェクトはもちろん、個々の社員の能力向上や、コミュニケーションの醸成なども目的に含まれています。
ここでは、チームビルディングの目的について、チームを構成する社員の成長・変化にフォーカスして解説します。
チームのマインドセットの形成
チームビルディングを行う理由は、本来1人の社員では達成することが不可能な目標を、チームを結成して取り組むことにより目標達成するためです。
そのために必要なのは、チーム作りや仕組み作りだけでなく、チームを構成する社員一人ひとりが目標達成に対して気持ちが向かっている状態を作ることが大切です。
精神論のように聞こえますが、企業や組織では必ず目標設定はされており、そこに向かう社員のマインドセット作りは、全社を挙げて訴求しなければならない重要な課題です。
たとえば多くの企業では、経営理念やビジョンの共有などが挙げられ、感動や共感を促すストーリーテリングの手法を用いて大義・目標を掲げ、社員が業務にコミットするためのマインドセットを作りやすいよう工夫をしています。
チームビルディングにおいてのマインドセットは、チームを構成する社員一人ひとりがモチベーションを高め、目の前にある課題を解決できるよう積極的に行動していくための原動力になります。
チームビルディングでのマインドセット作りは、企業でのやり方と同じく、目標やビジョンに感動・共感のストーリーテリングを盛り込む手法が良いでしょう。
また、チームビルディングにおいては、各社員がそれまで抱いていたマインドセットを一旦リセットし、結成されたチームのために必要なマインドセットを新たに形成するように促す必要があります。
個々の社員での活動とチームでの活動は目的が異なるため、チーム用のマインドセットを創り直す必要があるでしょう。
これは、一定のマインドセットを創り上げてしまった社員にとっては、面倒くさく、不必要に思われるプロセスかもしれません。これまで、成功体験のあるマインドセットがあるのだから、これから使っていけばいいだろうというわけです。
しかし、同じマインドセットで次々とタスクをこなしていけるような時代は終焉しつつあります。
チームの目的が変われば、管理職が常にリーダーになる必要もなく、新入社員がリーダーになってもよく、熟練社員が新入社員と同じく位置づけに参画するなども効果的なできる時代です。
これからは、次々と変わっていくタスクに対して、チームは対応し、その度にマインドセットも変化させていく時代になりつつあります。
言い換えれば、過去の成功体験はその度のリセットして、新しく創りかえなければなりません。新しい目標に対して、ワクワクした気持ちで取り組める、新しい自分をチームビルディングのたびごとに、創っていきましょう。
コミュニケーションの活性化と文化の醸成
チームビルディングでは、社員同士の関係性を良好にする必要なコミュニケーションを活性化するだけでなく、社員同士の考え方や価値観を理解し合える状態を促すことも必要です。
とくに、チームを構成する個々の社員の自発性が高まるタックマンモデル最終段階の「機能期」において、各社員が自身の役割を果たすだけでなく、創造性を働かせて新たなアイデアや意見を出し合い、チームの活動効率を高めていくことが大切になります。
その際に重要なのが、チームを構成する社員同士の関係を強化することです。たとえば、ワークショップなどのディスカッションの場を設けることで、社員同士が気軽にコミュニケーションが取れるようになります。それにより、これまで出てこなかった斬新なアイデアが生まれやすいチームにすることができます。
ワークショップ以外にも、チームビルディングでコミュニケーションを高める施策や手法は多岐に渡ります。
たとえば、朝礼・終礼といった挨拶の工夫から、社内ミーティング、研修会や合宿、レクリエーションといったイベントなどがあります。状況や対象に合わせ、柔軟に施策を講じることにより、チーム内のコミュニケーションを活性化させることができます。
従来の日本企業では、業務後の飲み会や休日の野球の試合など、家族ぐるみで参加することが、当たり前だったイベントが多く、そのことによって、特に、努力しなくても、社内のコミュニケーションが円滑に行われるということがありました。
しかし、時代は変わり、飲み会の意義に疑問を持ち、ましてや、休日の運動会など、ごめんだという風潮が2000年代に入り出てきました。当然、社員の会社のへの忠誠度は、低くなります。その分、社員一人一人の自由な時間や趣味の時間は増えています。
この流れは不可逆で、近い将来再び自由時間を他の社員と過ごす風潮が現れるとは考えられません。そうすると考え得る方法は、かつては自然に組織されていた様々なコミュニケーションの場を今後は、半ば人工的に設定していかねばならないということです。とは言え、朝礼や終礼 みんなで社歌を歌うなど、若者は付いてこないでしょう。若手社員も参加したくなるような、おしゃれで、知的な雰囲気の漂うイベントを社内にどう設定できるかも、些末な事と思うかもしれませんが、美的センスを求められるでしょう。
チームにビジョンへの腹落ち
チームビルディングの主な目的の一つは、ビジョンの浸透です。組織内で共有されるビジョンは、新たな気持ちで物事に取り組むタイミングがとくに効果的です。
最初にビジョンに焦点を当て、チーム全体が一体となってビジョンを意識する環境を整えることで、メンバー同士の協力意識を高め、目標達成に向けた行動を促進することができます。
また、組織のビジョンに基づく行動が良い成果に結びつけば、ビジョンの重要性を理解し、共感することができるでしょう。
チームビルディングは、単なる活動やイベントではなく、組織の一体感やチームのパフォーマンスを向上させるための重要な手段です。
ビジョンの共有と一体感を通じて、チームメンバーが互いをサポートし合い、協力して目標を達成する意識を養うことができるようになります。組織全体がビジョンに向かって一丸となることで、より成果を生み出すことができるでしょう。
協力体制の確立と業務効率の向上
企業や組織において意思決定は重要ですが、チーム内では意思決定の明確化に課題が生じることがあります。とくに、共同作業を行う場合には、個人の判断に左右されることがあるため、意思疎通に問題が起こる場合があります。
この問題を解決するためには、明確な意思決定プロセスが必要です。具体的には、情報の明確化・プロセスの確立・リスクや利益の評価・必要なアクションの明確化と実行などが意思決定プロセスで重要になり、このようなプロセスを明確にすると、チーム内の協力体制が確立され、業務が円滑に進むようになります。
ここで重要なことは、コミュニケーションの行き違いを避けるために、何度も繰り返して、確認作業を行うことです。コミュニケーションでは、自分では当たり前とだと思っていることが、相手にもそうだとは限りません。互いが善意でも、コミュニケーションの齟齬は、どうしても起きる可能性があります。それを避けるためにも、特に定量ベースで、互いの意思を確認し合っておくことが必要不可欠です。
また、意思決定プロセスを明確にすることによって、チームを構成する社員が自身の役割や責任を理解し、プロジェクトの全体像を把握できるようになります。その結果、チームを構成する各社員の目標達成への意欲が高まり、プロジェクトの成功につながることが期待できるでしょう。
明確な意思決定プロセスは、チームの信頼と効果的な協力を促進し、チームや組織の成果を向上させる重要な要素となります。
業務の意味づけと責任から自律性を重視する
現代社会の企業は多様性を重視する傾向にあるため、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まりやすくなっています。
人材の多様性を活かすためには、各社員の役割の設定が必要になりますが、個々の個性や専門性に基づいて役割を分担することにより、組織やチーム内での社員の自律とモチベーションを向上させることができます。
ただし、多様な人材を集めるだけでは十分ではなく、重要なのは各社員の能力を最大限に引き出し合い、互いを認め合う文化を企業・組織・チーム内で醸成することです。
そのため、組織全体で多様性を奨励し、異なるバックグラウンドや視点を持つ人々の能力・考え方を尊重することが重要です。
そのような前提で、各社員の多様性を生かすための文化を確立することにより、チーム・組織全体の成長と、ひいては企業としての競争力を高めることが可能になります。
また企業は、チーム・組織を構成する各社員の能力を最大限に発揮できる環境を提供する必要があります。社員が自己実現を果たすための場を用意することにより、意欲や創造性が高まり、チーム・組織全体のパフォーマンスが向上します。さらに、多様性による個々の能力・個性が重なった時の力を最大限に引き出すことで、チームだけでなく、企業が柔軟性と適応力を備えた組織となり、変化に対応できる力を備えて競争力を維持することができます。
自律性と多様性を社内の広めるわけですから、それは、社内の机のレイアウトや社員の服装にもある程度の自由度が求められることが意味します。一般的に言われている利益を上げている若い会社は、総じて、服装や身だしなみには寛容で、そういう点で社員を縛らず、もっと創造性という点で、社員にはばいてほしいという、経営者からのメッセージが、社風として行き渡っています。
厳然たる事実ですが伸びる企業は、創造性のある若手社員が多い企業です。この点で、歴史ある重厚長大の企業は、不利であり、社員の一人の生産性という点でも、新規の企業に劣る可能性があります。もし可能であれば、社内の自由度を今よりも少し上げて、より社員が業務に対して、発言しやすい環境を創ることが大事です。
学習を起点としたコミュニケーションスタイル
不確実な時代においては、成功パーンの賞味期限は短く、勝ちパターンは連続しません。時代の変遷に伴い、チームの学習スタイルも変化しています。
従来はPDCA(「計画」、「実行」、「評価」、「改善」のサイクル)を通じた学習が基本的でありましたが、現在はPDSA(「Plan」、「Do」「Study」、、「Act」)という新たなスタイルが注目されています。
PDSAを導入する場合には、チーム全体がこの新しい学習スタイルを受け入れ、実践する必要があります。そのためには、チームメンバーとのコミュニケーションを密に行い、時間をかけたフィードバックなどの工夫が不可欠です。PDSAへの移行によって、効果的な学習が期待されます。
チームビルディングにおけるチームの種類と特徴
企業などの組織で作られるチームには種類があり、それぞれのチームは違った目的・効果を持って活動します。正しく機能したチームは経営・業務遂行において有力ではありますが、闇雲に作ってしまわないため、チームの種類と特徴については押さえておく必要があります。
また、チームディベロップメントは、多様なチームの経験と学びのサイクルを通して形成される成果です。前述したように、チームビルディングがチームを機能させるための鍵ですが、単なる要素やポイントに留まることはありません。
チームの成長には、学びのプロセスが必須です。従って、チームディベロップメントとは、チームの成長の過程を指すものと言えます。具体的には、体験を振り返り、問題や事象に対する問いや解釈を共有し、タスク管理のコミュニケーションだけでは実現できない学びの視点を重視することが欠かせません。
ここでは、チームビルディングを行う際に大切になる、チームの種類と特徴に併せた学習手法を提示します。
組織内機能チームの学習
組織内機能チームは、社員が上層部の設定した目標に合わせて行動する形式のチームです。役割分担と目的達成のための指導が明確な形式で、大規模な企業や組織において一般的なチーム形式です。この形式のチームは基本的に、上司からの指示に対して部下が従って行動することが求められ、比較的トップダウンに近い意思伝達の形になっています。
このチーム形式には指示に縛られることで社員の創造性や自主性が制約されるといった問題点もあり、現場の視点を持つ社員からの意見やアイデアを収集することが難しくなる場合があります。そのため、チームリーダーや上司は柔軟な姿勢で社員の話を聞くコミュニケーションが不可欠で、社員も業務に積極的に意見・アイデアを出すことにより、組織内機能チームとして成果につながりやすくできます。
また、組織内機能チームは、ちょっとしたミスや小さな事故が、解決方法を間違えて、大きな問題に転移する傾向があります。その時に、関係性や信頼性が十分に発揮されます。
課題問題解決チーム
課題問題解決チームは、企業やチーム・組織内における課題・問題に取り組む特別なチームです。異なるバックグラウンドや専門分野の社員や専門家が集まり、専門知識とスキルを生かして解決策を導き出し、業務遂行することで課題・問題を解決します。
ビジネスのさまざまな領域で活躍する課題問題解決チームは、新製品開発・市場調査・品質管理・生産性の向上など、広く問題や課題に取り組みます。社員や専門家間での協力と連携、コミュニケーションを重視し、アイデアを出し合いながら柔軟に発想し、課題・問題に対して革新的な解決策を提示します。
挑戦的で自信にあふれたチームは、課題解決する手段や推進力は優れている反面、課題定義や課題設定が、ワンパターンになりがちです。外部パートナーを活用し、壁打ちや伴走を求める傾向があり、それは解決方法推進というよりも、むしろ課題設定や課題を捉える視点が必要です。
自律分散型チーム
自律分散型チームは、チームを構成する社員が自主的に目標や計画を立て、自律的に行動しながら、協力して問題解決や目標達成に取り組むチームです。
分散型の経営スタイルに基づく自律分散型チームは、従来の指示命令の枠組みを超え、チームを構成する社員が自律的に行動することが大きな特徴です。社員は自身の目的を明確にし、その時々の自己判断に基づいて行動し、その結果を自己評価する権限を持ちます。この仕組みによって、チームは迅速な意思決定と柔軟かつ効率的な行動を実現することができます。
チームビルディングにおけるそれぞれのチームを機能させるための方法
チームの種類と特徴をお伝えしたところで、次に重要なのが、それぞれの種類のチームにおいて機能させる方法です。チームの種類ごとに機能させるために必要な要素が異なるため、注意が必要です。
ここでは、チームビルディングを行う際、チームの種類別に注力しなければならない要素について解説します。
組織内機能チームを機能させる方法
組織内機能チームを機能させるためには、以下の要素が必要になります。
目標と役割の明確化
組織内機能チームを構成する社員には、明確な目標と役割が定義され、誰が何を担当するのかが明確である必要があります。これにより、チーム内での重複や混乱を避け、円滑なチーム運営が可能になります。
社員の意見やアイデアを受け入れる姿勢
上司やリーダーは、組織内機能チームを構成する社員と頻繁にコミュニケーションを取り、社員の意見やアイデアを積極的に聞くことが重要です。上司やリーダーが積極的に社員とコミュニケーションを取り、社員の意見やアイデアを受け入れる姿勢を持つオープンなコミュニケーションの環境が整えば、社員は自由に意見を交換し、建設的な議論を通じてより良い成果を生み出すことができます。
チーム全体で目標を共有
チーム全体で共有する目標を設定し、具体的な計画を立てることが必要です。チーム全体で目標を共有し、目標達成に向けた具体的な行動計画を策定することで、社員は協力し合いながら業務に取り組むことができます。
適切なリーダーシップ
上司やリーダーは明確な指示を出し、チームメンバーの仕事の進捗状況を監視し、必要な場合はサポートすることが重要です。上司やチームリーダーが適切な指示を出し、社員の進捗状況を見ながら必要なサポートを提供することで、社員に自信と安心を与え、生産性とパフォーマンスの向上につなげることができます。
持続的な改善
チームは達成した成果を振り返り、より効率的な方法を見つけるための改善点を見つけ、持続的な改善を行う必要があります。定期的に達成した成果を振り返り、改善点を見つけ出して業務に反映させることで、組織内機能チームの持続的な進化と成長を実現することができます。
課題問題解決チームを機能させる方法
課題問題解決チームを機能させるためには、以下の要素が必要になります。
課題・問題解決の目標とゴールを明確に設定
課題問題解決チーム全体が協力し、課題・問題解決の目標とゴールを明確に設定する必要があります。具体的で明確な目標設定により、課題問題解決チームは一体感を持ちながら効果的な行動をとることができます。
役割の明確化
課題問題解決チームを構成する社員は、それぞれが担う役割と責任を理解しておく必要があります。役割分担が適切に行われた上で、社員は自身の専門知識やスキルを活かしながら協力し合い、課題・問題解決に取り組むことが求められます。
互いを肯定するコミュニケーション
課題問題解決チームを構成する社員それぞれのアイデアや意見を歓迎し、互いを肯定するコミュニケーションを取ることも重要です。活発なコミュニケーションによって情報の共有がされ、複数の社員による多角的な視点から課題・問題への理解を深めつつ、解決策を導き出すことができます。
迅速かつ的確な意思決定を下すリーダーシップ
上司やチームリーダーは問題解決に必要な方向性やビジョンを示し、課題問題解決型チームを構成する社員を導きながら、迅速かつ的確な意思決定を下すリーダーシップが必要です。上司やチームリーダーが各社員の能力を引き出し、サポートすることで、個々の社員の成長と課題問題解決チームの成果を促進します。
新たな視点やアプローチを実行する柔軟性
問題解決には柔軟性が求められるため、課題問題解決チームを構成する社員は固定概念にとらわれず、新たな視点やアプローチを実行する柔軟性が必要です。異なるアイデアや解決策を探求することで、創造性と革新性を引き出し、より効果的な解決策を見つけることができます。
自律分散型チームを機能させる方法
自律分散型チームでは、チームを構成する個々の社員が自律的に行動するため、目標の明確化・社員同士の相互理解・フィードバックを取り入れることが大切です。どれかが欠けているとチームのパフォーマンスが下がるので、チームビルディングの段階でしっかりデザインする必要があるでしょう。
目標や期待される成果物の明確化
自律分散型チームを構成する社員は、目的や役割を明確に理解しながら自律的な行動を取る必要があります。それぞれの社員は、自律分散型チームの目標や期待される成果物を明確に把握し、自身の役割に基づいて業務に当たります。目的と役割が明確に定義されていると、各社員は責任を引き受けながら主体的に行動することができます。
相互理解を深めるコミュニケーション
自律分散型チームを構成する社員は、目的や進捗状況などを適宜共有し、必要に応じて協力して取り組める仕組みを作っておく必要があります。そのため、自律分散型チーム内のコミュニケーションは、情報の共有だけでなく、アイデアや意見の交換を通じて相互理解を深めるために重要な要素です。円滑なコミュニケーションを通じて社員同士の協力関係が構築され、チームとしてのパフォーマンスが向上します。
役割の分担と協調性
自律分散型チームを構成する社員は、各自が担当する役割と責任を理解し、協力しながら目的達成に向けて業務を遂行します。役割の分担は、個々の社員のスキルや専門知識を最大限に活かすための重要な手段であり、社員同士が互いの役割と貢献を尊重し、強調性のあるチームワークを築くことで、自律分散型チームの力を最大限に引き出すことができます。
自己評価と改善
自律分散型チームを構成する社員は、自身の行動と結果を客観的に評価し、改善する意識を持つことが重要です。社員は自身の強みや成長の余地を把握し、定期的に振り返りやフィードバックを通じて改善点を見つけ出すことにより、自律分散型チームの総合力を向上させ、成果につなげることができます。
チームビルディングのポイント
チームビルディングがうまくいかないケースでよくあるのが、初動で間違ったチーム設計を行ってしまうことです。たとえば、専門家を中心とした課題問題解決チームに一般社員を加えたり、自律分散型チームなのに、社員が自律的に行動するための責任・裁量権を与えていなかったりなどです。
このような初動での間違いは、目的達成するために必要なチームの機能を大きく下げてしまう上、生産性・効率を低下させる恐れもあるため注意が必要です。
初動でのチーム設計以降は、個別の課題としてチームごとに解決を試みることが重要です。ここでは、チームビルディングを行う際につまずきやすい、「チームビルディングにおけるリーダーシップの重要性」と「チームビルディングにおけるメンバーの個性の認識」の2つの課題について解説します。
チームビルディングにおけるリーダーシップの重要性
適切に機能するチームを作るためには、リーダーの役割と責任を明確に設定することが不可欠です。リーダーは、役割分担されたチームを構成する社員やメンバーに必要な指示を出し、目的・成果に向かうためのリーダーシップを執る必要があるからです。
チームにおけるリーダーは、指示をするだけでなく、社員同士の連携やコミュニケーションを促進する役割も果たします。リーダーによって作られたチーム内の円滑なコミュニケーションは、情報共有や意思疎通を容易にし、チームの協力体制を促進するため、とても重要な部分になります。
とくに、チームが形成された初期段階では、社員からリーダーへの不満が生じることがあります。社員の反発や率直な意見にリーダーが真摯に対応することで相互理解が進み、チームに一体感が生まれることでコミュニケーションの質がいっそう良くなります。こうした、人間関係のトラブルや軋轢を乗り越え、より強固な関係性を作れる人間力も、チームに必要なリーダーの素質だと言えます。
チームにおけるリーダーシップを成功させるには、的確に割り振られた各社員の役割・円滑なコミュニケーション・明確な目標設定・社員との信頼関係の構築が欠かせません。これらの要素を備えたリーダーがチームを導くことで、チームは大きな力を発揮することができます。
チームビルディングにおけるメンバーの個性の認識
チームビルディングを成功させるためには、チームを構成する社員の個々のスキル・専門性・個性を適切に把握することが重要です。各社員のスキルや特性を理解した上で役割分担することにより、チームを構成する社員は自身の専門分野・得意な業務で能力を発揮し、チームによる目標達成に最大限の貢献をすることが可能です。
また、チームビルディングにおいては、適切な人材配置も重要な要素です。社員間のコミュニケーションを通じて互いの考え方や価値観を理解し、さらに各社員のスキル・専門性・個性を把握することで、適切な役割分担を実現します。個々の内面と能力を考慮した人材配置は、チームのパフォーマンス向上に大きく寄与します。
チームビルディングにおけるフィードバックの受容
お互いの成長を促進するためには、社員同士がフィードバックを行い、互いの進歩を助ける環境を築くことが必要です。
しかし、社員同士の関係性が希薄な場合、社員が1人で課題・問題を抱え込みやすくなるため葛藤や悩みが生じやすくなり、パフォーマンスが低下しやすくなります。
とくに自律分散型チームでは、各社員が1人で判断し、自律的・自主的に仕事に取り組むため、葛藤や悩みを抱えやすくなると言えるでしょう。
チームを構成する社員のモチベーションの向上には、ポジティブなフィードバックの積極的な受け入れが必要です。また、ネガティブなフィードバックにもオープンマインドで接し、改善点を見つけるヒントとして活用することも重要です。
良好な関係性はチームのパフォーマンスを向上させ、チームの目標達成や成果に直結します。そのためには各社員の強みを尊重し、適切な役割分担を行うことが、最初の段階として必須です。
また、関係性を良好にするためには、チームビルディングイベントや共同プロジェクトを定期的に実施することが効果的です。これにより、メンバー同士の信頼と連帯感が高まり、共通の目標に向けて一体となって取り組むことができます。
チームビルディングは複利効果の高い投資になる
昨今のビジネス環境を考えると、多くのチームは非常に速い変化に直面しています。
そのような中でチームを維持発展するには、多様性への理解や、個々の専門分野への関心などのコミュニケーションが欠かせません。
この場合のコミュニケーションで、雑談や脈略もなくおしゃべりするのでは効果は期待できません。
とくに、重要なのは、課題に対するチームワークやアクションへチーム全体で理解を深めることです。
わかりやすく言えば、チーム全体として、課題遂行に過程を、学習に変える為のコミュニケーションにあります。
それは、何を成功とするか何を失敗とするかという単純な解釈から、チーム全体として、チームメンバー個々人として、どう解釈するか、行動や言動に対する解釈や内在化する目に見えない感情や価値観にレベルにおいても、対話やディスカッションがチームの効果性を高めるコミュニケーションになります。
チームの課題遂行の効果は、納期やスピードも効果性を規定するビジネスにおける重要な項目です。
しかし、チームビルディングには、時間がかかるという前提があります。仮に、チームの課題遂行を予想遥かに超えるスピードで課題達成したとしても、チームが効果的に機能したかどうかはわかりません。
チームビルディングの効果性は、課題遂行の過程にから産まれる間断ないコミュニケーションとメンバー同士の丁寧かつ深度の高いコミュニケーションから、複利効果をうみ、やがて雪だるま式に効果性を発揮します。
人的資産は、個人にもありますが、チームに存在します。しかし、コミュニケーションに手を抜いたり目を背けたりすれば、自ずと 複利効果は、逆回転するでしょう。
そして、コミュニケーションを実現するためには、各メンバーのコミュニケーションスキルの向上は、必須であり、個人で言えばもっとも複利効果の高い投資と言えるでしょう。
まとめ
チームビルディングに必要な要素は多岐に渡り、チームの種類によって注力すべきポイントは異なってきます。チームに招集する社員やメンバーの専門性・個性をはじめ、目標設定・リーダーシップ・コミュニケーション・マインドセットなど、いくつもの仕組みが正しく用意されてチームは適切に機能するものです。
しかし、総じて言えることは、チームはチーム内の人間関係と仕組みによるバランスの上で成り立っている集合体で、一般的な規定の部署とは違った特性を持つことを理解しなければなりません。
とくにチームのリーダーや上司は、チームの目的達成に適した社員・メンバーの采配を行い、チーム内の連携をスムーズにする土台作りに注力する必要があります。リーダーや上司が作ったコミュニケーションの空気により、情報共有や意思疎通が促進され、チームの協力体制の水準が決定されるからです。
また、チームとして成長しながら目標達成するためには、チームを構成する社員・メンバー同士が、互いにフィードバックし合える状態にすることも重要です。そのためには、社員同士の相互理解や適切な距離感が大切であり、信頼関係を構築するため、チームビルディングイベントなど社員・メンバー同士が親密になれる場を用意することも大切でしょう。
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株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。
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