多様性(ダイバーシティ)とは?受け入れる為のコミュニケーションの本質と意味を事例を交えて徹底解説
目次
近年のビジネスにおける多様性は加速度的に注目を集めています。かつて画一性が強みの源泉であった日本企業も、多様性とその推進策をもって強みに転換しようと試みています。多様性をビジネスに持ち込む前段階として大切なのは、異なる立場の人同士が相互に理解する/理解されるためのコミュニケーションを、時間を惜しまず重ねていくことです。
この記事では、多様性をテーマに経営環境の変化やリーダーに求められるコミュニケーションのポイントについて解説します。自社の成長のヒントを得るために、ぜひ参考にしてください。
多様性を受け入れる必要性とは
グローバル化やテクノロジーの進展は、経営環境を大きく変化させてきました。情報革命によって、個々人の生活や仕事に対する価値観もさまざまなものとなり、人と人との関係性やコミュニケーションにおいても変化が進みました。
とくにこれまで企業の成長をけん引してきた中高年の方々からすると、ひと昔前のような社会観をもってして、ビジネスコミュニケーションを円滑に進めることは、簡単ではなくなってきている、ということには共感をしていただけるのではないでしょうか?
そもそも画一性が強みであった当時の社会常識は、多様性を受け入れることを前提としていません。当時は絶対的指導者や圧倒的多数の人々の考え方や行動様式に合わせる形で仕事をし、生活を営んでいました。
しかし、絶対的なリーダーによる事業運営や多数決のような価値観が以前より揺らいでおり、少数派のアイデアや価値観をヒントに、新たな観点を得ることが成功体験として紹介される時代へと変わってきています。まずはそこから多様性経営について考えたいと思います。
多様性が重視される背景
多様性が重視されるのは何故でしょうか?3つの変化についておさらいしておきましょう。
「労働市場の変化」
人材獲得は多様性が語られる以前からの課題ですが、今や労働人口の減少により企業は深刻な人手不足に直面していますので、会社の規模や事業を維持するためにも、従来よりも採用の間口を広げる必要が出てきます。
日本では転職を重ねながらキャリアを積んでいくことは主流にはなっていませんが、度重なる転職に対する社会の見方は明らかに変化してきています。企業に就社して長期的に安定・安心する労働観ではなく、自身の能力やスキルを拠り所に働くという考え方が広がっていることもその背景にあります。
また、一括新卒採用と内部の人材育成だけでは、市場の変化のスピードに対応することが難しくなってきています。そのため、かつて新卒で採用して社内での徹底的な育成をすることのみで組織づくりをしてきた企業であっても、最近では中途採用市場からスキルのある人材を獲得するという手段を取り入れるようになってきました。それは、自社の社員も他社に引き抜かれるリスクが高まっているということでもあります。
このような人材流動性の高まりに対応するため、中途新入社員が早期に活躍できるようなオンボーディング施策を講じつつも、自社社員の離職防止策を導入するなど、企業は従来にはなかった施策を整備しなければなりません。
「労働者の意識の変化」
一人ひとりの生産性の向上や創造性の発揮は、社員と組織双方の課題です。
働く人たちが仕事に対して満足度を感じることは、パフォーマンス向上や組織への愛着にもつながります。最近では、「ワークエンゲージメント*」についての議論が人事領域で活発になっていますが、自分で自分の仕事の目標を決めたり、自分でどんどん新しいことを生み出したりするような働き方に対して、より満足感を得るような傾向があります。これには、一人ひとりが受容されていて、自らのアイデアを表現したり、反対意見であっても発言することに対する抵抗感がない状態を作ることが前提となります。そのような文脈もあって、「心理的安全性」や「インクルーシブ経営」が注目されるに至ります。
実際、ベンチャー企業のように手立てやサポートが不十分な仕事環境にある企業では日々創意工夫と意思決定の連続ですが、経営者の立場でなくても事業を自分の手で進めているという充実感を売りにして採用をしている会社は非常に多く存在します。
それに対し、設立から長年経過している企業や大企業などは積み上げてきたルールや制約が多く、従業員はそれに従うことが日々の仕事となるので、退屈に感じることがあるかもしれません。
*ワークエンゲージメントは、オランダ・ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授らが提唱した仕事と人の関係性。「活力」・「熱意」・「没頭」3つの要素で説明されている。
「生活者ニーズの多様化」
ニーズの掘り出しは次のヒット商品や顧客満足の鍵です。
打ち手を講じるには画一的な価値観で消費者ニーズを眺めるだけではなく、多様な観点から意見やアイデアを集めて、柔軟に対応していく必要があります。
そのためには、ユニークさと多様性に満ちた組織風土づくりが必要です。少し気取らないコミュニケーションができるくらいの集団であった方がうまくいくかもしれません。生活者ニーズの多様化に伴い、部署やチームを構成する社員・メンバーが、多様化を歓迎し、創造的なアイデアを生み出せるようにするためには、リラックスした雰囲気と何ごとにもオープンな姿勢が必須だと言えます。
多様性を受け入れられていますか?
多様性と聞いてイメージするのが女性活躍推進と考える方が多いと思いますが、あらためて多様性におけるイシューを一つひとつ見ていきましょう。
価値観
対人コミュニケーションにおいて価値観の同質性はプラスに作用すると思われがちですが、ビジネスの環境下では、必ずしもそうであるとは言いきれません。同質であるからこそ思考の死角が生じ、その存在にすら気づかないことがあります。企業不祥事やトラブルをみていても、異を唱えることができずに事件に至るケースもあります。
反面、多様な顔ぶれでチーム連携することで、これまでの顔ぶれではありえない選択肢をあえて選ぶことができます。今までと異なる選択肢からは今までと異なる成果にいきつくことも期待できます。
代わって浮上するのがまったく違う価値観の者同士がどのように合意するかという問題です。淡々と議論が進んでいたこれまでの意思決定とは異なり、確実に遠回りをしなければならず、コミュニケーションコストは上がります。
また、このような思考も体力も浪費する議論は、終わったとき不毛な時間にならないように着地点を意識した展開が必要です。どこまでも平行線をたどることのないよう、言うべきことは言って共通のゴールへ向かって話しを進めましょう。
ジェンダー
日本社会では、ジェンダーギャップについてはまだまだ議論の途上にあります。
ジェンダーによる役割定義、期待される言動や姿勢態度、厳しく規定されている制服を含むアピアランスは、昔からあった問題だったとしても、比較的最近になって顕在化してきた争点であり、社会に対する問題提起です。ジェンダー問題の解決には広範な社会的な取り組みが求められます。
中でも女性の活躍については、社会全般と企業のステークホルダーからの関心も高く、評価基準として重要なポイントです。
2015年の女性活躍推進法の施行を受け、一定規模以上の企業では女性の活躍推進を掲げ、女性管理職の比率等を公開することが一般的になりました。
働く女性の数は増えて女性の社会進出が進んでいるかのように思えますが、女性管理職の率となると依然として1割にも満たないというのが現状です(帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(2022年)」調べ)。
話を聞いてみると、責任が大きくなるなか、就業時間以外のタスク(生活全般)を抱えながら、表面上の「活躍」を要求されることに、違和感や不信感を持つ社員も少なくありません。これらのことからも女性活躍推進のストレスが、内にも外にもあることが伺えます。
このような中、多様性経営をテーマに職場内対話をしたり、管理職と人事部門が意見交換の会議体を持ったり、意識の変化について定期点検をするというような試みは、よく行われるようになってきました。
世代(ジェネレーション)
異なる世代間でのコミュニケーションの難しさも問題視されています。
組織内で同調圧力が働く中、自分の気づきや異論を唱えることには、周囲が思う以上に負荷の大きいものです。異端扱いされることになるのではないかと恐怖を感じることさえあります。とりわけ、自分より上の世代に対して遠慮したり、逆に自分より若い世代に迎合したりする傾向は顕著になっており、この状態を俯瞰すると、没個性的な組織状態に陥っていると言わざるを得ません。
生まれた時代背景が、その世代の価値観を形成することは当然ともいえますが、多様性の観点においては、それぞれの世代が交流して価値を発揮することが求められており、この問題に対する解決策を模索しているところです。
実際、世代間での理解を深めることの大切さを再考する組織も出てきています。彼らは、個人的な交流やコミュニティを通じて、世代の壁を乗り越えた共通の課題や趣味・利益を発見することに時間を費やしています。
国籍
日本は、その文化的・歴史的背景から、異文化や外国人に対する受け入れには遅れがあると言われています。とくに、地方都市や山間地域では外国人との接点が少ないので、異文化に対する認知理解の機会もほとんどありません。
近年では、企業でも市区町村でも異文化理解に向けた教育やキャンペーンなどが行われており、徐々に異文化への受け入れ態勢が改善されつつあります。
企業による人財多様性の開示
近年の急速な経営環境の変化に応じて、自社の経営手法を見直したり変革したりする企業も多くなっています。
その際、重要視しているのは「多様な人材」を獲得し、その力を活かすことです。組織内の人材の多様性が増すと、企業全体の生産性が向上し、人手不足の問題も解消されると言われています。
このような「多様な人材」が活躍するために行われる経営手法を「ダイバーシティ経営」と呼び、多様な人材の獲得と活躍にどう取り組むかが重要になってきています。更に、次に挙げるような観点でプロセスを可視化し、その取り組み状況を進んで開示することで、ステークホルダーを味方に取り込むなど、積極的に活動する企業も紹介されるようになっています。
実際に、ダイバーシティ経営に取り組む企業は、他の企業と比較して人材の採用や定着率、売上高や営業利益などの主要な経営成果において効果的な成果を上げていることが研究によってわかっています。
投資家・アナリストが期待する主なポイント:人的資本、多様性 等
2022年8月内閣官房発表の「人的資本可視化指針」は注目に値します。これは人的資本経営の実践内容を公表する為の指針ですが、そのなかの「独自性」と「比較可能性」という2つの類型があります。
「独自性」の観点では、企業が自社固有の戦略やビジネスモデルに沿った取組み・指標・目標を開示します。企業の独自性や独自性に基づく競争力を示すことができるのが利点です。
たとえば、企業が人材育成や従業員の働きやすさに重点を置いている場合、その取組みや指標を開示することで、企業の人的資本への投資や成果を可視化することができます。
もうひとつの「比較可能性」の観点では、他社でも使用されている標準的な指標で開示します。投資家やステークホルダーが企業間の人的資本の差異を把握しやすくなるのが特徴です。たとえば、企業が従業員の教育研修費用や離職率といった一般的な指標が挙げられます。
- マテリアリティをどう考えているかについて比較可能性がある形で標準化していく
-
- マテリアリティの明確化と標準化は企業にとって重要な課題です。
企業は自らの取り組みを明確に示すことでステークホルダーとの信頼関係を築き、持続可能な経済活動を実現する
- ことができます。また、マテリアリティの標準化により比較可能性が向上し、企業の持続可能性に関する情報開示の質を高めることができます。
- 過去実績を示したうえで、長期時系列での変化を開示する
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- 過去実績を示したうえで、長期時系列での変化を開示することは有用です。
長期時系列での変化を開示することによって、企業の戦略の進化や経営方針の変更を理解することができます。これらの情報は、投資家が企業の将来性を評価する際に重要な要素となります。
過去実績と長期時系列での変化を開示することは、企業の透明性と信頼性を高めるだけでなく、投資家や利害関係者にとっても有用な情報源となります。企業は、有価証券報告書において適切かつ明確な情報開示を行うことで、市場の期待に応えるとともに、持続的な成長を実現することができるでしょう。
- 背景にある企業理念やロジック、前提、仮定の考え方などのストーリーを開示する
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- 企業理念、ミッション・ビジョン、背景にあるロジックや、前提、仮定の考え方を開示することは有用です。企業が情報開示を行う際には、財務諸表などの定量的な情報だけでなく、ナラティブ(記述情報)も重要な要素となります。とくに人的資本の情報開示においては、なぜその項目を開示しているのか、
目標の基準が企業の成長とどのように関連しているのかといったストーリーの構築が重要
-
- です。
人的資本に関する情報は、短期的な成果が直ちに表れるものではありません。そのため、中長期のスパンで継続的に比較分析する必要があります。企業は自社の経営戦略や全体戦略と人材戦略を結びつけ、その関連性を開示することで、投資家やステークホルダーに対して企業の将来的な成長戦略を理解してもらうことができます。
多様性を推進するの壁は?
多様性経営を課題として据えていても、なかなか思うように進展しないという声も多いようです。多様性の推進を妨げるものは何でしょうか。
損をすることへの恐れ
わかりやすく言うと、多様性を受け入れることによって自分が損をするのではないかという不安がコミュニケーションの機会を妨げています。
過去の経験が邪魔をして、自分の考え方や行動を変えることに抵抗を感じる人は一定の割合でいます。また、自分と同質的な考えや行動に安心感を抱く人々は、異なるものを受け入れることで自己の安定感が揺らぐことを恐れる傾向があります。
同調圧力
日本の文化では、他人との衝突を避け、和を尊ぶことが重要視されています。
「出る杭は打たれる」ということわざにも見られるように、個人の主張を同調圧力によって排除し、多くの日和見主義者を囲い込み、集団の空気感や場の雰囲気によって意見や行動において多数派に合わせるように仕向ける要素も含まれます。
同調圧力の問題点は、多数派が意見の正当性をコントロールすることであり、個々の意見や多様性が抑制される可能性があります。ただし、同調圧力の強さは日本に特有のものではありません。他の国々でも同様のヒエラルキーが存在し、同調圧力が生じることがあります。
共通部分と多様部分
企業にとって、共通性と多様性は相補的な要素であり、どちらも重要です。共通性は組織の一体感を築き、進むべき方向を示す一方で、多様性は新たな視点やアイデアをもたらし、柔軟性と創造性を促進します。組織が共通性と多様性の両方を尊重し、調和を保つことで、持続的な成果や競争力を向上させることができます。
たとえば、海外拠点や外国人顧客との異文化コミュニケーションや他言語対応が増える中で、企業も外国人採用や異文化トレーニングに力を入れてきています。その過程で互いの立場の違いから来る摩擦を乗り越え、相互理解と共通認識を深めたうえで成果に落とし込むにはどれほどの時間がかかるかと、苦い経験をしたこともあるでしょう。企業は、多様性を認識して、インクルーシブな組織づくりを進めるなかで、更に共通部分も共に作り上げていくことが期待されています。
多様性のない、画一的なチームの末路
日本企業は多様性の欠如が深刻だとしばしば指摘されます。多様性が欠けていることで、組織は致命的な判断ミスをしやすくなりますが、その一因はどんなに優秀でも盲点があるということです。
どういうことかというと、同じようなバックグラウンドや経験を持つメンバーで構成されているため、メンバーの思考は似通ってしまい、新鮮な視点や異なる意見が欠如し、創造性や革新性が生まれにくい傾向があります。
画一的なチームではグループシンクや団結力が高まり居心地がいい一方で、異なる意見や議論が抑制されやすくなっています。これにより問題の本質的な解決や効果的な意思決定が難しくなります。また、多様性のない組織では、人々が自分のアイデンティティや特性を抑圧せざるを得ず、働きやすさやモチベーションの低下にもつながります。
多様性あふれる組織開発に向けた施策
ここまでは、多様性の推進の妨げになっている要因について紹介してきました。ここからは多様性を受け入れ、それが常態化するための展望について説明します。
インターナルコミュニケーション
コミュニケーションなしに、相互理解を深めることはできません。異文化知識や価値観、それぞれのおかれた立場など、突き詰めると誰一人として同じ人間は存在しません。そしてコミュニケーション力は、多様性を受け入れるための相互理解に貢献しますが、それだけでは十分ではありません。
なぜならば、自分軸や自己主張も重要であり、日本人が見落としがちな部分でもあります。文化庁の調査によれば、とくに10代の若者の間でコミュニケーションを苦手と感じる人が多いことがわかっており、自分の気持ちを伝えることや相手の話をよく聞くことを難しいと感じる傾向があります。
現代のような先が見えにくい社会では、正解がない状況が増えるため、自分の考え方をしっかり相手に伝える力と、相手の考えを聞く力の両方が重要となります。
自身の考えを持ちながら、多様性を受け入れるコミュニケーション力を身につけることは、とくに全世代にとって重要な課題となります。
組織の中のコミュニケーションは伝統的なコミュニケーションが是とされてきており、対話などを避けていた傾向がありましたが、現代のビジネス環境において多様性を積極的に取り入れていこうという昨今の流れからすれば、伝統的なコミュニケーションのその先へ進むべきなのかもしれません。
冒頭でも述べたように、多様性は伝統的なコミュニケーションでは受け入れられません。個々のコミュニケーションスキルを向上させることではじめて理解をしめします。
たとえば対話会は、オープンな議論と意見交換をする場ですが、このような場に参加し、一人ひとりがマイノリティな立場で発言することこそ相互理解の入り口に立つことができます。
以前は発言をしなくてもその場の空気で意思決定がなされていました。内心は違うなと思いながらも、決定事項に異を唱えなければよかったのかもしれませんが、この時代では、参加者の一人ひとりが自立するという認識で他者理解も深めると同時に、自らの個性を周囲に理解してもらうことが必要です。
個々のコミュニケーションスキルの向上
個々のコミュニケーションスキルの向上は、個人や組織の成長にとって重要であり、共感力や適切な言葉選びなどが求められることから、常に学習と組織変革への間断ない取り組みが必要です。
たとえば相手の話に耳を傾け、その意図や感情を理解することです。会話を通じて、相手の考えや気持ちを受け入れる姿勢を示し、同時に相手の立場にも理解を示しています。また会話の中で、注意したいのが適切な言葉選びです。相手に対して敬意を持って適切な表現を使うことで、誤解やトラブルを避けることができます。
また日頃から異なる意見やフィードバックを受け入れる柔軟な姿勢を持ちましょう。自分の行動やコミュニケーションスタイルを改善するために、他人の意見を活かすことができます。新しいアイデアや異なる意見に対してもバイアスがかからないように、多様な考え方を受け入れることが大切です。
このほか、効果的なコミュニケーションにむけて、ロジカルシンキングやラテラルシンキングなどの思考法をおすすめします。
これらの具体策を活用することで、多様性におけるコミュニケーションスキルを向上させ、より効果的なチームワークが期待できます。
まとめ
現代のビジネス環境では、多様性経営という言葉が頻繁に使われています。企業がダイバーシティを重視し、さまざまな人材を活かすことは、経営戦略の一環として重要な要素です。
他方で実態としては、多様性経営が単なる流行語やありふれたメッセージになってしまって、形骸化しています。人口問題、社員の意識の変化、労働市場の変化がゆっくりと進むので、差し迫った課題に感じられないというのもその理由にあるでしょう。
それでも、経営者は、ダイバーシティの必要性を社内外に伝え続けて、これを組織全体で共有することが求められますし、また、従業員も自らの多様性や個性を活かし、積極的に仕事に取り組むことが求められます。
繰り返しになりますが、多様性経営の本質は、多様な人材を確保したり、多様な考え方を受容できる組織を作り、成長と競争力を高めることにあります。異なるバックグラウンドや経験を持つ人々が集まり、意見やアイデアを交換することで、新たな気づきやイノベーションが生まれるだけにとどまらず、企業は市場の変化に柔軟に対応し、競争力を維持・向上させることができます。
多様性経営は、企業にとって単なるトレンドや表面的な取り組みではなく、経営戦略の一部として真剣に取り組むべきコミュニケーション課題です。企業の維持発展と競争力の向上のためにも、長丁場で臨むものであることを再認識していきましょう。
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取締役、シニア コミュニケーションコンサルタント
築地 健
インターナルコミュニケーションの現状把握から戦略策定、ツール導入支援まで幅広く担当しています。昨今では、DX推進のためのチェンジマネジメント支援も行っています。国際団体IABC日本支部の代表を務めています。
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アレン キム
インターナルコミュニケーション(社内コミュニケーション)を通じて、組織の経営課題から社会課題を解決するご支援をしています。 2024年現在、特にD&I関連の浸透施策に注力しております。
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