2023.10.13
インターナルコミュニケーション経営における悩みとは
目次
組織の成功には、従業員間の強いつながりと帰属意識が不可欠です。そのため、組織内での情報共有や意見交換を活性化させる「インターナルコミュニケーション」が重要な要素となっています。
この記事では、インターナルコミュニケーションが経営にどのように役に立ち、経営業績に良い影響を与えるのか、具体的な事例を交えながら解説していきます。また、効果的なインターナルコミュニケーションを実施するためのポイントや手法についても整理していきます。組織の変革と成功のために、インターナルコミュニケーションの重要性についてあらためて考えてみましょう。
インターナルコミュニケーションの目的とは
組織内での情報共有や理解を促進し、従業員同士の連携やコミュニケーションを活性化させることです。組織の理念やビジョンを共有すること、従業員同士のコミュニケーションを活性化させること、企業文化を浸透させること、モチベーションの向上、情報の共有を徹底することなどがインターナルコミュニケーションの目的として挙げられます。
組織の理念やビジョンを共有することは、全従業員が同じ方向を向いて働くために重要です。ビジョンを共有することで、各部署や個人の目標設定や行動が一致し、組織全体の成果につながります。
また、従業員同士のコミュニケーションを活性化させることは、チームワークや協力関係の構築につながり、情報の共有や意見交換を通じて、問題解決や意思決定のスピードを上げることができます。
さらに、企業文化を浸透させることは、組織のアイデンティティを強化し、従業員の行動や価値観を統一する役割を果たします。組織の文化を共有し、共通の価値観を持つことで、従業員の行動や判断が一致しやすくなります。
モチベーションの向上は、従業員の働きがいややる気を引き出すために重要です。情報の共有やフィードバックの機会を設けることで、従業員は自身の貢献度や成果を実感しやすくなります。
さらに、情報の共有を徹底することは、組織内の情報格差を解消し、全従業員が同じ情報を持つことができる状態を作り出します。情報の透明性が高まることで、不確実性や不安を減らし、組織全体の効率性を向上させることができます。
このように、インターナルコミュニケーションの目的は、組織内の連携やコミュニケーションを活性化させることであり、組織の成果や従業員の満足度を高めるために欠かせない要素と言えます。
インターナルコミュニケーションの実態
組織の成果や従業員の満足度にかかわる社内コミュニケーション活性化のためにさまざまな施策に取り組んでいる企業も多いと思いますが、組織としてのインターナルコミュニケーションの実態はどうなっているのでしょうか。 調査結果(サマリ)を見ると、社員のアンケートをもとに企業理念と人事制度の浸透に関するデータを見て、半数に満たない割合で企業理念への理解を示し、自身の日々の行動とリンクしていると答えています。
逆に言えば共感しない、事業計画を理解していない従業員が半数以上という結果にはなっていますが、この結果は悲観視ばかりではなく、ワークエンゲージメントやモチベーションの向上の面で改善の余白が大きいとも言えます。
また従業員から見た社内コミュニケーションの重要視するポイントとして、厚生労働省の「令和元年労使コミュニケーション調査」 によれば、会社が社内コミュニケーションで重視する内容は、回答が多い順に「日常業務改善」75.3%、「作業環境改善」72.9%、「職場の人間関係」69.5%となっています。社内コミュニケーションの本来の意味である「企業利益」の部分が色濃く反映されていることがよくわかります。
一方、従業員が社内コミュニケーションで重視するのは回答の多い順から「職場の人間関係」66.2%、「日常業務改善」57.7%、「賃金、労働時間等 労働条件」53.0%です。これには、「本人の働きやすさ・待遇」の面が強く現れていて、これだけ見ても、経営層と現場の着地点に大きな開きがあることがわかります。
インターナルコミュニケーションの経営へのメリットとは
第一に、インターナルコミュニケーションは組織内の連携を強化し、効率的な業務遂行を可能にします。情報や意思の共有が円滑に行われることで、部署間の壁がなくなり、チームワークが向上します。これにより、業務のスピードや質が向上し、組織全体の生産性が高まります。
第二に、インターナルコミュニケーションは従業員のモチベーションを高める効果があります。経営者の考えや目標が明確に伝えられることで、従業員は自身の仕事への関与感や責任感を持つようになります。また、情報共有やフィードバックの仕組みが整えられることで、従業員は自身の成長や意見の反映を実感できます。これにより、ワーク・エンゲージメントが高まり、組織の活力が向上します。
さらに、インターナルコミュニケーションは経営陣にとっても重要です。現場の声や意見が経営陣に届けられることで、経営戦略の改善や意思決定の質が向上します。従業員のフィードバックを受けて組織を改善することは、経営者にとって貴重な情報源となります。また、経営者の考えやビジョンを社員に伝えることで、組織全体が一体感を持ち、目標に向かって協力して働くことができます。
最後に、インターナルコミュニケーションは信頼関係の構築にも役立ちます。情報の透明性や公平性が確保されることで従業員同士の信頼関係が深まります。相互理解やコミュニケーションを通じて、意見の違いや衝突を解消することも可能です。これにより、組織内のコミュニケーションの質が向上し、職場の雰囲気が明るくなります。
組織内の連携やモチベーションの向上、経営陣とのコミュニケーション、信頼関係の構築など、さまざまな側面で組織の成果を高めることができます。インターナルコミュニケーションを活性化させることは、現代の組織において不可欠な要素と言えるでしょう。
従業員間のつながりと帰属意識の重要性
従業員間のつながりと帰属意識は、組織内での効果的なコミュニケーションと協力関係を築く上で非常に重要です。従業員同士が、組織の一員としての誇りや責任感を共有することで、組織全体のパフォーマンス向上や離職率の低下などのメリットが得られます。
まず、従業員間のつながりを深めることで、組織内のコミュニケーションが円滑になります。チームメンバー同士が信頼関係を築き、意見や情報をスムーズに共有することができれば、業務の効率性や品質向上につながります。また、コミュニケーション不足が原因で起こるミスやトラブルも減少するため、業務の進行に変化があらわれます。
さらに、従業員間の帰属意識が高まると、個々のモチベーションや生産性が向上し、自分が組織の一員であることを誇りに思いながら仕事に対する責任感や熱意が高まるため、より良い成果を生み出すことができます。また、組織のビジョンや目標に共感し、自身の役割を理解することで、自ら進んで業務に取り組む姿勢が醸成されます。
さらに、帰属意識の高い従業員は、組織への長期的なロイヤルティを持つ傾向があります。現代は終身雇用の減少や多様な働き方の普及により、従業員の離職率は上昇しています。しかし、従業員が組織に帰属意識を持ち、自身の成長やキャリアパスを見出せる環境が整っていれば、組織への関心が持続し、離職率の改善につながるでしょう。
従業員間のつながりと帰属意識を高めるためには、さまざまな取り組みが必要です。たとえば、社内イベントの開催やコミュニケーションツールの導入により、従業員同士の交流を促進することが重要です。また、働き方や待遇の改善、インナーブランディングの実施など、従業員の働きやすさや組織への誇りを高める施策も必要です。
組織内の従業員間のつながりと帰属意識の重要性は、組織全体の成果向上や従業員の満足度向上につながるため、重点的に取り組むべき課題と言えます。組織のリーダーシップや従業員一人ひとりの意識改革が必要ですが、コミュニケーションコストをかけてでも人材を育成するほどの価値があります。
組織内情報共有と意見交換の活性化
組織内での情報共有と意見交換の活性化は、企業のあらゆる成功に深くかかわっています。組織内での情報や知識を共有することは、チーム間の連携や効率性が向上し、意思決定のスピードも加速させます。
組織内の情報共有を活性化するためには、コミュニケーション手段の整備が欠かせません。具体的には社内報やメール、チャットツールなどを活用し、情報を円滑に共有する仕組みを整えることが重要です。また、情報共有の頻度や形式を明確に定め、各部署やチームに共通のルールを設けることも効果があります。
さらに、意見交換の活性化も重要な要素です。意見交換の場を設け、積極的に参加を促すことで、さまざまな視点やアイデアが生まれます。たとえば、定期的なミーティングやブレインストーミングセッション、グループディスカッションなどを通じて、社員同士のコミュニケーションを活発化させることができます。
また、情報共有や意見交換を促進するためには、上司やリーダーの役割も重要です。上司は情報を適切に伝えるだけでなく、社員の意見や提案に対しても積極的に耳を傾ける姿勢が求められます。上司がオープンなコミュニケーションを実践することで、社員も自由に意見を述べることができる風土が醸成されます。
さらに、情報共有や意見交換を活性化するためには、情報の可視化やアクセスの容易化も重要です。社内ポータルサイトや共有ドキュメント管理システムを活用し、必要な情報にスムーズにアクセスできる環境を整えることが求められます。
組織内での情報共有と意見交換の活性化は、組織の成果や競争力に大きな影響を与えます。組織全体の情報を共有することで、チームの連携や効率性が向上し、新たなアイデアや解決策が生まれる可能性も高まります。組織内の風通しを良くし、積極的なコミュニケーションを促進することで、組織全体の活性化を図りましょう。
インターナルコミュニケーションによる経営業績への影響
インターナルコミュニケーションは、経営業績に大きな影響を与えており、経営層と従業員との間での円滑なコミュニケーションが取れることで、組織全体が一体となり、共通の目標に向かって進んでいます。経営者から従業員へのビジョンや理念が浸透することによって、一人ひとりが意欲を高め、仕事への取り組みを促すことができます。
また、異なる部門間のコミュニケーションや関係構築も重要です。部門間の情報共有や協力体制の構築により、業務の効率化や品質向上が図られます。たとえば、生産部門と販売部門が密接に連携し、需要予測や生産計画を適切に調整することで、在庫の過剰や不足を防ぐことができます。
さらに、インターナルコミュニケーションは従業員の満足度やモチベーションにも影響を与えます。経営者が社員の意見や要望を真摯に受け止め、フィードバックを行うことで、社員は自身の声が届くと感じ、より働きやすい環境を実現することができます。これにより、社員の定着率や生産性の向上が期待できます。
インターナルコミュニケーションを促進するためには、定期的なコミュニケーションツールやイベントの活用が有効です。社内報やメールニュースレターを通じて情報を共有し、社員同士の交流を促すことができます。さらに、定期的な会議やワークショップを開催し、意見交換や意識共有の場を設けることも重要です。
このような日々の取り組みを積み重ねながら経営業績向上につなげ、組織全体が一丸となり、共通の目標に向かって進むことで、生産性や品質の向上、社員の満足度の向上などが実現されます。経営者は積極的にインターナルコミュニケーションを重視し、従業員との接点を絶やすことなく組織の成長と発展に貢献していく必要があります。
効果的なインターナルコミュニケーションのポイント
ここからは効果的なインターナルコミュニケーションのポイントについて考えてみましょう。
具体的なポイントとしては、まずは理念やビジョンの浸透が挙げられます。従業員が企業の方向性や目標を理解し、共有することは非常に重要です。これによって、全体の目標に向かって一丸となって働くことができます。
また、従業員同士のコミュニケーションの活性化もポイントの一つです。部署間や階層間の壁を取り払い、情報や意見が円滑に共有される環境を整えることが求められます。定期的なミーティングやチームビルディングの活動などを通じて、自然とコミュニケーションが取れる環境を整えましょう。
さらに、組織風土も重要なポイントです。日々業務に追われるなかで、企業の価値観や行動指針を唱えながら仕事することはそうはないと思いますが、社内イベントや研修といった機会があればパーパスを意識するきっかけにもなり、一貫性のある活動が実現できます。継続的に取り組んで理解を深めましょう。
最後に、情報共有の徹底もポイントの一つです。重要な情報やプロジェクトの進捗状況などを適切に共有すると全体の連携がスムーズになります。社内報の発行や内部SNSの活用など、効果的な情報共有手段を導入しましょう。
ヒエラルキー型から自律分散型への組織の変革
急速に変化する市場や技術の進展により、従来の中央集権型の組織構造では対応しきれない課題が生じています。そのため、組織は権限を現場に近いところに委譲し自律分散型への移行が進みはじめました。
自律分散型組織は、従来のヒエラルキー型のような上下関係や指示命令の仕組みではなく、フラットな組織構造を持ちます。管理職の役割は減少し、各従業員が自ら考え、自主的に行動し、他のメンバーと連携しながら業務を進めます。このような組織形態は、柔軟性や迅速な意思決定を可能にし、イノベーションの創出にも貢献します。
とくに、現代のVUCA(変動、不確実、複雑、曖昧)な時代では、自律分散型組織の特長をいかし力を発揮します。市場の変動や競争の激化により、組織は素早く対応する必要があるなかで、ヒエラルキー型の組織では情報の伝達や意思決定に時間がかかるため、迅速な行動が難しくなります。一方、自律分散型組織では、各メンバーが自ら判断し行動するため、スピード感を持ったイノベーションが生まれやすくなります。
また、リモートワークが普及したことも自律分散型組織への変革を促進しました。従来のオフィスでのコミュニケーションや監督は難しいため、従業員自身が自己管理や自己責任を持ち、業務を遂行する必要があります。自律分散型組織は、リモートワークに適した形態であり、柔軟な働き方を実現することができます。
しかし、自律分散型組織への変革は容易ではありません。従業員の意識やスキルの変革、組織文化の転換など多くの課題があります。組織は、従業員の意欲や能力を引き出すための環境づくりや、情報共有の仕組みの整備などに取り組む必要があります。
変化の激しい時代においては、柔軟性やスピード感を持った組織が競争力を維持するために必要です。組織は、自律分散型への転換を進めることで、イノベーションの創出や従業員の能力を最大限引き出すことができます。
インターナルコミュニケーションがうまくいかない原因の解明
まず、経営層がインターナルコミュニケーションの重要性に気がついていないことが挙げられます。双方向のコミュニケーションがなされてはじめて、情報共有や意思疎通がスムーズになり、組織全体のパフォーマンスが向上します。しかし、一方からの発信では不十分であることに気づかず、インターナルコミュニケーションに力を入れない組織も存在します。
次に、ボトムアップの意思疎通をする体制がないことが原因として挙げられます。上司や役員からの指示や情報共有が一方的に行われる場合、部下や社員の意見やフィードバックが反映されず、組織内のコミュニケーションが偏ります。ボトムアップの意思疎通を促すためには、上司や役員が部下や社員の意見を積極的に受け入れる姿勢が求められます。
さらに、主導する人材を見つけるのが難しいことも、インターナルコミュニケーションがうまくいかない原因として考えられます。コミュニケーションを円滑に進めるためには、リーダーシップやコミュニケーションスキルに優れた人材が必要です。しかし、このような人材を見つけることは容易ではありません。組織内でリーダーシップのある人材を発掘し、育成する取り組みが求められます。
ボトムアップの意思疎通をする体制の構築
ボトムアップの意思疎通をするためには、まず従業員とのコミュニケーションを振り返る必要があります。
- 定期的なミーティングやフィードバックセッションを通じて、従業員の声を聞く機会を設けること
- オープンなコミュニケーションチャネルやアイデアボックスの活用
などのいくつかのチェックポイントがあります。
従業員が自由にアイデアを提案できる環境を整えることで、意思疎通がスムーズに行われます。
上司やリーダーが従業員の意見を真剣に受け止めることにも意識を向けましょう。従業員が提案したアイデアや意見に対して、フィードバックや感謝の言葉を伝えることで、従業員はより積極的に参加し、意見を出すことができます。上司やリーダーは、出された意見を尊重し組織全体の利益につながるような意思決定を行うことが求められます。
ボトムアップの意思疎通をする体制の構築には、時間やリソースが必要です。従業員のアイデアや意見を集約し、分析するためには適切な時間と人員を確保しなければなりません。また、従業員の提案に対して具体的なフィードバックやアクションプランを示すことも重要です。従業員が自身の意見が実際に反映されることを実感できれば、より意欲的に参加することができます。
ボトムアップの意思疎通をする体制の構築は、組織の活性化や創造性の向上につながります。従業員は自身のアイデアや意見が重要視され、組織の一員としての自己実現感を得ることができます。結果として、組織全体のパフォーマンスが向上し、競争力を高めることができるでしょう。
またこのような取り組みは、持続的な成長と発展のために欠かせない要素です。従業員のアイデアや意見を大切にし、積極的に取り入れることで、組織はより柔軟に変化に対応し、新たな可能性を追求することができます。
効果的なインターナルコミュニケーションの手法
効果的なインターナルコミュニケーションの手法は、企業内で円滑なコミュニケーションを促進し、従業員の満足度と生産性を向上させる重要な取り組みです。インターナルコミュニケーションの手法には、さまざまな方法があります。
社内報の発行
社内報は、企業内での情報共有やコミュニケーションを促進するために効果的な手法です。定期的に発行される社内報には、組織の最新情報やプロジェクトの進捗状況、従業員へのメッセージなどが掲載されます。社内報を通じて従業員が互いの活動や成果を知ることで、組織全体の連帯感やコミュニケーションが深まります。
社内イベントの開催
社内イベントは、従業員同士の交流やコミュニケーションを促進する方法です。たとえば、テーマパーティーやスポーツ大会など、楽しい活動を通じてチームビルディングや協力関係を築くことができます。また、社内イベントでは上司と部下が一緒に参加することもあり、距離を縮める機会となることもあります。
オフィス環境の整備
快適なオフィス環境は、従業員のコミュニケーションを促進する効果があります。たとえば、共有スペースやカフェテリアの整備、コラボレーションスペースの設置などが挙げられます。また、オープンスペースやフレキシブルな作業環境を導入することで、柔軟なコミュニケーションが生まれるでしょう。
1on1ミーティング
1on1ミーティングは、マネージャーと従業員の個別面談です。これはコミュニケーションの重要な手段であり、従業員の声を直接聞くことで問題や課題を早期に把握し、解決策を見つけることができます。定期的かつ一対一で行われるこのミーティングは、信頼関係を構築し、開かれたコミュニケーションを推進します。
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社内研修・グループワーク
従業員のスキルアップやチームワーク強化のために、定期的な社内研修やグループワークを実施しましょう。トレーニングセッションやワークショップを通じて、従業員同士の知識や経験を共有し、相互学習を促進します。また、プロジェクトにおけるチームビルディングや問題解決力の向上にも効果的です。
社内表彰の実施
優れた成績や貢献をした従業員を公的に認めることは、インターナルコミュニケーションを活性化させる重要な手法です。社内表彰制度を設け、功績があった人々に感謝の意を示しましょう。これによって、従業員は自身の仕事への取り組みを認められ、モチベーションが高まります。
タウンホールミーティング(対話集会)
タウンホールミーティングは、企業トップと従業員全体が対話する場です。これは情報共有だけでなく、質問や意見交換が盛んに行われる場でもあります。従業員が経営陣に直接意見を発言できる機会を持つことで、よりオープンなコミュニケーションが交わされます。
インターナルコミュニケーションの実施における注意点
社内での効果的なコミュニケーションは、どのような点について注意しなければならないのでしょうか。インターナルコミュニケーションの実施について考えていきましょう。
意見の押し付け合いにならないようにする
まず、意見の押し付け合いにならないようにすることが重要です。社内では、さまざまな立場や考え方を持つ人々がいますので、一方的な意見を強制することは避けるべきです。すべてのメンバーの意見を尊重し、議論を通じて共通の目標に向かって進むことが大切です。
少数派の意見も取り入れるようにする
意見の多様性は、新たなアイデアや切り口を生み出すために重要です。少数派の意見に耳を傾け、その意見を取り入れることで、より多くの視点を得ることができます。これにより、より良い意思決定ができる可能性が高まるため、少数派の意見も聞きもらさないようにしましょう。
さらに、これらの意見を円滑に吸い上げるためには、適切な手法やツールを選ぶことも重要です。たとえば、定期的な会議や報告書、メールやチャットツールなど、情報の共有や意見交換を行うためのコミュニケーション手段を適切に選択する必要があります。また、コミュニケーションのスタイルや言葉遣いにも注意を払うことで、円滑なコミュニケーションを実現することができます。
インターナルコミュニケーションの継続的な評価と改善
まず、インターナルコミュニケーションの評価は、定期的なアンケート調査やフィードバックの収集を通じて行われます。従業員の意見やフィードバックを収集し、コミュニケーションの課題や改善点を把握することが重要です。また、上司や部門間のコミュニケーションの質や頻度を評価することも重要です。
評価結果をもとに、改善策を導入することが必要です。たとえば、情報共有のプラットフォームやツールの導入、定期的な会議や報告書の改善、コミュニケーションスキルのトレーニングなどが考えられます。改善策は、従業員の意見やフィードバックを踏まえて決定することが重要です。
さらに、改善策の効果を定期的に評価することも重要です。改善策の実施後、従業員の満足度や業務効率、コミュニケーションの質などを再評価し、必要な場合は再度改善策を見直すことが必要です。継続的な評価と改善により、コミュニケーションの課題を明確化し、より良い職場環境を築くことができます。
インターナルコミュニケーションの継続的な評価と改善は、組織の成果や従業員の満足度向上に深く関わってきますので組織として、コミュニケーションの課題や改善点に対して積極的に取り組み、従業員の声を反映させることが重要です。継続的な評価と改善を行うことで、より良いコミュニケーション環境を構築し、組織の成長と発展を促進することができます。
インターナルコミュニケーション経営の事例
ユーグレナ
ユーグレナを使ったヘルスケア商品などで有名な株式会社ユーグレナでは、コロナ禍の中、リアル+オンラインのハイブリッド形式で、グループ総会を実施しました。
総会の前後には、MicrosoftのSwayを活用したオンラインパンフレットを作成。総会の内容を発信し、簡単にコンテンツを確認できるようにしました。結果、情報共有に役立ったのはもちろん、今後の総会への参加モチベーションを高めることにも寄与しました。インターナルコミュニケーションによって、社員の意欲向上を実現できたのです。
三井不動産
三井不動産グループの新規事業創出を支援する、三井不動産株式会社のビジネスイノベーション推進部は、企業風土の刷新のための情報ポータルサイトを作りました。同社はもともと体育会系のカルチャーが強く、創造性やクリエイティビティを発揮しにくい雰囲気がありました。そこで、情報発信の拠点となる「WARP PORTAL」を立ち上げ、社内の新規事業事例を紹介したり、さまざまな起業に取材をして記事を掲載したりしたのです。企業風土を刷新し、新しいことにチャレンジする人を応援する気風を創っています。
NTTデータ
NTTデータでは、中堅社員の育成を促すために、ワーキンググループ型のプログラムを実施しました。同社の中堅社員は現場で経験を積んできた人が多く、目の前の課題に対して適切に効率よく取り組むことができます。しかし彼らを将来のミドルマネージャーに育てるためには、より抽象的な問題への思考能力をつける必要がありました。そこで、通常は経営層が策定する「新中期経営計画」を、中堅社員に真剣に考えてもらうワークを実施。最終的に経営層へプレゼンする場も設け、マインドの向上、エンゲージメントの向上を促しました。
まとめ
効果的なインターナルコミュニケーションのポイントとして、組織の変革や意思疎通の体制の構築が挙げられます。ヒエラルキー型から自律分散型への組織の変革を行うことで、従業員の意欲や創造性を引き出すことができます。
また、インターナルコミュニケーションがうまくいかない原因を明確にし、改善策を導入する必要があります。
効果的なインターナルコミュニケーションの手法として、満足度調査やアンケートの実施、社内イベントの開催、社内報や日報の活用、ミーティングの重要性、ビジネスチャットの導入などがあります。これらの手法を組み合わせて、従業員同士のコミュニケーションを促進し、情報共有を円滑にしましょう。
インターナルコミュニケーションを検討する際にぜひ参考にしてください。
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株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。
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