2024.04.23
チームビルディング研修とは?目的や期待できる効果、おすすめの研修について解説
目次
企業・組織でチームを発足する前に、チームビルディング研修を行うことがあります。優れたチームを作るために大切なチームビルディングですが、研修の内容や期待できる効果にはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、チームビルディング研修の目的や種類、期待できる効果について解説します。また、チームビルディングの概要やチーム形成までの流れについてもお伝えします。
チームビルディングとは
チームビルディングとは、チームの構成をメンバーそれぞれが持つ能力・スキル・経験をベースに形作り、各メンバーが実力を発揮することで目的達成できるチーム作りを行うことです。ボトムである個人からチーム作りを行うことで、変化の激しい現代に柔軟に対応した企業・組織作りを行うことができます。
現代のビジネスの現場は、これまでのように社内外がはっきり分かれている状況ではありません。業種・経験・国籍・立場の違う多様な人材同士が連携し、複雑で戦略的な解決案が必要なミッションに対してチームを作る必要があります。成功の方程式が見えない現代のビジネスにおいて、多様な人材が交じり合うことで新たな価値を創造し、インパクトのある商品・サービスなどを生み出せる可能性が高まります。
現代的なチームがビジネス環境から要求される課題やイノベーションは、代替可能なスキルや同じような指向性を持った均質化された個人の集団で成し遂げることは難しく、多様な指向性やスキル、あるいは視点を持った人材で構成された集団が担います。これは言いかえれば、多種多様な人材が入り交じり混沌としている状態です。この集団をチームに変えるチームビルディングは現代のビジネスと親和性があり、まったく異なるバックボーンを持つ人材同士をチーム構成に組み込むことで、良い意味での予測不能な結果が期待できます。また、多様な人材が在籍することで、思いがけないトラブルが起きた時に対応したり、課題・問題に対して突破口を開いたりするといった、ビジネスの推進力を得ることができるのも大きなメリットと言えるでしょう。
また、均質的な集団をチームビルディングする従来のやり方と、多様性に富んだ集団をチームビルディングする現代的なやり方とでは、チームビルディングは大きく異なります。
企業がチームビルディング研修を行う目的
企業がチームビルディング研修を行い、チーム作りを根幹から丁寧に行うことには目的があります。ただ闇雲にチーム作りを行わない理由には、チーム発足の際に押さえておくべき必要事項があるからです。では、チームビルディング研修はなぜ行うのでしょうか。
チームワークを高め、業務の質を高める
チームビルディングで重要なのが、その名称にも通ずるチームワークの部分です。そのためチームビルディング研修では、メンバーのチームワークを向上させるため、ゲームやワークショップによる研修を行います。
たとえばゲーム研修では、身体を使ったゲームや道具を使うゲームなどを実施し、協力してゴールを目指す流れの中で、メンバー同士のチームワークを鍛える目的があります。ワークショップでは、チームワークを高めるためのコミュニケーションスキルや関連するノウハウを学びます。座学はもちろん、ロープレ・実演などを通してアウトプットも行い、体系的にチームワークについて学んでいきます。
チームビルディング研修によってチームワークを高めることで、実際にチームで業務に当たった際もメンバー同士が適切に連携し、チームを発足した目的に則すように、良質な仕事を行えるようになります。
チームビルディングの大きな要素は、共同作業です。研修という疑似空間において、協働し、作業を繰り返す過程でチーム内のメンバーを知り、距離感を掴みます。そうして各人が共同作業を通じて、チームの中でコラボレーションする仕方を学んでいくのです。
コミュニケーションの活性化
チームビルディング研修では、ゲーム研修などを通してメンバー同士が疑似的に連携することになるので、普段関わることがない上司や別部署の社員などとコミュニケーションを取ることができます。コミュニケーションが活性化すると、仕事上でスムーズな連携が取れるようになり、必要な情報の交換・共有も促されるようになるため、生産性の向上に期待できます。また、コミュニケーションの活性化は社内の雰囲気を良くする効果もあり、人間関係の軋轢やトラブルが減り、社員同士の関係性が良好になるため、離職率の低下につながる効果もあります。
もちろん、これらの効果はチーム内でも機能するため、これまで接点のなかったメンバー同士がチームを組む場合、適切なコミュニケーションを通して距離を縮めることも大切です。また、チームメンバーが高いパフォーマンスを発揮するためにも、コミュニケーションによってお互いの理解を深め、スムーズな連携ができる関係性を構築することが求められます。
多様性の高いチームが担うタスクや課題は、多く場合は知的労働です。従って、メンバー間のコミュニケーションの中からしか価値やイノベーションは生まれません。チームの価値はコミュニケーションそのものの質で決まると言っても過言ではないでしょう。
心理的安全性を高める
チームビルディングにおいて大切な要素に、心理的安全性を高めることも挙げられます。心理的安全性とは、企業・組織の中において、自分の考え・意見・感情を誰に対しても安心して発言できる状態を指します。簡単に言うと自然体に近い状態でいられる環境のことです。
企業・組織の中には、さまざまな年齢・立場の人がいるため、物事を主張しにくい場面がどうしても出てくるものです。チームビルディングにおいては、そういった主張しにくい状況を可能な限り減らし、誰もが率直に発言できる心理的安全性の高いチーム作りを重要視しています。
心理的安全性は、ただ単に仲の良い関係性というだけでも、声の小さい人でも言いたいことを言えるといった表面的なことでもありません。人的資本のリスクは、葛藤からも、発言を避けようとすることからも生じます。心理的危険を生み出すのは、メンバー自身であることを自覚し、注意を払うということが心理的安全性を担保するということです。
製造業を中心に設備投資により経営効率を向上してきた時代においては、安全性を担保するために、工場や現場のヒヤリハットに対して声を掛け合い、生産を向上させてきました。しかし、今後経営を効率化させるには、機械や設備ではなく、人が中心になります。その際に人は本当に安全なのか?人は危険ではないのか?という課題が生じます。ハラスメントや人間関係などを、人間が危険性を孕んでいる事象と捉らえ、「この危険性とどう付き合っていくのか」ということを真剣に考える状況に来ています。
チームビルディング研修の種類
チームビルディング研修にはいくつかの種類があり、それぞれの研修で効果が異なります。
まず大前提として、オフラインかオンラインかの違いがあります。
オフラインは、実際にチームメンバー同士が事前に決定した場所に集まり、対面の状態で行う研修です。オンラインは、Zoomなどのビデオチャットツールを使用し、自宅や遠方にいながら研修を行う形になります。オンラインの研修が増えた背景には、とくにコロナ禍によってリモートワークが普及したことがあり、主に遠方同士で組まれたチームのチームワーク・コミュニケーションを向上させるために行います。
チームビルディング研修は、大きくは以下の4種類に大別できます。
- ゲーム方式
- アクティビティ方式
- 知識やノウハウの学習
- 合宿方式
ゲーム方式
「ゲーム方式」は、ボードゲーム・何かを作る・謎解き・脱出ゲームのような、チームメンバー同士が協力し合ってクリアを目指す研修です。連携する力を育み、達成感を味わうことを目的としています。「楽しさ」や「ワクワクする感情」を感じながら進められるため、研修という堅苦しさを軽減し、年齢・役職を越えたコミュニケーションを取れることが大きな魅力です。
アクティビティ方式
「アクティビティ方式」は、身体を使って行うスポーツや、ゲームを通してチームワークやコミュニケーションを高める研修です。身体性を伴うため、個人の能力差が顕著に出るのが良いところで、攻略のための采配やリーダーの選出など、ビジネスにも通ずる戦略面のトレーニングにもなるのがメリットです。また、身体を動かすためストレス発散にもなり、上達がタイムや点数にわかりやすく表れるのも良い部分でしょう。
知識やノウハウの学習
「知識やノウハウの学習」は、他の研修方式とは異なり、座学を中心とした研修です。主にコミュニケーションスキルを学習し、ロープレ・実演を通してアウトプットも同時に行います。感覚的な側面が強い他の研修方式とは違い、体系的にチームビルディングの根幹について学べるため、さまざまな場面で応用できることがメリットです。ただし、あくまでも座学であるため、習得した知識・ノウハウを実際のチームでの業務の中で実践していくことで、はじめてその効果が得られることを忘れてはいけません。
合宿方式
「合宿方式」は、チームメンバー同士が一定期間同じ宿で過ごすことで、お互いの心理的な距離を縮め、メンバー同士のつながりを深めるために行う研修です。とくに、これまで関わったことのないメンバー同士が集まった際に有効で、新入社員の研修で合宿を実施している企業も多々あります。
メンバーのプライベートの話を聞くなど、働いている時とは違う一面が見られることで、同じ人間として親近感や共感を覚え、距離を大きく縮められる可能性があるでしょう。合宿で行う研修の内容としては、チームとしての目標や理想のチーム像などについて、ワークショップ形式で話し合うことが主流です。
上記の4種類のチームビルディング研修から自社に適した方式を採用し、実施することが大切です。
チームビルディングが形成されるステップ
チームビルディングを行う際には、アメリカの組織理論家リチャード・ベックハードが提唱・開発したフレームワークGRPIモデルが有用です。ベックハードによれば、組織の発展と運用に重要になるのは、事前計画と組織を構成するメンバー全員が参加することです。また、ベックハードは組織開発を「計画に基づき組織全体を上層部がマネジメントし、組織の健全さ・有効性を高めること」と定義しており、計画と管理方法に重きを置いています。
では、ベックハードが開発したGRPIモデルでのチームビルディングは、どのようなステップで行われるのでしょうか。
➀目的
GRPIモデルの最初のステップは、チームの目標を設定することです。何のためにチームを作るのかを理解するためにも必要で、チームで達成するための成果やゴールを数値・期間で明確にし、チームメンバー全員が目標を共有し、行動できるようにしておきます。
その際、誰か1人が目標設定するのではなく、チームメンバー全員で話し合い、全員が賛同できる目標の設定が理想的であり、重要なのは達成困難な非現実的な目標を設定しないことです。あまりにも難易度の高い目標にすると、チーム全体のモチベーションが低下し、パフォーマンスが落ちる可能性があるためです。目標の難易度は少し負担がある程度にし、チームの実力とかけ離れていないかには気を付けましょう。
➁役割
目標を決定したら、次はチームメンバーそれぞれが担う役割・具体的なタスクについて決定します。目標達成に必要な業務を洗い出し、チームメンバーで共有しながら適切な人材配置を行いましょう。
また、チームメンバーの能力について把握しておくことも重要です。得手不得手はもちろん、経験・スキル・コミュニケーション能力などを総合的に判断します。ただ目の前の目標を達成するための配置にするのではなく、若いメンバーの育成も兼ねた役割分担になっているかにも注意して采配を行いましょう。
③手順手続き
目的・役割を決定したら、ここからは目標達成に必要な具体的な手順を決めます。明確なロードマップを作成し、チームメンバー同士がしっかり連携できる仕組みを用意します。また、意思決定する際に必要な流れ、チーム内の評価制度についても明確にしておき、チーム運用がスタートしてから混乱が起きないようにしておくことも大切です。
ポイントとしては、ゴールとしての目標だけでなく、中間目標や小さなステップを踏める目標などを細かく設定しておくと、ロードマップを作成しやすくなります。
④関係性
ここまでは具体的なチームビルディングの手順でしたが、最後に行う重要なステップは、チームメンバー同士のコミュニケーションを円滑にすることです。集まったメンバーは信頼関係が築けているか、コミュニケーションの頻度は十分なものであるか、問題を指摘し合い、互いを尊重しながら解決に向けて歩める状態かなどをチェックしておきます。
どのような状況でも、チームメンバー全員が発言できる空気を作るよう心がけ、そのために必要なコミュニケーションをチーム内で意識的に行うことが重要です。
チームビルディングに必要なスキル
仕事を行う上で必要なスキルが存在するのと同じように、チームビルディングにおいても必要なスキルがあります。ここでは、大きく2つに分けてスキルについて解説します。
考え方(思考法)
チームビルディングに必要な能力の1つ目は、考え方=思考法です。思考法には、ロジカルシンキング・クリティカルシンキング・ラテラルシンキング・デザインシンキングなどさまざまなものがありますが、どの思考法もチームビルディングにおいては有用です。なぜなら、チームを作る際は目標達成に必要な人材を集め、適材適所に配置するという客観的な采配が重要になるためです。その点、〇〇シンキングなどの思考法は客観性のあるフレームワークになっており、主観的な考えや発想の抑止になるメリットがあります。
もちろん、〇〇シンキングを闇雲に用いれば良いというわけではありませんが、チームビルディングを行う際はこのような思考法を積極的に取り入れ、客観性を持ってチーム作りを行うと、より目的に則したチーム作りができるでしょう。
対話とコミュニケーション
チームビルディングに必要な能力の2つ目は、対話とコミュニケーションです。チームとは複数の個人で構成される集団であり、お互いの性格・能力・主義主張・経歴などが異なっていることが一般的です。そういった異なる個人同士の仲を良好にするには、対話・議論・ディスカッションといったお互いの意見を言い合える場を用意すること、さらにはチームメンバー全員のコミュニケーションスキルを高めることも大切です。
とくに対話は重要で、相手の意見を聞く姿勢、相手を尊重する態度などは必須です。コミュニケーションを通し、チームメンバー同士が受け入れ合う状態をいかに作れるかが、チームビルディングの肝の1つになります。
チームビルディング研修に期待できる効果
ここまでは、チームビルディング研修の必要性や、チームビルディング形成の流れ・必要スキルについて解説しました。では具体的に、チームビルディング研修に期待できる効果とはどのようなものなのでしょうか。
チームで目標を追う習慣ができる
チームビルディングを行うと、バラバラに目標・目的を持っていた個人の意識が変わり、チームとして目標を追うようになります。言い換えると広い視野と高い視座が持てるようになるということです。自分以外の同僚やメンバーの役割を把握し、自分自身が組織・集団の中で何ができ、組織・集団としての目標をどうしたら達成できるかを考えるようになるのです。
また、チームとして目標を追う状態を繰り返すことで習慣化され、個人としても組織・集団としても、高いパフォーマンスを発揮する社員に成長することも期待できます。
個々のパフォーマンスが向上する
チームビルディングを行うことで、個々のパフォーマンス向上にも期待できます。チーム内のメンバー同士に信頼関係が生まれ、チーム単位で物事と向き合うようになると、より良い結果を出すために自分がどのように行動したらいいか意識するようになります。すると、チームメンバーそれぞれが結果を意識した行動をするようになり、お互いを刺激し合い、競争心も含めて個々のパフォーマンスの向上や成長につながっていくことが期待できます。
主体性・責任感が身につく
チームビルディング研修により役割を明確にすると、各メンバーが仕事にコミットし、率先して取り組むようになるため、主体性・責任感を身に付けることができます。とくに、各メンバーの能力を考慮し、適材適所の役割分担を行うとモチベーションが向上し、スキルアップやビジネスパーソンとしての成長も期待できます。
主体性・責任感は、通常の業務の中で獲得する速度は個人差が大きく出ますが、チームビルディング研修であれば、与えられた役割を通して誰もが比較的短期間で学ぶことができます。
コミュニケーションスキルがつく
チームビルディング研修は有用なチームを作ることが最終目的であるため、集まったメンバー同士はコミュニケーションを大切にしなければなりません。チームがしっかりと機能するには、個人ではなくチーム単位で物事を考える必要があるため、対他者との関係性や理解度が何よりも重要な要素となります。そのため、相手を尊重する対話を行わざるを得なくなり、必然的にコミュニケーションスキルを身に付けることになります。
他者との良好な関係作りや、他者を深く理解することはビジネス全般で活かせる能力なので、チームメンバーの枠を越え、ビジネスパーソンとしての成長にもつながります。
チームビルディング研修はPBLで行う
チームビルディング研修は、PBL(プロジェクトベースドラーニング、以下PBL)を通して行うとスムーズに学習することができます。PBLは課題解決型の学習方法で、創造性・知識の応用・コミュニケーションスキルを身に付けることができ、チームビルディング研修とも親和性の高い手法です。
PBLについては、こちらの記事で詳細を解説していますので、あわせてご覧ください。
チームビルディング研修におすすめのゲーム
チームビルディング研修では、参加メンバー同士のコミュニケーションの活性化や関係性構築のため、ゲーム形式の取り組みを行うことがあります。ここでは、チームビルディング研修で実施される、代表的な3つのゲームをご紹介します。
AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)
AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)は、アメリカのケース・ウエスタン・リザーブ大学のデービッド・クーパーライダー教授や、タオス・インスティチュートのダイアナ・ホイットニーらによって提唱された概念で、「問いかけによって価値を見出す」という意味です。
簡単に説明すると、質問によって組織文化を生み出すゲーム(手法)で、問いかけることで各個人の強み・希望をはじめ、情熱・理想・夢や目標などをあぶり出し、社内・組織内・チーム内で共有することで、新たな文化を作り出すのです。
AIは以下の4つのプロセスを経て実現されます。
Discovery(発見)
個人・組織の価値や強みを質問によって発見するフェーズ
Dream(夢)
発見された価値・強みを活かした未来・ビジョンを描く
Design(設計)
描かれた未来・ビジョンを具体的に設計する
Destiny(実行)
設計に基づき実際に実行していく
AIには副次効果もあり、企業・組織の理念の浸透、組織・チームの活性化、生産性の向上、離職率の低下など多岐にわたります。チームビルディング研修においても有用ですので、ぜひ実施してみてください。
ワールドカフェ
ワールドカフェは、その名称の通りカフェのようなリラックスした空間で対話をするゲーム(手法)です。意外に良いアイデアが出てくる瞬間というのは、居酒屋で同僚と飲んでいる時であったり、シャワーを浴びている時であったりするものです。ワールドカフェは、そのようなリラックスしたプライベート空間を意図的に作り出し、ディスカッションする方法です。
具体的なやり方としては、リラックス空間を作った状態で、各自のテーブルに用意された紙に自由にメモを書き、およそ20分~30分の話し合いを行います。ポイントとしては、本格的なディスカッションにするのではなく、話題を楽しむようなイメージで進め、リラックスすることです。また、わからないことは素直に質問し、お互いに聞かれたことには率直に応えることも大切です。ただし、あまりにもリラックスしすぎて、テーマから脱線しないようには意識しましょう。
この話し合いをメンバーを入れ替えながら3回ほど行うことで、出てきたアイデアを持ち寄って意見し合います。すると新たなアイデアが発掘されると共に、メンバー同士の交流が深まって一体感を生むことができます。とくに交流を深めるという意味においては、チームビルディング研修で有用な手法と言えるでしょう。
OST
OST(オープン・スペース・テクノロジー)は、ワークショップの1つの進め方で、参加するメンバーの主体性に委ねながら話し合いを行うゲーム(手法)です。ファシリテーターや司会といった進行役を設けず、各メンバーが話し合いたいと思った問題・課題をテーマに掲げ、自由かつオープンに話し合いを進めていきます。
OSTは話し合いの場を参加メンバーで作らなければならないため、メンバーの自主性を育み、積極的に意見しながらも他者を尊重する姿勢を身に付けることができます。自主性・積極的な意見・他者を尊重する姿勢は、チームビルディング研修でも大きな学びとなるため、有用な手法だと言えるでしょう。
OSTの発祥は1985年のとある企業の会議の中で判明した「社員がもっとも充実している時間がコーヒーブレイクだった」ということに端を発しています。そこからコーヒーブレイクの持つ協働性・リラックスなどの独自の雰囲気をワークショップの仕組みに取り入れ、OSTが誕生しました。前述したワールドカフェと近しいものがありますが、ワールドカフェは話し合いで結論を出さないことに対し、OSTは結論を導き出し、実際に活用するまでをデザインしていることが異なる点です。
まとめ
優れたチームを発足するには、チームビルディングによるチーム作成が不可欠です。チームビルディング研修では、ゲームやワークショップを通して参加メンバー同士のコミュニケーションを活性化し、お互いの理解を深めることを促進させることで、良質な関係性作りを手助けします。また、必要に応じて身体を動かすアクティビティや、寝食を共にする合宿など、さまざまな角度でチーム作りに必要な研修を実施します。まだチームビルディング研修を行っていない場合は、本記事をきっかけに実施を検討していただければと思います。
チームビルディング研修の目的や期待できる効果についてよくある質問
- 研修におけるチームビルディングとは?
研修におけるチームビルディングとは、チームの目標達成を目指し、メンバー間の連携を強化するための活動です。 具体的には、共同作業を通じたコミュニケーションの活性化、相互理解の深化、共通目標の共有などこれにより、チームワークの向上、生産性の向上、そして組織全体の活性化につながります。
- チームビルディングに必要な3要素は?
チームビルディングに必要な3要素は
共通の目標: チーム全体で達成したい目標を明確にし、メンバー全員がその目標に共感し一体感を醸成する。
役割分担: 各メンバーの役割を明確にし、それぞれの強みを活かせるようにすることで、効率的なチーム運営が可能になる。
信頼関係: チームメンバー同士が互いを信頼し、オープンにコミュニケーションを取れる環境作りが不可欠。
この3要素がバランス良く整うことで、チームはより高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
- "チームビルディングで意識することは何ですか? "
ビルディングチームで意識すべきことは、チームの目標の共有、相互理解、多様性の尊重、心理的安全性の確保です。具体的には、共通の目標を設定し定期的なコミュニケーションを大切にします。また意見交換がしやすい環境を作り、失敗を恐れずに挑戦できる心理的安全性を高めることも大切です。
株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。
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ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。