2024.10.07
サンクスカードの導入企業から学ぶその効果!Microsoft365を活用して社内で簡単に実装してみよう
目次
自社で「感謝を伝え合う文化を醸成したい」「エンゲージメント向上や離職率の改善をしたい」「社内のチームワークを向上したい」といった課題がある場合は、サンクスカードを活用すると良いでしょう。
サンクスカードは従業員同士の感謝や称賛を促進し、モチベーション向上やエンゲージメント向上に貢献する仕組みとして注目されています。
本記事ではサンクスカードの導入事例に焦点を当て、その効果とメリットを解説します。また、自社でも簡単に実装できる方法を提案します。さらに、Microsoft365を活用したサンクスカードの導入プランを紹介します。
サンクスカードとは
サンクスカードは、従業員同士で感謝や称賛を贈り合う仕組みです。社内掲示板などのスペースを活用することもありますが、昨今はデジタルツールやアプリを導入して、社内システム上で展開することがほとんどです。
感謝は特別なスキルを必要とすることがなく、誰もが表現できるものです。しかしながら、日常の慌ただしさの中で感謝を伝える瞬間は見過ごされがちです。サンクスカードは、そんな「ありがとう」の気持ちを可視化し、伝える機会を創出できます。
特に目に見えない行動や数値で表現しにくい貢献に対して、感謝の気持ちを伝えることは非常に大切です。日々の業績は数値で評価されることが一般的ですが、それ以外にも見えない「気遣い」や「支援」が存在します。
報酬よりも「感謝された」「認められた」という経験が、社員のモチベーションに直接的に寄与することもあります。サンクスカードは物質的ではない報酬を提供し、職場のモチベーションや団結力を向上させます。
サンクスカード導入のメリット
一般的にサンクスカードを導入することで狙える効果やメリットは、以下のようなものが挙げられます。
モチベーションの向上
サンクスカードは、普段は見過ごされがちな従業員の努力や行動を可視化することが可能です。たとえ小さな行動や発言でも、相手にとっては大きなサポートとなることもあります。そのような行動や発言に対してサンクスカードを贈ることで、目に見える形で認識され、評価されるようになります。
また第三者から見ても社内の文化やチームに貢献している従業員を可視化でき、評価しやすくなります。これにより従業員は自分の貢献が認められていると感じ、モチベーションが向上します。
社内コミュニケーションの活性化
サンクスカードは会話のきっかけ作りになり、社内コミュニケーションが活発になります。
普段から言葉で感謝を伝え合えている部署だとしても、サンクスカードを使って感謝の気持ちを伝える行動を習慣化させると、部署や役職の壁を越えた交流が促進されるでしょう。
チームワークの強化
サンクスカードを贈り合う文化が浸透すると、社員同士がお互いを気にかけるようになります。それによって相互理解が深まり、チームワークが向上します。チームワークの強化は、意見交換の活発化やトラブル対応力の向上にもつながります。
離職防止
上述した「コミュニケーションの活性化」や「モチベーションの向上」により、従業員の満足度とエンゲージメントが高まります。従業員からは長く働き続けたい会社・職場と認識されることで、結果的に人材の定着・離職率の低下に繋がります。
サンクスカード導入時の注意点
多くのメリットを享受できるサンクスカードですが、導入に成功するためには、従業員に負担を感じさせないよう持続可能な仕組みを構築することが不可欠です。サンクスカード導入で失敗を回避するための注意点について説明します。
導入後の社内浸透
導入直後は利用者がシステムについて認知・浸透するまで一定期間アナウンスをするなど丁寧な社内でのコミュニケーションを実施しましょう。
また、表彰制度やイベント、ピアボーナス制度と合わせて運用することも社内に浸透させるための方法として挙げられます。感謝のメッセージとともに報酬などと交換可能なポイントを贈ったり、イベントに合わせて最もサンクスカードをもらったメンバーを表彰したりするなど、他制度に組み込んで運用すると定着する可能性が高くなるでしょう。
積極的利用の促進
サンクスカードの運用においては、サンクスカードを送る作業がボトルネックとなり、運用が難しくなってしまう場合があります。 施策の重要性を理解していても、サンクスカードを送る作業にかかる手間を負担に感じると、従業員は業務を優先する傾向があります。
さらには、サンクスカードを送られる側の心理にも配慮する必要があります。一度業務で関わっただけのメンバーから急に気持ちのこもったサンクスカードを送られても困惑してしまうこともあるでしょう。
そのため、まずはサンクスカードを送るメンバーや管理するメンバーともに手間を最小限に抑える必要があるでしょう。 例えば「一言でもOK」「定型文を用意する」などとカードを送る基準を低く設定し、気軽に送ることができるようにするなどの方法が考えられます。
また、定期的なタイミングでの送付や部署の状況に合わせた運用方法を模索し、従業員の時間的・心理的負担を軽減することが重要です。社内の活用促進のため、プロモーションや使い方事例の紹介など、施策を導入時に合わせて検討しましょう。
マンネリ化防止
組織での認知度が低いと、利用する人に偏りが生じて同じ人ばかりがカードを送る状況に陥り、運用がマンネリ化することもあります。
このような状況を回避するためには、経営層やリーダーが積極的にサンクスカードを使用し、その重要性を示すことが効果的です。さらにサンクスカードの内容を定期的に見直し、新鮮さを保つ工夫も必要です。
一例として、特定のテーマを設けたり、季節ごとのイベントに合わせたりすることで、従業員が新しい視点から感謝を表現する機会を提供できるでしょう。
Microsoft365の活用で実装できる「サンクスカードシステム for Microsoft365」
ソフィアでもMicrosoft365を活用して構築可能な「サンクスカードシステム for Microsoft365」というサービスを提供しています。
ソフィアの提供するサンクスカードの強みは、Microsoft365を活用して実装ができる点、また日常業務で使用されているTeamsやSharePointと連携しやすい点にあります。Microsoft365をすでに導入されている企業のみなさまには、とても導入しやすく、短期間で構築可能となっています。
サンクスカードのデジタル化は、上で解説した送る側の時間的負担、送られる側の心理的負担の軽減にもつながります。手書きよりもそういったハードルが下がることは大きなメリットと言えるでしょう。
上記の図は、Microsoft365を活用したサンクスカード発信時の流れです。
Forms、Power Apps、Power Automate、Outlook、Teams、SharePointを活用し、社員の日常業務で活用しているツールとのシームレスな展開をすることができます。
他システムとの違いと強みは以下の点にあります。
- Microsoft365ライセンスで使える
- 保守や運用が楽
- シームレスなデータのやりとりができる
また、送信履歴のレポート作成など、実際サンクスカードを導入してどのくらい活用されているかなど、効果測定の実施も可能です。
サンクスカード導入の実践事例
最後に、ソフィアが提供している「サンクスカードシステム for Microsoft365」を活用している企業の事例を紹介します。
A社(鉄道会社)の導入実績
幅広い事業を展開している鉄道グループA社は、グループビジョンの浸透や、社員ひとりひとりがその体現をするため、従業員同士のコミュニケーションを活性させ、従業員同士で感謝の気持ちを表すことを企業文化として醸成していました。
その一環として、管理職から部下に手書きでサンクスカードを贈っていました。
しかし、さらなる企業文化の醸成や協働促進、またデジタル上でのやりとりや、データの可視化を希望されたためサンクスカードシステム for Microsoft365 を導入いただきました。
結果として社内での活用が進み、全グループ・全社員に展開され、一般職間でのやり取りが増加しました。
- カード送付数:計3700件、月平均200通 (実働1年6か月)
- 手書き→デジタルの移行による活用割合の増加:
管理職64%、一般職36%、部下66%、同僚14%、上司8%、その他10%
手書きからデジタルデータに変わったため、すべてのサンクスカードのデータをログとして保持することができ、誰が誰に送っているのか、部署単位、職位単位で『ありがとうを送りあう文化』を可視化することに成功しました。
また取得したログデータを用いて、ピアボーナス制度、社内表彰との連携など、更なる社内風土醸成のための施策検討も行っています。
B社(製薬会社)の導入事例
もともと社内評価の枠組みとして、社内の表彰制度が存在していたB社。
しかしそれだけでは細かい取り組みや、些細な好事例を称えたり、ナレッジシェアしたりすることはできませんでした。
事務局として、些細な事例も見逃さずに拾っていきたいという狙いがありサンクスカードシステム導入を検討していたところ、Microsoft365を活用して他社システムとほぼ同様の仕組みで安価に導入できることから、試験的導入開始に至りました。
ログデータを確認すれば誰が誰に送ったか可視化できることが、大きなメリットとして喜ばれました。
- カード送付数:計110件、月平均55通(実働2か月)
※対象ユーザー60名ほどの限定展開
まとめ
サンクスカードは感謝の気持ちを素早く伝え、社内のポジティブな雰囲気を醸成するための効果的なツールと言えます。サンクスカードの導入は、社内のコミュニケーションを活性化させ、従業員の満足度を向上させる一助となることでしょう。
ソフィアでは、サンクスカードの導入・実装だけでなく、導入目的の明確化、活用促進のためのプロモーション、効果的な活用法や、効果測定までワンストップでご相談を承ります。
お気軽にご相談ください。
株式会社ソフィア
コミュニケーションコンサルタント
アレン キム
インターナルコミュニケーション(社内コミュニケーション)を通じて、組織の経営課題から社会課題を解決するご支援をしています。 2024年現在、特にD&I関連の浸透施策に注力しております。
株式会社ソフィア
コミュニケーションコンサルタント
アレン キム
インターナルコミュニケーション(社内コミュニケーション)を通じて、組織の経営課題から社会課題を解決するご支援をしています。 2024年現在、特にD&I関連の浸透施策に注力しております。