2024.12.23
池田・平井に、定年前から培った人脈について聞いてみた!【ソフィアメンバー対談】
目次
数年前より「働かないおじさん」というキーワードが溢れ、定年前後のミドルシニア・シニアの人材活用に悩まれる企業も少なくないのではないでしょうか。
ソフィアでは定年退職年齢である60歳を迎えたあとも、それまでに培ってきた経験やノウハウ、スキルを活かして働けるよう、希望者は65歳まで再雇用契約を結んでいます。 今回は、定年後もイキイキと活躍するメンバー2人の座談会を開催!シニア・ミドルシニアの方々のライフスタイルを考える上で参考になるかもしれません。
メンバー紹介
(聞き手:吉備奈緒子)
「超高齢・生涯現役社会」で定年を迎えて
ライフキャリアの節目を経て、ソフィアで働き続ける2人
平井:デスク(池田)がソフィアで初の定年だね。
池田:COVIDでバタバタしてるときに定年を迎えて、何も変わりなくそのままスーッと再雇用になりました。ありがたいことに、動画のご依頼が結構たくさんきてね、変わらずプロジェクトに入っています。
吉備:平井さんもこの間還暦を迎えられましたね。
平井:おかげさまで。でも「再雇用」って言葉はあまり好きじゃないんだよね。新しい言葉で言い換えても良いかも。これからソフィアで定年を迎える人は続々ときますよ。
池田:僕らは働き続けているけれど、人それぞれ考え方が違うからね。定年でひと区切りしてスッパリおしまいっていう人もいるだろうし。70歳就業法も施行されて、社会全体としては65、70まで働き続けるっていう流れになってきているね。
吉備:シニアの方々の暮らしも多様化していて、働き続けるかは、本人の健康状態・家族関係・経済的背景・現役時代のキャリアなどにもよりますよね。60歳以上の就業率は年々上がっていて、男性は60代後半でも全体の半数以上が働いています。
令和5年版高齢社会白書(全体版)令和4年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況
人生100年時代、いつまで生きるかわからないリスク
吉備:健康といえば、デスクと平井さんはソフィアの中でも特にタフなイメージです。
池田:この年になってわかるけど、体を鍛えるに越したことはないね。地元の同窓会組織の駅伝で走ります。そうやってなるべく自分を追い込まないと動かないから。
平井:人生100年時代と言っても、ひょっとすると今日死ぬかもしれないし、延々長々と生きながらえて、120歳まで生きちゃうかもしれない。あまりにも幅が大きいのはリスクだよね。寝たきりも大変だから、ベースは体がちゃんと健康でいないといけない。
駅伝に参加する池田
定年後も人生を豊かにする〈ソーシャルネットワーク〉
「働かないおじさん」とは対極的に「おやじの会」でも全力投球
吉備:身体的・精神的に健康なことがベースで、更に社会の中の存在としても充実した状態がウェルビーイングと言えますよね。
平井:そうだね。会社勤めはいつか終わるから、その後誰と一緒に生きるかというソーシャルネットワークも大事。僕は子どもの小学校の関係で「おやじの会」に所属していたの。PTAとは別組織で、お父さんたちが子どものために何かやろうと言って集まる団体ができて。地元の小学校でお祭りやイベントをやって食べ物を作ったり、運動会の準備や片付けを手伝ったり。ソフィアに入ってすぐ今の家に越してきて、40歳から子どもが小学校を卒業した後の10年間ぐらいは「おやじの会」をやってました。デスクも娘さんの中高のときやってたね。
吉備:会社以外のコミュニティですね。
「おやじの会」で地元のソフトボール大会に出場し見事優勝した平井
平井:ステレオタイプな言い方かもしれないけど、男性は自分に会社以外のコミュニティがないと気づかずに、いきなり定年が訪れる人が多いと思う。「働かないおじさん」なんて言われて再雇用で更にモチベーションが下がる。仕事は65歳までできるけど、会社以外の社会がないと、その先は充実した時間を過ごすのは難しい。自分の居場所が固まっていて子どもがいる人は、子どもを通じて、地元の人と繋がるのがコミュニティづくりの手っ取り早い方法だと思う。僕の場合は小学校のお父さんたちがたまたま同年代だったから仲良くなって、その関係性がベースになった。あとは息子のサッカーチームで、見に来ているお父さん同士でコーチのサポートをしたり。今でもそういう繋がりが残ってるんですよ。
会社とは別の、ダイバーシティに富んだ世界で刺激を受ける
平井:仕事の繋がりだとある程度似た人や構造の中で過ごすことが多いけど、地元のコミュニティは全然違う。多様性ってほど偉そうな話ではないんだけど、色んな考え方に触れるのが面白いんですよ。
池田:会社勤めの人だけじゃなく、彫刻家さん、お医者さん、弁護士さん、会計士さん、そういうお父さん方が集まる「おやじの会」があると、先生にはすごく新鮮に映るらしい。娘が高校を卒業しても、未だに「おやじの会」は続いている。他の専門がある方と親しくなってお話ができるっていうのはいいね。
平井:子どもが小学校にいる40ぐらいは仕事が忙しいけど、子どもにちゃんと向き合うのも大事。子どもの友達やその親とも繋がっている世界観ができると、周りが立体的に見えてくる。個人的にはとってもいい世界だなと思うんですよ。
吉備:会社が縦の糸だとすると、そういった別のコミュニティは横の糸になって、自分を取り巻く世界が広がりそうですね。
薄暮講座(おやじの会)大国魂神社例大祭での池田(2016年)
地元に足場を作る意義とは
居心地の良さと、いざという時の助け合い
池田:新しいコミュニティに飛び込むのもいいけど、自分の居心地のいい場所を見つけるのもいいと思う。僕は大学の同窓組織が地元にあって、ある程度似通った人間が集まっているから気心が知れている。似たような趣味趣向の人が多くて、僕はこの間卓球同好会を作ったんだよ。僕より年配の先輩も後輩もいて、みんな楽しんでいる。地域の貢献活動ができるようにバザーをやって収益を寄付したり、清掃活動に参加して。そういう居場所を会社以外に作るっていうのはおすすめです。
吉備:自分が住んでいる地域だと、家から近くて活動に参加しやすいんでしょうか。
池田:僕が地元のコミュニティに入ったのは、家から近いからっていうよりは、東日本大震災がきっかけだった。ずっと仕事一直線で、アメリカから21年ぶりに帰国したから、選んだ土地に自分の根がなかった。そこで大震災があって、いつどうなるかわからないからこのままじゃまずい、と思って。共生社会に関わるにはどうしたらいいか考えて、地元の組織に入って知り合いを増やした。ちょうど娘が中学生になって「おやじの会」に誘われたのも同じタイミングだったね。
平井:僕は子どもの頃は転々としていたから拠点というものがなくて、地元があった方がいいってずっと思っていた。海外勤務から日本に戻ってきて、やっぱりちゃんと地元を作ろうと。帰国してからは転勤がなさそうだったから、縁もゆかりもない土地だったけど、「ここを地元にしよう」って家族に宣言した。タイミング良く縁があって「おやじの会」に入ったから、デスクと共通点はあるね。
地元に根差した人との交流で、地域の実情を知る
池田:代々住み続けている人と自分では、地元に対する意味合いが違うんだろうなって思いますよ。地元で商売をしている人と話すと興味深い話が聞けます。
平井:子どもが小学生だった頃は、地元で代々商売をしている年配の方がPTA会長をやるパターンが多かった。例えば海苔屋のご主人から地元の歴史を聞けて面白かったね。
吉備:上の世代の方と親しくなったんですね。
池田:それって結構地域の特性みたいなところもあって、「おやじの会」はだんだん子どもの年齢が変わっていくから代がわりをしていくけど、地元の自治会とかお祭りをやっているのはお年寄りが多い。そこに若い人が入ってこないのが悩みだけど、ずっと住んでいる人に出会うと、お祭りや、地域のコミュニティも歴史を持って続いてきている実情を垣間見られますよね。そういったコミュニティに参加することで、日々の生活が豊かになっていくんじゃないかと思う。
吉備:シニアになってからも同じ土地で過ごしていく方にとって、地域の実情がわかるとその後の暮らしの参考になりそうですね。定年後の生き方を充実したものにするには、コミュニティづくりが有効となり得ることを教えて頂きました。
池田・平井の対談前編では、共通点である「おやじの会」など、会社を離れたコミュニティづくりについて話が盛り上がりました。一般的には定年「後」に趣味を始める方も多い中、池田・平井を含め、ソフィアでは働き盛りの時からネットワークを大切にするメンバーが多い、という気づきもありました。
後編では、2人のこれまでのキャリアを振り返って、ターニングポイントと今後について話してもらいます。どうぞお楽しみに。
(文:吉備奈緒子)
株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
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池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
株式会社ソフィア
エグゼクティブラーニングファシリテーター
平井 豊康
企業内研修をコアにした学習デザインと実践を通じて、最適な学習経験の実現を目指しています。社内報コンサルティングの経験から、メディアコミュニケーションを通じた動機付けや行動変容の手法も活用しています。
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平井 豊康
企業内研修をコアにした学習デザインと実践を通じて、最適な学習経験の実現を目指しています。社内報コンサルティングの経験から、メディアコミュニケーションを通じた動機付けや行動変容の手法も活用しています。