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2025.02.12
百戦錬磨のつわもの 池田・平井の歩みを振り返る【ソフィアメンバー対談】
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目次
ソフィアで定年を迎えたメンバー、池田・平井の対談前編では、40代の頃から培ってきた人脈について、話に花が咲きました。今回の後編では、2人のこれまでの歩みを振り返り、ターニングポイントと今後について聞いていきます。
~池田・平井の対談前編はこちらの記事をご覧ください~
メンバー紹介
(聞き手:吉備奈緒子)
2人の人生のターニングポイントとは
帰国のタイミングで生活が大きく変化した、平井の転換点
吉備:前編では、定年を迎えたお2人に、会社以外のコミュニティの大切さについて教えていただきました。自分を取り巻く世界について見直すきっかけというのは、人によって様々かと思います。
平井:体調を悪くしたことがきっかけで、考え方がガラッと変わったって話は聞くよね。僕自身は幸い身の危険を感じたことはないけれど、911は自分に近い人が亡くなった。僕は911の1年前まではあのビルで働いていたから(註:前職の金融機関にて)、自分がいたオフィスで亡くなった20人は全員知っていて、お世話になった人もいた。だからふと思い出して、「今の自分はあの人たちに顔向けできるのか?」と自問自答する。僕は2000年にアメリカから帰ってきて、仕事ががらっと変わったし、小さい子どもを育てなきゃいけないフェーズでもあった。そのタイミングでの911は、自分にとっては大きな出来事だったと思う。
池田はアメリカでの生活に終止符を打ち、別の道を選んだ
吉備:デスクは、報道に携わって印象的な場面に立ち会うことも多かったと思います。ご自身にとっての大きな転換点はありますか?
池田:21年いたアメリカから日本に帰国したタイミングかな。帰って来たきっかけっていうのは、2001年の911があった後、アメリカがイラクを制裁する名目でイラク戦争が起きて、これが民主主義なのかと、とてつもない憤りを感じた。言いがかりをつけて他国を攻撃することが許される社会があっていいのかと。その前から、ルインスキー事件にも失望したし、ブッシュ対ゴア事件で最高裁が下した判断も、この程度なのかとがっかりした。自分が信じていたアメリカの権威や憧れみたいなものが崩れた。もうここにいる意味はないと思って、娘が小学生のうちに帰って来たんだよね。
吉備:21年慣れ親しんだ国を離れるのは、大きな決断でしたね。
偶然の連続が起こるなか、変化をすすんで受け入れた
池田は躊躇なく新しいジャンルに挑戦して道を開いた
吉備:それからソフィアとの出会いがあったんですね。
池田:偶然だったね。帰国してすぐはテレビ関係の仕事を探していたんだけど「インターネットには興味ないの?」と訊かれたのがきっかけだった。当時ソフィアではポッドキャスト事業を立ち上げていて、プロモーション用のWebサイトを作っていた。そこで、ニュース配信の仕事に僕が携わることになったんだよね。
平井:ただ、思ったより早くその仕事が無くなったから、苦労しましたよね。
池田:でも面白かったですよ。僕は新しいことをやることに対して躊躇がなかったから、取材して文章を書いたり、社内報にも関わって。研修を始めてからは動画教材を作ったね。みんなと一緒に持てる力を使いながらやってきた。それから時を経て、形を変えながらまた動画の時代になりましたね。
平井はIRからスタートし、計らずも社内報を担当
吉備:平井さんは、ソフィア入社当初はどのようなお仕事をされていましたか?
平井:僕はソフィアに入る前にIRのコンサルをやっていて、ソフィアも元々はIRの会社なんだよね。ソフィアに入ったきっかけはデスクと同じく人の縁で、ブランドキャピタル(ソフィアの前身)の社長と僕の共通の知り合いが、僕らを引き合わせてくれた。それで一緒にIRをやろうと誘われたのがスタート。でもソフィアがインターナルコミュニケーションに舵を切ってからはIRの仕事はだんだん減って、もっぱら社内報をやっていた。ほとんど知られていないけど、その頃は編集といえば平井だった。
吉備:意外でした。
平井:入社当初、僕は編集会議も印刷も分からなかったけれど、周りに教えてもらいながらなんとかやった。とは言っても、文章を書くのは嫌いじゃなくて、そこそこできるとわかった。それを七、八年やっている間に仕事を型にして役割分担もしたから、ほとんど廣井くんにお願いして、編集の仕事から離れた。それより大分前に研修の前段階でセミナーをやってみようという話があって、「平井さんって先生みたいだから、喋ってみたら?」って言ってくれた人もいて、講師の仕事を始めていたのね。デスクが入ってきた辺りかな。
ハードルの高い状況で講師経験を積み、研修の基盤を築いた
池田:でも当時研修を立ち上げようと言っていたメンバーがいなくなったんですよね。
平井:研修なんてやったこともないけど、喋ることはできるから「オレがやるよ」って言っちゃった。だから、僕が研修をするようになったのは、編集の仕事を手放して背水の陣だったのもあるし、偶然でしかないんだよね。自分がこうやりたいという意思や計画性を持ったわけでもない。
吉備:デスクも平井さんも、ソフィア入社後の様々な変化に対して適応を繰り返しながら、キャリアを築かれたんですね。
活力ある組織づくりは、今後も池田・平井にお任せください
定年・再雇用はひとつの通過点でしかない
吉備:ソフィアの再雇用は65歳までですね。
池田:僕は来年の3月に再雇用期間が満了するから、それ以降の契約をどうするか決めなくてはいけない。僕の意向としては、元気なうちは居心地よく働きたいと思っている。だけど未定だから、To be continuedだね(笑)。
吉備:これからもご一緒できるのを楽しみにしています。今後定年を迎える方々に、何かメッセージはありますか?
池田:自分が好きな世界を続けていければいいんじゃないかな。それがたまたま会社でも必要としてくれるならそれが一番だけど、外に出てやるのも良いし、柔軟に動けたら良いのかなっていう気がします。
チーム力とノウハウを活かして、組織課題のゴールを目指したい
平井:僕の肩書を研修講師と捉えれば、個人でやることもできる。腕さえ磨いて体が大丈夫で、気力も充実しているのなら、どんな形でもやっていける仕事なんだよね。でもなぜ一人でやらないかというと、ソフィアは《組織開発の会社》だと僕は思っているから。組織の課題が人材育成だと言っても、研修で個人を育てることでゴールが達成されるわけではない。その人の能力が組織の風土、慣習、規範の中でも発揮されて、組織の業績に繋がっていると思えなきゃ意味がない。
吉備:それがいわゆる組織開発の観点ですよね。
平井:僕は組織開発を学んで、それが人材開発にも関連しているという考えを持ってお客さんにずっと働きかけている。あらゆることを通して組織課題を解決していく環境にいられることが、僕にとってソフィアにいるメリットだと思う。自分の得意分野があって、僕にできないことはみんなに補ってもらって、組織に対して提案していく。組織の中心にある理念やビジョンに対してバラバラな各部門を、ソフィアが繋げなきゃいけない。そのミッションは今でも変わってないし、まだまだ実現できてない。実現を目指すのだとすれば、ここは僕の居場所だろうと、ちょっと偉そうな言い方ですけど思ってます。
人との繋がりを大事に、より良いメンバーシップへ
平井:ソフィアのメンバーに、今僕が話したような想いが伝わっているのかというと、まだ十分じゃないって思う部分もある。だから、みんなに組織開発について考えてもらったり気づいてもらえるきっかけを作るようなコミュニケーションを取り始めたいね。
池田:そうそう、チームが分かれているから、一緒に仕事をやる人が限られていて、別のチームの人と繋がりにくいんです。
平井:機会を作ってみんなと飲み行こうかな。飲みに行くにはやっぱり元気じゃないといけない。健康でいることが大事というよりも、逆にお酒を飲みたいから健康でいたい。自分のパワーが落ちると、どんどんできることがシュリンクしていくだろうから。健康に産んでもらったことを親に感謝しつつ、元気だねってずっと言ってもらえるように、そうありたいですね。
池田・平井の対談後編では、人生の転機とソフィアでの歩みを中心にこれまでのキャリアを振り返りました。様々な偶然の連続で経験を積んできた体験談から、想像もしていなかった変化を素直に受け入れ、時間をかけて努力するプロセスの苦しさ、そして同時に面白さを教えて頂いたように思います。また、新たなことを始めるには、何かを終わらせるという選択も時には重要だと気付かされました。還暦を迎えても益々パワフルな2人からエネルギーをもらって、他のソフィアメンバーも「人と組織を元気に」していきたいです。
(文:吉備奈緒子)
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株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
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池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
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株式会社ソフィア
エグゼクティブラーニングファシリテーター
平井 豊康
企業内研修をコアにした学習デザインと実践を通じて、最適な学習経験の実現を目指しています。社内報コンサルティングの経験から、メディアコミュニケーションを通じた動機付けや行動変容の手法も活用しています。
株式会社ソフィア
エグゼクティブラーニングファシリテーター
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平井 豊康
企業内研修をコアにした学習デザインと実践を通じて、最適な学習経験の実現を目指しています。社内報コンサルティングの経験から、メディアコミュニケーションを通じた動機付けや行動変容の手法も活用しています。