2025.01.17
Power AutomateとTeamsを連携させて業務を効率化 自動化の活用事例やその方法を解説
目次
現代のビジネス環境では、業務の効率化や生産性向上が求められています。その中で注目を集めているのが、Microsoftの「Power Automate」と「Teams」を活用した業務の自動化です。これらを連携させることで、煩雑なルーティン作業を削減し、チーム内のコミュニケーションや情報共有をスムーズにすることが可能になります。
本記事では、Power AutomateとTeamsを連携させた活用事例や具体的な導入方法をわかりやすく解説し、日々の業務にどのように役立てるかをご紹介します。効率的な働き方を目指すすべての方に役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。
Power Automateとは
Power Automate(パワーオートメイト)は、業務プロセスを自動化するためのワークフロー構築・RPA作成ツールです。オフィスワークにおける定型業務を自動化し、業務を効率化したい時に活用できます。
Power Automateを使用することで、日常的に繰り返される作業や時間を取られるタスクを効率的に処理することが可能となります。たとえば、定型的な帳票処理やメールの自動送信、データの集計など、多くの業務を自動化することができます。これにより、従業員はより重要な業務に集中することができ、生産性を向上させることができます。
さらに、Power Automateは使いやすいインターフェースを提供しており、初心者でも簡単にワークフローを作成することができます。そのため、ITスキルに自信がない人でも利用しやすいツールと言えます。業務効率化や生産性向上を目指す企業や個人にとって、Power Automateは強力なサポートツールとなること間違いありません。Power Automateの活用により、業務プロセスの効率化と自動化を実現し、より効果的な業務遂行が可能となります。
Microsoft Teamsとは
Microsoft Teamsは、ビジネスにおけるコミュニケーションを円滑にするために開発されたツールです。このプラットフォームは、チームメンバーとのリアルタイムのコミュニケーションを可能にし、チャット機能を通じて簡単に連絡を取ることができます。
さらに、資料共有機能を利用することで、メンバー間でファイルや情報を効率的に共有することができます。通話やビデオ会議機能も充実しており、遠隔地にいるメンバーともリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。また、Microsoft 365との連携により、Teams内でWordやExcel、PowerPointなどのMicrosoftアプリケーションを直接利用することが可能です。そのため、チームメンバーは一つのプラットフォーム内で作業を効率的に行うことができます。
テレワークが増加する現在、Microsoft Teamsのようなコミュニケーションツールは、ビジネスの効率化やチームワークの向上に大きく貢献しています。
Power AutomateとTeamsの連携による自動化
Power AutomateとTeamsを連携することで、Teamsのさまざまな機能を自動化させることがで、業務効率化の実現につながります。たとえば、Teamsへの自動投稿やリマインダーの作成、ワークフローの自動化などができ、チーム内でのコミュニケーションを活性化させるだけでなく、作業の見落としを防ぐこともできます。さらに、作業効率を向上させるだけでなく、時間の節約や精度の向上も期待できます。
Power AutomateとTeamsの連携は、現代のビジネス環境において非常に重要な要素となっており、積極的に活用することで、業務の効率化や生産性の向上に期待できます。
Power Automate・Teams連携の活用事例
Power AutomateとMicrosoft Teamsを連携させ、実際に活用できる事例をいくつかご紹介します。これらの活用事例は、業務効率化やコミュニケーションの円滑化に大いに役立ちます。Power AutomateとTeamsを連携させることで、ルーチン作業を自動化し、チーム全体の生産性を向上させることが可能です。
リマインダー通知の自動化
Power Automateを使い、会議やタスクのリマインダーをTeamsに自動で通知する設定が可能です。たとえば、会議前のリマインダーを自動投稿すれば、参加者は準備を整えて会議に臨めます。また、期限が迫るタスクのリマインダーを自動通知すれば、チームメンバーが重要なタスクを見逃さずに進められます。定期的な通知により、業務の抜け漏れ防止と効率化に役立ちます。
新しいメンバーがチームに追加されたときの自動通知
新しいメンバーがチームに参加した際、Power Automateで自動通知を送るフローを作成することで、チーム全体に迅速に共有できます。これにより、オンボーディングがスムーズに進め、新メンバーが業務やメンバーに早く慣れ、全体でサポートしやすくなります。
タスク管理の自動化
Power Automateを利用して、Teams上のタスク管理を効率化します。タスク作成時にチームメンバーに通知を送ったり、期限が近づくとリマインダーを自動送信するフローを設定できます。チームでの進捗確認や期日管理が容易になり、作業の遅延を防ぎ、プロジェクトの効率化に貢献します。
自動投稿による情報共有
定期的な情報をTeamsに自動で投稿することで、情報共有のさらなる円滑化に貢献します。日次・週次の進捗レポートや業界ニュースを決まった時間に自動で配信することで、最新情報を確実に共有でき、とくにニュースや進捗状況の定期更新は、チーム全体の情報格差を減らし、業務のスムーズな進行に役立ちます。
メールとTeams通知の両方で重要な通知を送る
重要な通知をTeamsとメールで同時に送信し、確実な情報伝達を実現します。たとえば、フォームの送信通知をTeamsの指定チャネルとメールの両方で受け取ることで、担当者が重要な通知を見逃さずに対応可能。Teamsだけでなくメールでも通知することで、情報の伝達ミスを防ぎます。
アダプティブカードを使用したインタラクティブな通知
アダプティブカードを活用し、Teams内の通知にボタンや入力欄を追加してインタラクティブな通知が可能となります。たとえば、アンケートやフィードバック収集を行う際、アダプティブカードを使ってチームメンバーから即座に回答を得られ、業務改善に役立ちます。
チャットボットによるサポート提供
Power Automateでチャットボットを作成し、Teams内での自動応答ができるようになります。FAQへの回答や、サポートチケットの自動生成を設定することで、問い合わせ対応を効率化します。問い合わせが発生した際の即時対応が可能となり、サポート業務の負担を軽減できます。
会議の自動スケジュール調整
Power Automateでチームメンバーの空き時間を確認し、最適な時間に自動で会議を設定するフローを作成することも可能です。会議前後にリマインダーやフォローアップ通知を設定することで、スケジュール管理を円滑にし、会議の抜け漏れを防ぎます。
ワークフローの自動化
経費申請や休暇申請など、定型業務のワークフローをPower Automateで自動化し、Teams内で完結させることで業務を効率化します。申請が行われると自動で承認者に通知され、承認結果がTeamsで関係者に共有されるため、スムーズな承認プロセスを実現します。
Power Automate とTeamsを連携させる方法・手順
TeamsとPower Automateの連携方法と手順をご紹介します。下記の手順に従うことで、連携が円滑に行えるようになります。業務に合わせてフローをカスタマイズし、自動化を活用してみてください。
Power AutomateアプリをTeamsに追加する
次の手順通りに行うことで、 Power AutomateをTeamsに追加できます。
- Teamsアプリを開く
- Power Automateアプリを検索
- インストール
Microsoft Teamsの左メニューから「アプリ」を選択します。
検索バーに「Power Automate」と入力し、アプリを見つけて選択します。
「追加」ボタンをクリックしてTeamsにPower Automateをインストールします。
Power AutomateからTeams用のフローを作成する
Teams用のテンプレートや、ゼロから自分でフローを作成できます。
【テンプレートを使用したフローの作成】
- Power Automateアプリを開く
- テンプレートからフローを作成
- テンプレートの設定
- 新しいフローの作成
- トリガーの選択
- アクションを追加
- フローの保存とテスト
Teamsの左メニューに表示される「Power Automate」アイコンをクリックし、「WorkFlows」を開きます。
「テンプレート」タブから、「Teams通知」や「リマインダー」など目的に合ったテンプレートを選択します。
必要な設定(チャネル、送信メッセージなど)を入力し、設定を完了します。
【カスタムフローを作成する】
WorkFlowの画面からTeamsにおけるフローを作成していきます。
「Teamsで新しいメッセージが投稿されたとき」など、Teams関連のトリガーを選びます。
必要なアクション(通知、メッセージ送信、タスクの自動作成など)を追加し、Teams内での処理を設定します。
フローの設定が完了したら保存し、テストを行います。
代表的なフローの設定例
いくつかのよく使われるフローの例を挙げておきます。
- リマインダー通知
- チャットの自動返信
- チームメンバー全員への通知
- タスクの自動生成
特定の時間や日付に、Teamsの指定チャネルにリマインダーメッセージを自動で投稿します。
特定のキーワードを含むメッセージが投稿されたときに、指定の返信メッセージを自動的に送信します。
メンバー全員にタグ付けして、重要な情報やお知らせを行います。
新しい会議が予定された際に、会議前に必要なタスクを自動でToDoリストに追加します。
フローの実行と確認
作成したフローは、Teams上で簡単に実行することができ、その結果はPower Automateの「マイフロー」セクションから確認できます。このセクションでは、実行状況だけでなくフローの詳細な履歴も確認可能で、業務の進行状況を把握しやすくなっています。
もしフローの動作に問題が発生した場合は、履歴データから具体的なエラー箇所を特定することができます。エラーを見つけたら、フローの設定を修正して再実行することで、スムーズな業務運用が維持できます。
おすすめの追加設定
Power AutomateとTeamsの連携をさらに便利にするために、以下の設定も試してみましょう。
- アダプティブカード
- メンション機能
Teamsメッセージに応答ボタンやリンクを組み込むことで、対話的な通知を作成できます。
特定のユーザーや全員にメンションを付けることで、重要な通知を見逃しにくくします。
Power Automate とTeamsの連携を業務に生かすためのポイント
Power AutomateとTeamsを連携し業務で活用するには、現場や業務についてより詳細に理解し、課題や問題点などをしっかり把握していることが大前提となります。理解が不十分だと、業務に対して適切で効果的な自動化を叶えることは難しいものとなってしまいます。
現場の業務フローを可視化し、手作業が多い部分や繰り返し作業の特定や、また現場の意見を反映させた設定により、実際の業務に即した効果的なプロセス改善が可能となります。
これらを踏まえたうえで、Power Automate とTeamsの連携を業務に生かすためのポイントを見ていきましょう。
業務プロセスの見直しと自動化の優先順位付け
Power Automateの活用前に、業務プロセスの中で繰り返し発生する作業や手動処理を洗い出し、自動化する業務の優先順位をつけます。リマインダー通知や定型レポートの共有といったルーチン作業はとくに効果的な自動化対象です。自動化の目的を明確にし、適切なフローを設計することが重要です。目的を「業務効率の向上」「情報共有の迅速化」などに定めた上でフローを組み立てると、より効果的に自動化が業務に貢献します。適用範囲を慎重に見極めることが、業務負荷の軽減と作業のミス防止につながります。
通知の最適化とチャンネルの活用
Teams通知が多すぎると重要な情報が埋もれやすいため、通知のタイミングや対象を工夫しましょう。重要な通知は特定のチャネルに、一般的な通知は別チャネルに設定することで、受け取る側も情報を整理しやすくなります。また、特定のメンバーだけに通知が届くようPower Automateで条件設定を行うと、通知の効率が向上します。適切なタイミング・配信先の設定をすることで、通知の過剰を防ぎ、重要なメッセージが見落とされるリスクを回避できます。
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テンプレートの活用とカスタマイズ
Power Automateには便利なテンプレートが多数用意されています。これを活用することで導入がスムーズに進みます。テンプレートを元に業務に合わせてカスタマイズすることで、簡単に必要な機能を追加できます。
また、Teamsと連携するだけでなく、OutlookやPlannerなど他のMicrosoft 365サービスと併用することで、業務全体を包括的にサポートするフローが構築できます。たとえば、ToDoタスクをPlannerに登録し、Teamsで進捗を共有するなどの連携が可能です。
トリガー設定の精度向上
フローのトリガー(発動条件)設定が適切であると、業務のタイミングに合わせたフローの発動が可能になります。「特定の時間」や「特定のイベント発生時」といった条件を細かく設定し、不要な通知を抑え、必要なときだけフローを実行する仕組みづくりをしましょう。テスト運用を通じて設定の精度を高め、最適化することが肝要です。トリガー設定を正確に行うことで、フローの実行が効果的に行われ、業務の流れがよりスムーズになります。
エラーの監視と改善サイクルの構築
フローが正しく動作しているか定期的に確認し、エラーが発生した際は速やかに対処します。Power Automateにはエラーログ機能が備わっているため、エラー発生の原因を特定しやすく、問題があれば早期に修正できます。また、ユーザーからのフィードバックをもとに改善を繰り返すことで、フローの精度が高まり、業務の効率化が進みます。こうした改善サイクルを継続的に行うことで、業務プロセスが安定し、自動化の効果を持続的に享受できます。
メンバーへのトレーニングと自動化フローの共有
Power AutomateとTeamsを効果的に使うには、全員が基本操作を理解していることが前提です。導入時にフローの使い方や通知の意味を説明するトレーニングを行い、関係者全員が内容を把握することが大切です。また、作成したフローをチーム全体で共有することで、他のメンバーも同様の業務に自動化を活用できます。フロー管理担当者を決めておくと、フローの修正や運用もスムーズに進み、チーム全体で自動化の恩恵を享受できます。
業務に適したガイドラインを作成
Power AutomateとTeamsを連携するにあったって、実際の業務に適したガイドラインの作成が不可欠となります。ガイドラインは、効率的な業務遂行や円滑なコミュニケーションを確保するための重要な役割を担っています。そのため、管理部門と現場のコミュニケーションを密に行うことで現場の状況をしっかり把握し、業務に即したルール作りが必要となります。また、業務状況やニーズは常に変化していることから、柔軟に適応できるガイドラインにすることが求められるでしょう。
Power Automate とTeamsの連携に伴走支援を活用しよう
伴走支援とは、企業が目標達成や課題解決に向けて進む際に、外部の専門家やパートナーが寄り添いながら支援を行います。単なる助言や一時的なサポートではなく、クライアントの状況を深く理解し、継続的にプロセスに関与する点が特徴です。
とくに環境の変化が激しい現代ビジネスにおいて、伴走支援の必要性は顕著に現れます。市場の変化や技術の進化に対して迅速に対応するには、計画を立てるだけではなく実行段階においても柔軟な対応が求められます。伴走者は、クライアントと密接に連携することで、現場で生じた課題にリアルタイムでの対応を可能とします。また、気づきにくい課題や改善点を客観的に指摘し、実行フェーズでの支援では計画倒れを防ぎ、成果の最大化に貢献します。
Power Automate・Teamsなどのシステムは、常によりよい状態を求め頻繁にアップデートを繰り返します。そのたび表示や操作方法が変わってしまう場合も少なくありません。そのため、Power AutomateやTeamsに対する技術的な理解はもちろん、実際に活用する現場や業務を深く理解いている伴走者の支援が非常に効果的なのです。
ソフィアは、管理部門と連携しながら現場のニーズを正確に把握し、適切なサポートを提供します。管理者の指示をもとにシステムを構築するのが一般的ですが、ソフィアはその要求の背後に潜む根本的な課題を見極め、最適な解決策を提案します。これにより、現場で本当に必要とされる機能を提供し、業務の効率化と現場の満足度向上を実現します。
まとめ
現代のビジネス環境では、業務効率化がますます重要視されています。その中で、社内コミュニケーションの活性化や業務プロセスの最適化において、Power AutomateとTeamsの連携による業務の自動化の有用性についてお伝えしてきました。
効率的な業務プロセスの構築や自動化により、組織全体の生産性向上に寄与することが期待されるため、DXを推進するための有力な手段にもなり得ます。
今後も、これらのツールを活用し、業務効率化を図ることで、ビジネスの競争力向上やチームの成果の最大化に貢献していきましょう。
株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。
株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。