2017.09.04
多様な文化の融合と組織コミュニケーション―IABCアジア太平洋地域カンファレンス2017動画レポート
ビジネスコミュニケーション担当者の国際団体であるIABCの、アジア太平洋地域カンファレンスが、2017年8月23日~25日にシンガポールで開催されました。6月に行われた世界大会に引き続き、ソフィアの池田が動画でレポートします。
カンファレンスには地域の国々からおよそ100人が集まり、「融合:コミュニケーターをつないで」をテーマに、世界で最も多様な文化を有するアジア各国の事例発表が続きました。
基調講演では、6月の世界大会でも登壇したゲイブリエル・ドーラン氏が、「インスパイア」と題してビジネスに於けるストーリーテリングの重要性を語りました。
人間の脳機能は、論理より感情のほうが早く働くので、人は感情に従い、論理で正当化すると強調します。
「われわれは大勢の人々をインスパイアする人になるように動かし始めるのです。お金ではなく実際のストーリーを伝えることで揺さぶるのです」(ゲイブリエル・ドーラン氏)
オーストラリアからの参加者は基調講演の感想を次のように語りました。
「私はゲイブリエル・ドーランさんのストリーテリングがとてもパワフルで大好きです。色々な専門職を代表する観点があり、今回出会った多くの人から仕事に戻ってから役に立つたくさんの洞察をもらいました」
企業を代表してインドのタタ・グループから、Chief Ethics Officer最高倫理責任者の肩書を持つムカンド・ラジャン氏が、倫理と持続可能性をテーマに、社会課題の解決に向けた取り組みを講演しました。
「Power of 49女性参政キャンペーンは2014年総選挙を前に開始され、携帯端末やSNSを通じて120万人の女性の声を発信した」(ムカンド・ラジャン氏)
また研究者を代表して、シドニー工科大学のジム・マクナマラ教授が講演し、コミュニケーションの効果測定では成果物より価値を生みだす結果と影響の測定が重要だと強調しました。またSNSで発信することばかり増えてきて、傾聴することがないがしろにされていると警告しています。
各国からの参加者は、カンファレンスの感想を以下のように語りました。
「カンファレンスはとても良いです。色々な専門職の人々が各国から一堂に会してコミュニケーションを話し合う。業界の様々な問題を色々な人から聞けて大変勉強になりました」(シンガポールからの参加者)
「アジア太平洋地域の人々と会うのはとても興味があります。文化や学びをシェアできて、私の授業や研究、将来の連携につながります。」(香港からの参加者)
IABC アジア太平洋地域の代表であるベン・ショウ氏はイベントについて以下のように語っています。
「まず今回のアジア太平洋地域カンファレンスが7年ぶりであることに意義があります。そして幅広い講演者が本当に素晴らしかったです。それに質の高い参加者も集まりました。地域内のオーストラリアから日本、インドに至るまでベテランのコミュニケーションの専門家です。質の高い講演者と参加者が一体となって素晴らしいイベントになりました」
各セッションでは、危機管理コミュニケーションや、ビデオを活用したエンゲージメント、VRやARの事例が発表されました。最後にアジア太平洋地域の課題をパネルディスカッションで討論して、幕を閉じました。
株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
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