2018.09.25
地域や文化を越えてコミュニケーターが学び合う場―IABCアジア太平洋地域カンファレンス2018動画レポート
ビジネスコミュニケーション担当者の国際団体であるIABCの、アジア太平洋地域カンファレンスが、2018年9月10日~11日にオーストラリアのメルボルンで開催されました。6月にカナダのモントリオールで行われた世界大会に引き続き、動画でレポートします。
カンファレンスには地域の国々からおよそ150人が集まり、「FUSION:コミュニケーターのカンファレンス」をテーマに、世界で最も多様な文化を有するアジア各国の発表が続きました。
「このイベントの素晴らしいところは、150人がメルボルンに集まって、30人以上の講演者から幅広くコミュニケーションの話題を聞くことができることです。基調講演や全体セッション、パネルディスカッションもありますし、分科会セッションもあります。さまざまなコミュニケーションのトピックスを提供しています。」(IABC アジア太平洋地域代表のライサ・マクナリーさん)
基調講演では、オーストラリアのジャーナリストであり元アンカーのトレイシー スパイサーさんが登壇し、職場における女性に対するハラスメントや妊娠・出産に対する差別問題を取り上げました。出産は、女性だけの問題ではなく、夫である男性の問題でもあると、スパイサーさんは強調します。
「私は連邦裁判所に訴えて妊娠出産に関する差別問題で国民的議論を始めました。オーストラリアでは職場の女性2人に1人が差別にあっています」(トレイシー スパイサーさん)
「トレイシー・スパイサーさんの講演が良かったです。ユーモアで人間味を出すことが武器になるなんて本当に素晴らしい。多くの基調講演がストーリーテリングを話題にして、影響を与える正しい使い方を教えてくれました」(マレーシアからの参加者)
2日間に渡るセッションでは、ストーリーテリングや戦略的コミュニケーションの重要性、従業員エンゲージメントの事例報告、グローバル企業におけるクライシス・コミュニケーションなど具体的なテーマが並びました。
「戦略をストーリーで際立たせる」というセッションでは、講師のショーン・キャラハンさんが「直視したくない現実ですが、54%もの人が組織の戦略を全く理解していないという統計があります」と語りました。。
「戦略のセッションが面白かったです。とても良いと思います。新しい情報も多かったし、知っていることもありましたが、その実践方法が明白にされて、日々の仕事にすぐに活かせます」(ニュージーランドからの参加者)
今回のアジア・パシフィック大会では、変化し続ける社会環境の中で、コミュニケーターが取り組むべき課題と役割についての言及が多かったように感じられます。
異なる文化、歴史的背景を持った参加者同士が、相互に学び合える機会を積極的に探し、活発に情報交換を行っている姿が印象的でした。
各国からの参加者は、カンファレンスの感想を以下のように語りました。
「アジア太平洋地域全体から頭脳が集まった知性のレベルたるや全くもって魅惑的だ。参加できたこと自体が素晴らしい。ここにいるだけで嬉しいし、感謝している」(オーストラリアからの参加者)
「この大会が素晴らしいのは非常に多くの学びがあることです。地域全体に適応できることがいくつもあります。私がここで学んだことを持ち帰ってマレーシアで導入する事ができます。素晴らしい講演者が何人もいて興奮しましたし、誰もが友好的なのがいいところです。」(マレーシアからの参加者)
最後のパネルディスカッションでは、A.I.がコミュニケーターへもたらす影響をグループに分かれて全員で話し合い、幕を閉じました。
【10月19日(金)18:30から、IABC Japanチャプターによる今回のカンファレンスの報告会が実施されます。カンファレンスで得た情報をより詳しくお話いたします。詳細はこちらの記事をご覧ください】
株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
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池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。