変わりゆくコーポレートコミュニケーション、その先を考える―IABC世界大会2019動画レポート
2019年6月9日から12日にかけてカナダのバンクーバーで開催されたIABCの世界大会の様子を、動画でお伝えします。
ビジネス・コミュニケーション担当者の国際団体、IABCの世界大会がカナダのバンクーバーで開かれました。世界42カ国からおよそ1400人が集まり、Think forward 「先を見据えて考える」と題して、変わりゆくコーポレートコミュニケーションに関する発表が続きました。
Q. 大会の一番いいところは?
「優劣つけがたいけど世界中のコミュニケーションの仲間に会えることがうれしい。そして基調講演や一般セッションから得られる洞察、中身が素晴らしいことです。」 リサ・マクナリー IABC APAC代表
開幕基調講演では、著名なTVジャーナリストのソールダッド・オブライアンさんが、真実とビデオによるストーリーテリングの重要性を指摘し、聴衆の信頼を構築しなければならないと強調しました。
「ストーリーテリングは我々がどんな人間か、どんな価値観であるかを強調する機会になる。しかしその代わり正直でオープンでなければならなりません。聴衆は我々のヘマの多くを許してくれる。しかし決して嘘をついてはならない。会社の従業員はさらに寛大ですから、この点にかかっているのです」 ソールダッド・オブライアン氏 基調講演「マスコミの現状:信頼および世界における報道の自由」
また、著名な番組の司会者セレステ・へドリー氏は、「失われた会話のアート」と題した基調講演で、会話によって体内に生み出されるオキシトシンやセレトニンの効用を説き、メールやテキストのやり取りとの違いを強調しました。
「明らかに違いがあります。テキストの交換は会話とは同じではないと考えられます。いかなる面においても大きく違う。神経学的に、感情的に、生理学的にも同じではないのです」 セレステ・へドリー氏 基調講演「失われた会話のアート」
また別の基調講演では、オランダの若者が2016年に会社を辞めて「企業反逆者」を名乗り、職場を楽しくするための方法を探るブログを立ち上げて評判になっていることが取り上げられました。世界中の企業を旅してインタビューした結果、従業員エンゲージメントを高めることが生産性や収益性を高めることにつながると強調し、職場の裁量と透明性が重要だと言います。
「ですから、もし多くの自由を設定したら、責任も同時に設定し、これに従うようにしてください。」 企業反逆者 基調講演より
「特に講演者が驚きです。基調講演は本当に素晴らしかった。それと人脈です。IABCで最も価値あるコミュニティーで世界中の人々と知り合いになる。本当に良かったです」 オーストラリアからの参加者
分科会セッションでは、リーダーシップと戦略、従業員エンゲージメント、コミュニケーション・スキル、マーケティングとブランド、レピュテーションの5つの分野で、講演やワークショップなど、AIやブロックチェーンなど最先端のトピックを含めておよそ80のセッションが開かれました。
「とても良かったです。テーマが先を見据えて考えるでしたからまさに今我々が必要なことでした。セッションはトピックがAIでしたのでテーマにぴったりでした」 インドからの参加者
「大会はよかったです。世界中の素晴らしい人々から多くを学びました。一番は人脈作りです。」 カナダからの参加者
最後の基調講演では、イノベーションとリーダシップの専門家で著者であるピーター・シーハン氏が、変わりゆくビジネス界で変化を恐れるのではなく、積極的に対応していくことの大切さを説いて、大会は幕を閉じました。IABC創設50周年となる来年は、アメリカ・シカゴで世界大会が開かれます。
7月19日(金)にIABC World Conference 2019 の報告会を開催します。世界大会での発表内容の詳細にご興味のある方はぜひご参加ください。
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株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
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池田 勝彦
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