2020.04.24
シンプルな言葉で行動を促す4Cの方式:ヒントとテクニック
目次
COVID-19の脅威により、リーダーはメッセージを正しく発するように強いプレッシャーを受けています。なにしろ生命が危険にさらされているのです。危機コミュニケーションの専門家として20年以上のキャリアを持つジェーン・ジョーダン氏は、IABCのWeb会員誌『Catalyst』の中で、「前例のない時代には、前例のないコミュニケーションが必要だ」と述べ、効果的に効率よくメッセージを作成するためのヒントとテクニックを紹介しています。
4Cの方式
Concern 配慮:共感、感受性、人間性を最優先にします。
ACtion 行動 :あなたが行動することで、スタッフを守り、操業を続け、顧客の要求と期待に応えることへの配慮を示します。
Context コンテキスト:組織内外の人々に、あなたの行動の背景にある視点と考え方を伝えます。
Call to action 行動の呼びかけ:あなたの発するメッセージの結果として、人々に何を考え、感じ、言って、やってほしいかを示します。
この4Cの方式について、実際に例を見てみましょう。たとえば、懸念を持っている従業員とあなたがコミュニケーションを取っていると仮定します。彼女をニッキーと呼びましょう。ニッキ―は家に学齢期の子どもたちがおり、COVID-19パンデミックの間、自宅で生産的に働けるかどうか彼女は心配しています。では上記の方式にそって、以下に例文を示してみます。
配慮:
ニッキーさん、学齢期の子供たちと家に一緒にいながら、仕事の要求に応えていくのがどれほど大変なことか、想像に難くありません。間違いなく大変な挑戦です。
行動:
苦労してやりくりしているあなたのような大事な従業員をサポートするために、私たちはできる限りのことをしていくと保証します。以下が私たちが取り組んでいることです:
- 柔軟にやりくりできるように、作業スケジュールを変更可能にしています
- Slack を使用して連絡を取りあい、進捗を確認しています
- 経験豊富な業者によるバーチャル保育サービスの提供を始めました
コンテキスト:
私たちは皆、自分たちの仕事をするために、新しい方法に取り組んでいます。本社では、社員全員が仕事を続けられように、できる限りのことをしています。仕事が続けられるのは、ニッキーさんのように社員の皆さん一人一人のおかげだと思っています。そして同じくらい、皆さんに仕事を続けてもらっているおかげで、当社が「物事を成し遂げてくれる」という世間からの評判を維持できているのです。(評判だけでは短い場合は、会社のキャッチフレーズやミッションステートメントを加えてください)
行動の呼びかけ:
ニッキーさん、今日の正午からオンライン会議をやります。ぜひ参加して、最新のアップデート情報を得るとともに、COVID-19を生き残るだけでなく、さらに会社が一層繁栄する方法について考えていきましょう。私たちは皆、一緒にいます。
キーメッセージはものすごくシンプルにする
キーメッセージは動画や音声なら30秒以内、テキストなら250文字以内、3つの文以下になるよう、シンプルにしてください。
覚えておいてください、彼らは10才です
格調高い言葉で語るより、10歳の子供が理解できる話し方で、簡潔に短く一貫した言葉を使ってください。
なぜでしょうか。
それは、人々がストレスを感じているとき、実際にパニックに陥っているときは特に、事実を理解して解釈する力が著しく損なわれているからです。
そのため:
- 業界専門用語や略語を使わないようにします。
- 短い文章にします。
- 否定文を使わないようにします(~してはいけません、とは言わないこと)。
- 能動態で話しましょう。
- 人々の感情や意思を表す形容詞を選択してください(例えば、私たちはショックを受けています、私たちはコミットしています)。
- 自分の言うことと行うことが、自分の価値観に合っているか確めてください。
定期的にアップデートする
急速に進化する危機的状況でコミュニケーションを成功させる鍵は、定期的な情報アップデートです。
- 短く明瞭な情報アップデートを提供し、重要なアクションを繰り返すだけの場合でも、行動を促す明確な呼びかけを行います。
- パニックや誤った情報には即座に対抗します。否定すべきニュースの一つひとつに、あなたはそれぞれ少なくとも対抗するメッセージが6つは必要になります。
- 主要な優先度の高いステークホルダーが最も信頼しているメディア/チャネルを使用します。
- ビデオは強力でより効果的です。
- ウェブサイト、Facebookメッセンジャー、SMSなどから中心となるコミュニケーションのハブを選択し、そこに集中します。危機の途中で何か新しいことを始めたくなる誘惑を避けてください。
- 確実で信頼できるチャネルを使用します。
- 毎日同じ時間にアップデートまたは投稿します。例えば2~4時間ごととか、朝一番、ランチタイムと一日の終わりに行います。
リーダーは、危機においては厳しい監視を受けています。ブランドも同様です。控えめに言っても、今が決定的な瞬間です。最終的に、リーダーのコミュニケーションに対する姿勢は、リーダー個人や組織全体のブランドや評判を左右します。それは政府組織のリーダーにとっても同様で、コミュニケーションへの姿勢が国の評判を左右することになるでしょう。
株式会社ソフィア
ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント
池田 勝彦
主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。
株式会社ソフィア
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池田 勝彦
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