社内コミュニケーションを活性化させるイベントとは?「場」の力を引き出すポイント

目次

社内コミュニケーションを活性化させる方法のひとつとして、社内でイベントを開催するという方法があります。しかし、イベントが「社内行事」として形骸化して意味を失い、儀式になっているような場合もあるでしょう。そのような場合は、「場」の力を活用することで、「イベント」をリフレームできる可能性があります。

この記事では、社内コミュニケーションを活性化させる手段としての「ワークショップ」「周年イベント」「キックオフ」など、従業員を集めて行う社内イベントについて紹介します。イベントという「場」の力を活用し、社内コミュニケーションの実際の成功事例を交えながら解説するため、ぜひご参考にしてください。

社内コミュニケーションとは

そもそも社内コミュニケーションとは、どのようなものなのでしょうか。この記事では、社内コミュニケーションを「インターナルコミュニケーション」の同義として定義します。

インターナルコミュニケーションとは、企業が社内に向けて行う広報活動です。トップダウン、ボトムアップでのコミュニケーション強化、もしくは従業員間の連携強化を通して、組織力を高めていく取り組みとなります。そのため、プライベートのコミュニケーションとは異なる性質を持っています。

社内コミュニケーションについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

社内コミュニケーションは「多様性」を高めるためには必要不可欠

まず前提として、社内コミュニケーションが重要である理由について整理しておきましょう。社内コミュニケーションが不可欠になってきている主な理由は「社内環境の変化」「働く人の多様化」「テレワーク問題」の3つであると考えられます。一つずつ解説していきます。

社内環境の変化

昨今の多くの企業では、ビジネスの複雑性が高まり、それにより、組織構成も複雑化しています。ビジネスや組織の課題解決する上で、自部門だけでは難しく、他部門、外部有識者、他社との連携は必須です。

しかし、各部門、外部、他社がそれぞれ異なる業務プロセスや言語や目的を持っているため連携が難しく社内コミュニケーションはますます複雑化します。

多様なリソースを揃えることはコストがあれば可能であり、多様性を統合しコラボレーションを起こすシナリオを描くこともできます。個別の多様性を繋ぐコミュニケーションは、業務プロセスや目的がバラバラのサイロを繋ぐために必要不可欠ですが、その実現が容易ではないことも事実です。

働く人の多様化

さまざまな雇用形態、さまざまなバックグラウンドを持った従業員がひとつの組織に集まるようになった結果、社内の共通言語がなくなり、かつてのような「阿吽の呼吸」が通じない状態になってきています。若い世代を中心の転職が前提にある中で、長く根付く「阿吽の呼吸」を理解共感する前に転職します。

このような終身雇用を前提とするハイコンテクストコミュニケーションは、通用しなくなってきています

テレワーク問題

コロナ禍によりテレワークが浸透し、従来よりも従業員同士の会話の時間が減っています。かつては自然と得られていた情報が得にくくなっているのです。

これらの理由から、多くの企業は社内コミュニケーションを活性化する必要性を感じています。リアルとオンラインを組み合わせるハイブリッドな働き方で、従業員同士のコミュニケーションを促すことが、組織の運営をスムーズにするためには欠かせません。

必要最低限のコミュニケーションがあれば、仕事そのものに影響はないと考える人もいるかもしれません。しかし、豊かなコミュニケーションで、他の従業員や部署について知ることは、従業員が仕事を深く理解するためにも必要です。また、人と人との関わりを通して従業員が精神的に満たされれば、仕事に対する意欲も高まります。

社内コミュニケーションイベントの効果と目的

社内コミュニケーションを活性化させる手段として、親睦会や社員研修があることを紹介しましたが、イベントも社内コミュニケーション活性化施策のひとつで、メリットを押さえて実施すれば高い効果が期待できます。

企業のビジョンや目標を共有できる

社内イベントは経営者の声を従業員一人ひとりに届ける効果的な手段です。日ごろ関わりの少ない経営層から企業のビジョンや目標を従業員に直に伝えることで、それらをブレることなく共有できます。

企業のビジョンや目標を共有できるようになると、従業員それぞれが自分を組織の構成員であり企業経営に欠かせない存在だと強く認識するようになります。その意識は企業に対するエンゲージメントを強化し、優秀な人財を定着させ業務における意欲を引き出します。

社内コミュニケーションコストを下げる

コミュニケーションコスト(意思疎通や認識共有、情報伝達に要する時間)は、相手が自分にとって既知か未知かの違いによって大きく変化します。メールや内線では何度もやりとりしているのに、実際に顔を合わせたことはない「未知の同僚」は、大企業においては珍しくない存在です。

社内イベントは、未知の同僚たちと対面できる貴重な機会です。普段の業務におけるやりとりから推察する相手の個性や価値観に直接触れることで、相手の人間性についてより深く知ることができ、その後のコミュニケーションコストを大きく下げつつ、ひいては業務効率や生産性の向上につながります。

普段関わり合いのない人同士でのイノベーションを起こす

企業が成長し続けるためにイノベーション創出に向けた活動は必須です。しかし、日常業務においてチームメンバーの中だけで斬新で画期的なアイデアを生み出すことは決して容易ではありません。

社内イベントでの交流では、業務上まったく接点のない社員の視点や意見が思いがけないヒントをもたらし、普段関わり合いのない人同士の交流は、イノベーションを起こすよい機会となります。

従業員のモチベーションやスキルの向上につながる

社内イベントは、モチベーションとスキルの向上につながります。たとえば、セミナーやワークショップに近い、学習イベントを開催すれば、従業員はスキルを得て、実際の業務に活用してくれます。仕事への貢献意欲も高まるでしょう。

イベントと言っても、種類は多岐に渡るので、まずは実施目的を明確にし、それに合ったイベントを開催することが重要です。イベントによってエンゲージメントを高めることができれば、会社に愛着を持ってもらえるようになり、定着率も向上します。

社内コミュニケーションイベントは共体験のアプローチ

組織が高いパフォーマンスを維持しながら協働していくためには、従業員間での「共感」や「共鳴」「共振」、そしてそれらを生み出す「共体験」の機会を作ることが重要です。

共感とは、相手と自分とが同じ感覚を持つ関係です。共鳴とは、エネルギーの強い方にもう一方が影響を受ける関係です。共振は共鳴に似ていますが、お互いのエネルギーが干渉しあいながら同じ波長に乗り、強まっていく関係です。

共感をベースに共鳴が生まれ、やがて共振していきます。このベースとなる共感を生むものが共体験、すなわち組織内で共通の価値を共有するということです。

一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏は、上記の一連を総合した「共同化」が組織内の関係性構築において重要であると述べています

共同化は共体験によって生まれます。組織の構成員が共通の体験をすることで、個人のナレッジが組織のナレッジとなり、再び個のナレッジへと還元されていき、結果として組織全体のパフォーマンスが向上します。社内イベントという共体験はこのようなナレッジの好循環を生み出すきっかけとなります。

共体験の身近な例として、「新年に初詣に行く」や「同じ釜の飯を食う」などが挙げられます。イベントを通して同じ体験をすることで、関係を強められるのです。単なるイベントでありながらも、メンバーの考え方のベースを変えるという意味では決して軽視できないことが明らかになっています。

詳しくは、野中郁次郎氏の著書『知識創造企業東洋経済新報社(1996/3/1) 』をご参照ください。

社内コミュニケーションイベントに必要な「非日常の場」のデザイン

どの会社も試行錯誤を重ね、よりよい社内コミュニケーションイベントを企画運営していることでしょう。しかし、評判のよい社内コミュニケーションイベントであっても、続けていくうちにマンネリ化してきます。企画の意図や目的を整理することはもちろん重要ですが、いかに従業員を飽きさせないかということも重要です。

とはいえ、アイデアのみで目的が伴っていないイベントを行っても、参加者には「これを会社で行う意味があるのか?」という疑問が生じます。社内コミュニケーションイベントには、目的を踏まえながら従業員をワクワクさせる「非日常の場」のデザインが必要です。以下に、「非日常の場」をデザインするためのポイントを解説していきます。

非日常の空間をデザインする

ここでいう「空間」とは、場を構成する物質的なものを指します。たとえば、会社の会議室で実施するイベントと、外の青空の下で実施するイベントとでは、参加者の体験はまったく異なります。

参加する従業員のドレスコードや会場の装飾、イベントで使用するファシリティ、イベント中に流れる音楽に至るまで、さまざまな要素で普段の業務とは異なる「非日常」を演出しましょう。

非日常の規範や雰囲気をデザインする

社内コミュニケーションイベントの規範や雰囲気を作り出す上で、空間のデザインはもちろん大切です。しかしもっとも影響が大きいのは、「そのイベントに誰が呼ばれているのか」という点です。

せっかく非日常の空間を演出しても、参加するメンバーが日常業務と同じ規範や雰囲気を持ち込んでしまっては、狙った効果が得られないかもしれません。非日常のイベントには、その目的に応じて「主役」を決めておく必要があります。イベント全体の進行や演出において「主役」と「それ以外」の役割が明確にわかるように設計しましょう。

また、イベントの規範や雰囲気にはリーダーの行動が強く影響し、イベント冒頭の短い時間で雰囲気は8割決まります。イベントの演出、主役の盛り上げにリーダーの行動をうまく使うことも重要です。

非日常の内容をデザインする

イベント企画者がしばしば悩むのは「イベントで何をするのか」ということではないでしょうか。マンネリ化を避けるためには新しいアイデアが欠かせません。ここで、発想のヒントをひとつご紹介します。それは、日々の業務や日常の関係を別のシチュエーションに置き換えるという手法です。

たとえば、日常業務においてチームは協力するものという前提がありますが、実際にはチーム内で仲間割れしていたり、コミュニケーション不全が発生していたりという事態が多々あります。しかし、社内運動会で他のチームと対抗するとなると、普段それほど協力的でないメンバーも一致団結して活躍するかもしれません。

プログラム次第では、そういった非日常の体験から仕事におけるチームワークに関する本質的な気付きにつなげることも可能です。イベントの目的に合わせて、日常の体験を非日常の場に置き換える手法を試してみてください。

社内コミュニケーションイベントは偶然性を楽しむ姿勢を忘れないこと

社内コミュニケーションを目的とした「イベント」は、事務局や企画者は、水も漏らさない緻密な計画や進行表を立てます。計画された「イベント」は、予期しない参加者の行動やアクシデントで、事務局の肝を冷やし、ひやひやした心境を起こすかもしれません。必然性を担保しつつも、偶然におけるアクシデントや予期しない参加者の行動を楽しむといった、偶然性を楽しむ姿勢や受容する体制は非常に重要です。

しかし、設問や模範解答をすべて用意すれば、イベントとしては成立しますが、社内コミュニケーションとしては逆効果かもしれません。

哲学者のクァンタン・メイヤスは「有限性の後で偶然性の必然性についての試論」の中で、「社会や人なんてものは偶然性できていることが必然であるのだから、偶然性を受け入れましょう」と言っています。

予算とコストの掛かった社内のイベントであり、水も漏らさない計画でありながらも、想定外の偶然性を受け入れ、楽しみながら対応する事務局の姿勢は、参加者にとって意図や意味合いを感じるイベントとなり、より記憶に残るのではないでしょうか。計画や進行に手を抜くこと推奨しているわけでありませんが、あくまでも完全なイベントなど存在しないということです。

社内コミュニケーションイベントの導入成功事例

ここからは、実際に社内コミュニケーションの活性化に成功したイベントの導入事例を5つ紹介します。

社内運動会

1つ目は、株式会社ヤオコーが導入している「社内運動会」です。社内運動会は近年あらためて注目を浴びるようになった社内イベントです。

同社の社内運動会は全店舗総数10,000人以上の従業員が一堂に会する年1回の一大イベントで、さいたまスーパーアリーナを貸し切って有名アーティストをゲストに迎えるというその豪華さから、大きな話題となりました。

ここまでの規模でなくとも、運動会には楽しみながらチームワークを向上させるという効果があります。実はこの「楽しみながら」が、社内イベントにとって重要なポイントです。

社内イベント成功の鍵は、従業員の満足度です。「やらされている」という受動的な感覚が心に芽生えると、満足度は著しく低下します。そのため、一人ひとりが楽しみながら能動的に参加することのできる社内運動会は、従業員からの満足を得やすい施策です。

また、運動会はヤオコー社の「チャレンジ」「健康」という経営方針や「チームで仕事」という運営方針に沿ったイベントであり、企業のメッセージを従業員に浸透させている好例でもあります。

毎日席替え制度

2つ目はカルビー株式会社が導入している「毎日席替え制度」です。同社は2010年の本社移転に伴ってフリーアドレス制度(固定席を持たずに自由な席で作業ができる制度)を全面導入しましたが、人は無意識に自分がお気に入りの席を確保したり、知り合いとの距離が近い席に集まったりしてしまうものです。

そこで、ダーツシステムによって毎日ランダムに席を変えることで、従来のフリーアドレス制度を新たなコミュニケーションが生まれやすくなるように進化させました。フリーアドレス制度には経営層も参加するため、一般社員の隣に執行役員が座ることもあり、ヨコだけでなくタテの関係においても物理的・心理的な距離を縮める効果を生んでいます。

TGIF

3つ目はアナグラム株式会社が導入した「TGIF(「ThankGod,It’sFriday.」の略語)」です。これはGoogle社でも導入されている社内イベントで、隔週金曜日の午後16時~17時ごろを「フリータイム」と称して会社がケータリングやアルコールを社内で振る舞い、自由に意見交換ができます。また、時期によっては新入社員の自己紹介を行ったりボードゲームを開催したりと、部署や役職の垣根を越えて社内交流を深める有意義な時間を実現している社内イベントです。

無人島研修

4つ目の事例は、日清食品ホールディングスが行なっているユニークかつ大胆でハードな「無人島研修」です。

本研修では私物をすべて没収され、3日間にわたって無人島生活を行います。即席ラーメンが一人あたり1日1食支給されるのみで、それ以外は自分たちで調達しなければなりません。

日清食品グループには、「食足りて世は平らか」という創業以来の価値観があります。この研修では、社員が精神的にも肉体的にも骨太になることを目指すといいます。また、チームでの課題解決を通じて創造力や判断力、リーダーシップ、結束力の向上を図っています。

ウォーキングミーティング

最後の事例は株式会社ぐるなびの「ウォーキングミーティング」です。これは文字どおり歩きながらミーティングをするイベントです。

もともと社長が習慣で行っていたウォーキングに、社長と話したい社員が付き添うようになって始まりました。座りっぱなしになりがちなデスクワークの従業員たちが運動不足を解消し、会話の中からアイデアも生まれ、コミュニケーションも活性化する健康的なイベントです。

オフラインイベントでなければ効果がないのか?

社内イベントというとオフライン(対面、リアル)のイベントのイメージが強いかもしれませんが、実際はWeb会議システムやテキストチャットを使用して対面に近い環境を作ることができ、適切に運営できればしっかりとコミュニケーション活性化の効果があります。

オンラインでできる社内コミュニケーションイベントの例

社内コミュニケーションイベントはオンラインでも可能です。以下にいくつかの例をご紹介します。

リモート飲み会

GoogleMeetやZoomなどのテレビ会議システム使って、ビデオチャットをしながら飲み会をすることを指します。緊急事態宣言の最中、プライベートで体験したことのある方もいるのではないでしょうか。とくに単身世帯の従業員は会話の機会が減っていることもありますので、業務から離れてざっくばらんな会話を楽しむ機会を設けるとよいでしょう。

あるいはTGIFのように金曜の夕方に誰でも入れるオンライン会議室を設け、軽食やアルコールを各自用意しながら特定の議題についてディスカッションを行ってもよいかもしれません。

オンラインランチ会

部署やチームごと昼休憩の時間を一斉にとり、ビデオチャットをオンにしながらのオンラインでランチを楽しむことも可能です。これまで社内の食堂や休憩室で行われていた会話をそのままオンラインで行うことができます。特定の人たちで固まってしまわないよう、参加メンバーを入れ替え制にするとコミュニケーションがより活性化しやすくなります。

オンライン朝礼

オンライン朝礼を行えば、パソコンの画面越しで、表情や声色でその日の同僚の調子をうかがい知ることができます。また、その日やるべき業務の予定や昨日行った業務の報告を行うとチーム全体でメンバーの進捗状況を共有もできます。イベントの観点ではアイスブレイクを入れて業務とは離れた会話からはじめたり、タスク報告はテキストチャットで行ったりすることが重要です。また、各メンバーからの1分間スピーチをメインにするなど、朝礼の場をいろいろな方法で活用できます。

リモートゲーム

オンラインで懇親会や親睦会を行う場合におすすめなのが、リモートゲームです。エンターテイメント性が高く協働しながらできるリモートゲームでいうと、脱出ゲームで有名なSCRAP社のオンラインイベントがあります。有料にはなりますがクオリティが高く、誰かがファシリテーションをする必要もないので気軽に実施できるでしょう。

オンライン勉強会

社内行事の一環で、すでに勉強会を採用している企業もあるかもしれません。一般的に会議室に集まってのプレゼンテーションは、ホワイトボードを併用したり身振り手振りを加えたりすることで、不足している部分をある程度カバーできました。しかし、ビデオチャットツールで画面共有を行うと発表者の姿が見えなくなるため、聞き手はスライドに集中します。そのため、わかりやすい図表と伝わりやすい説明が不可欠となります。オンライン勉強会で社員が発表する機会を設けることが、プレゼンテーション資料の作成やプレゼンテーションスキルを磨くきっかけにつながるかもしれません。

社内イベントを成功させるポイント

最後に、実際に社内イベントを計画する場合に注意したいポイントを整理していきます。どのようなことに気をつければ、より効果の高い、意味のある社内イベントを生み出すことができるのでしょうか。

目的とイベント終了後の状態を設計

どのようなイベントを実施するべきなのかは、目的によって変わります。そのためまずは「社内イベントを通して何を得たいのか」を、明確にしましょう

たとえば、部署間での交流を深めたいのであれば、リモート飲み会・ランチ会などで実際に会話する機会を提供するのが効果的です。従業員のモチベーションアップを継続的に促したいのであれば、毎朝のオンライン朝礼は良い起爆剤になるでしょう。

大切なのは、目的に合ったイベントを選ぶことと、その目的を参加者にも共有することです。目的が明確でない漫然とした企画は、参加意欲の低下や、満足度の低下につながってしまうため、注意が必要です。

従業員のニーズに沿ったアイデアを企画する

具体的なアイデアを考える際には、従業員のニーズをしっかりと踏まえてから描いていくことが大切です。

事前に従業員にアンケートを取り、どのようなイベントであれば参加意欲が湧くのか、ヒアリングしてみるとよいでしょう。場合によっては魅力的な景品を使って、参加のきっかけを作ることもできるはずです。なお、いいイベントを作っても、参加するハードルが高く感じられると、巻き込める人数も減ってしまいます。参加ハードルを下げるための工夫もしっかり考えましょう。

世間にはユニークな社内イベントを開催している企業が多くあるので、他社の成功事例を参考にするのもよいでしょう。ただ、単に真似をするのではなく、自社の特性、自社ならではのニーズを踏まえ、オリジナリティのある企画をすることが大切です。

遊びを残した運営設計

事務局は従業員をゲストとして迎え、演出し体験価値を提供しなければなりません。つまり、社内イベントはエンターテインメント性を含んでいます。「楽しんでもらいたい」「モチベーションを上げてほしい」など、行動変容や感情喚起を起こすため、仕掛けを組み込まなければなりません。

遊びのない運営は、参加者を知らず知らずのうちに事務局の管理下に追いやってしまいます。運営設計において、参加者が自由に動ける場や時間を創ることで、「場」は事務局と参加者が共創的に変化します。

イベントを社内で共有する

イベント実施時は、企画と同じくらい集客にも力を入れる必要があります。いくら素晴らしい内容のイベントを用意しても、参加する従業員が少なければ意味の薄いものになってしまいます。社内イベントを企画したら、社内にしっかりと発信をしましょう。社内報や社内チャット、社内SNS等を活用すると効果的です。

さらに、イベント後の報告も同じく重要です。実際のイベントの様子を、社内へ発信しましょう。参加していない従業員がその情報に触れることで「次回は自分も参加してみようかな」と思ってくれるかもしれません。

まとめ

冒頭でもお伝えしたとおり、社内コミュニケーションの活性化は個人やチームの能力発揮を促すために重要な要素のひとつです。企業の理念や社風を反映した社内イベントは、コミュニケーションの活性化を促す効果的な手段であり、今回紹介したイベントはその好例といえます。

忘れてはいけないポイントは、自社にとってどのようなイベントが適切であるかを徹底して見極め、創意工夫を凝らすことです。社内イベントに決まりきった型はありません。自社に適したイベント施策とは何か、じっくり考えてみましょう。そして、イベントの情報について社内でしっかり共有しましょう。

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よくある質問
  • インターナルコミュニケーションとは何ですか?
  • 社内やグループ会社内など、同一の組織内における広報活動のことです。「社内広報」や「インナーコミュニケーション」とも呼ばれ、社内報や社内セミナー、対話集会などを通して、社内におけるコミュニケーションを活性化する活動全般を指します。
    こうした活動は、組織の価値観や文化に対する社員の知識・理解を深めることにつながります。会社のビジョンを外部に向けて主体的に発信することのできる社員を育成し、組織全体を良い方向へと導く取り組みとして、インターナルコミュニケーションが行われます。

  • オフラインイベントでなければ効果がないのか?
  • 社内イベントというとオフライン(対面、リアル)のイベントのイメージが強いかもしれませんが、実際はWeb会議システムやテキストチャットを使用して対面に近い環境を作ることができ、適切に運営できればしっかりとコミュニケーション活性化の効果があります。

株式会社ソフィア

プロデューサー

小林 裕大

調査、メディアコンテンツディレクション、イベント企画、運営を担当しています。一番の得意分野は進め方がわからない、やり方が決まっていないプロジェクトを伴走して推進していくことです。

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