
2025.02.28
データ利活用で自社ビジネスを促進させよう!なぜ、いまデータが必要なのか

目次
日本企業でもDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が進み、ビッグデータをビジネスの分野で利活用しようとする動きが多くの企業でみられるようになってきました。今や、データを活用するということは、自動化やAI活用に大きく貢献しています。
本記事では、データの必要性や、実際にデータを利活用することでどのようなメリットがあるのか、どのようなステップでデータを扱うべきかを、実際の企業事例に基づいて解説します。
データ利活用とは
データ利活用とは、ビジネスや社会のさまざまな分野でデータを収集・分析・活用することで、新たな価値やインサイトを生み出すことを指します。データを活用することで、より効率的な意思決定や問題解決が可能となり、競争力の向上につながるでしょう。
データの利活用には、正確なデータの収集と分析が挙げられます。これにより、データから有益な情報を引き出すことができます。また、データを適切に可視化することで、膨大なデータをわかりやすく表現し、洞察を得ることができます。
なぜ今データの利活用が注目されているのか
2000年代からインターネットやIoT、ロボットやAI、スマートフォンといったテクノロジーが急速に発達し、今もなお進化し続けています。このような状況で、「ビッグデータ」を中心とするデータ群にフォーカスが当てられるようになりました。
ビッグデータとは、膨大で複雑な、加工の困難なデータの集合体です。これまで多くの企業ではビッグデータの分析はおろか、莫大なデータを収集することすら難しかったのですが、クラウドや分析手法の進化によってビッグデータの収集・蓄積や抽出・加工・分析の技術的なハードルが下がりました。こうした背景から、ビジネスにおけるデータの利用だけでなく活用までを含めた「利活用」について、さまざまな場面で言及されるようになったわけです。また、ビジネス分野においてデータの利活用が注目されるようになったことには技術の進歩以外に大きく3つの理由があります。
データ利活用とDXの関係
DXは企業がデジタル技術を活用して業務フローの改善やビジネスモデルの変革を行う取り組みであり、データ利活用はその実現に向けた大きな鍵となります。 データは、社会のデジタル化に伴い、事業活動において大きな価値を持つようになりました。
そのため、企業はデータを利活用することで、より正確な情報を得ることができ、迅速かつ効果的な意思決定につながります。 具体的には、データ利活用によって企業は顧客の行動や需要の変化を把握し、マーケティング戦略の最適化や製品の改善に活かすことができます。また、生産や物流の効率化、人材の適正配置、リスク管理など、さまざまな業務領域でデータが利活用されています。
一方、DXの中でデータ利活用は重要な位置を占めていますが、データ活用だけではなく、より広範なデジタル技術の活用を含む概念です。DXは、企業がデジタル技術を導入して業務プロセスを効率化し、新たなビジネスモデルを創造することを目指すものです。 データ利活用はDXの一部であり、デジタル技術の活用によって得られるデータを活用することが重要です。データ利活用が進むことで、企業はより競争力を高めることができます。
たとえば、大量のデータから規則性やパターンを見つけ出し、これらを自動化することで、手間を省くことにつながります。AIの活用においては、AI自体にデータをしっかり提供し、学ばせることが必要となります。Googleやマイクロソフトのようなビッグテックと言われる大量のデータを持っている企業は、そのデータをAIに読み込ませればよいのです。ただ、社内で活用しているデータは、企業内またはその業界の中でのみ意味や価値を見出いしているため視野を広げることを考えると、データの活用方法はまだ未知数に存在するのではないでしょうか。
データ利活用によるエクスペリエンス向上の取り組み【企業事例】
ソフィアが関わったある企業事例では、カスタマーエクスペリエンスの向上の取り組みを実施し、戦略的に対外コミュニケーションを設計したことで、エクスペリエンスを7倍向上させることに成功しました。しかし、結果的に業界平均を大きく上回る離職という課題が浮上したのです。ソフィアが実際に行ったこの課題の施策として、入社し部署配置が行われ、業務に従事し、そしてプロジェクトで成果を出して退社するまでのあらゆる従業員の社内経験やイベントを書き出し、さらにモチベーションや心理状態を可視化しました。そして「エンプロイーエクスペリエンスの現状」「あるべきエンプロイーエクスペリエンス」を設定し、イベントごとに施策を実施しました。その結果、離職率を下げることに成功し、顧客満足度向上の支援にもつながりました。
このように企業の課題を解決するためには、あらゆるデータを可視化し、利活用することが必要です。データを可視化できていなければ、それは課題を可視化できていないのと同等なのです。
エンプロイーエクスぺリエンスは、入社から退職までのという期間で設計されることが多いですが、今の時代にいたっては、毎日の出社~退社まで、もしくは1週間、1カ月間という短期間での設計が求められています。イントラネットやWEB社内報、トップメッセージなどから、社員がどのような情報に触れどのような情報に興味を示しているのかなど、閲覧状況を、デジタルツールでログ解析し社員と会社の情報に対する接点の洗い出しも可能となています。
AI時代に不可欠なデータ整理の重要性
近年普及を見せるAIもデータ分析などには欠かせません。AIは多大な量のデータを元に学習し、意思決定や予測を行う技術です。そのため、AIが正確かつ効果的に機能するためには、品質の高い整理されたデータが不可欠です。整合性のあるデータがそろっているうえで、AIは適切に分析することができ、正確で有用となる結果を出力します。そのため、データが整理されまとまっていなければ、データを利活用することは難しいでしょう。
また、さまざまな角度から、さまざまな種類の情報を集めデータ化し整理することで、より信憑性の高い意思決定につながることが期待できます。企業はデータを適切に扱える人材や AIを効果的に扱うことができる人材を確保・育成するために社内体制を整備する必要があります。
企業のデータ利活用の現状と課題
一部の大手企業はデータ利活用に積極的に取り組み、多様なデータの統合や分析、施策への活用を行っています。これにより、マーケティングや経営戦略の高度化が進んでいます。音声データの活用も進んでおり、データ分析による企業経営の向上が期待されています。
一方で、多くの企業はデータ利活用に課題を抱えているのも事実です。まず、データの収集と管理に係るコストが増大していることが挙げられます。データの収集には時間や人的リソースが必要であり、そのための費用もかかります。また、データの利活用方法が不明瞭であったり、費用対効果が不明確であったりすることも課題です。
さらに、データを扱う人材の不足も大きな課題とされています。データを整理・分析し、活用するためには専門的な知識やスキルが必要ですが、それに対応できる人材が不足しているのが現状です。企業はデータを適切に扱える人材や AIを効果的に扱うことができる人材を確保・育成するために社内体制を整備する必要があります。 顧客のニーズなどが急速に変化する現代のビジネス環境に対応するには、データを収集し、整理して活用することが不可欠です。ここにリソースを割くことができなければ、企業の競争力は低下する一方となってしまうでしょう。
社内のデジタル業務を遂行したトラフィックデータはしっかり存在していますが、整理されておらずただ散らばっている状態です。大企業の場合だと、ユーザー数・システム数が膨大であり、管理体制も部門ごとばらつきがあることから、ID管理が不十分となってしまう可能性が高まります。そのためデータを統合することが難しくなってしまいます。
現代のデジタル化によって大量のデータや情報を取得できますが、それをどこから手を付けてどのように整理し、どのようなデータを抽出すべきなのかを悩む方も多いのではないのでしょうか。まずはデータを利活用することのメリットを社内全体で理解し、目的をはっきりさせることが必要となるでしょう。
ビッグデータの活用目的・種類
総務省の調査(情報通信白書 令和6年版)によると、パーソナルデータを活用している日本企業は52.8%にとどまりました。データ活用における課題として、「データの収集・管理にかかるコストの増大」を挙げた企業が最も多く、データ収集に対して及び腰になっている姿勢がうかがえます。
しかしながら、上段で述べてきたように、今後企業の競争力を高めていくにはデータ収集は欠かせません。この章では収集したデータの活用目的、さらには活用の種類を明確にしていきます。
将来の問題発生を予見し、予測・予防を行うため
データの活用方法は2種類あります。1つ目は、主張を証明するための根拠としてデータを用いる方法です。何かを主張する際の具体的かつ客観的な裏付けとしてデータを用います。2つ目は、新たなひらめきを得るためのヒントとしてデータを用いる方法です。事実を並べて関係性を探り、そこからアイディアや課題を発見できます。
たとえば、何か問題が起きた際のデータを分析することによって、さまざまな状況下において将来的にどんな問題が起きるかどうかを予測することが可能です。問題が起きる際の条件を問題が発生する前からあらかじめ認識することによって、予測や対策ができるようになります。
また、AIを活用することで、過去のデータを基にリスクを早期に察知することが自動で瞬時に行われます。そのためにも、AIに読み込ませるためのより正確なものでなければなりません。間違ったデータから得た予測や予防対策では効果は出ず、意味のないものとなってしまうでしょう。データを基に問題を予測し対策を練るのであれば、正しく透明性の高いデータを用いることが必要不可欠です。
個人ごとに情報をパーソナライズされたサービスの向上を図るため
たとえばWebブラウザを使っていて、ある商品のWebサイトを閲覧したのち、その商品もしくは関連商品の広告画像が他のサイトに表示されるようになったという経験はないでしょうか。これは、個人の閲覧履歴データをもとに広告がパーソナライズされたためです。また、ECサイトで商品を検索すると他のおすすめ商品が出てくるのも、閲覧者に合わせて情報がカスタマイズされていることによります。これは、データを活用することで個人ごとに情報をカスタマイズしてサービスの向上を図った事例です。
このようにパーソナライズすることは、社員に対しても有効であり、企業内でいえば、LMP(Learning Management Platform; 学習管理システム)の導入により、社員のスキルや経験にあわせてeラーニングのコンテンツをサジェストできるようにもなります。社員に対して教育サービスの向上を図った例といえるでしょう。そのためにも社員におけるデータの収集は不可欠となるでしょう。
ただし、社員それぞれ個人のデータを収集しそれに伴った情報が流れてくることに、不快や恐怖を感じる人もいます。そのためには、それ以上に利便性を感じてもらうことで解消されるでしょう。また、タレントマネジメントなど、人材を育成・配置のために社員の情報を可視化するといったシステムに対して周知、理解しているのは人事担当者が多く、現場の社員にはあまり知られていないのが現状です。このようなシステムについてより多くの社員が理解することで、パーソナライズにおける不快感や恐怖をやわらげ、さらに人事だけでは集めきれないより詳細な情報の入手にもつながるのではないでしょうか。
社内で蓄積されるデータが注目されている
LMPの例で示したとおり、社内のデータを利活用することで人材育成に役立てられるほか、業務改善や人件費を削減することにもつながります。そのため、マーケティングなど市場を対象とした分野だけでなく、企業の組織内においてもデータの利活用が注目されるようになってきました。
代表的な活用事例として、タレントマネジメントシステムについてご紹介します。タレントマネジメントシステムは、社員のスキルや経験をデータとして可視化し、人材管理や育成に役立てることができます。これによって社員のパフォーマンスがデータ化できるようになると、人材の配置や育成の計画がより精緻に立てられるようになることや、成長の妨げになっていること、コストをかけるべきところがどこなのかが、感覚ではなく客観的に判断できるようになります。
タレントマネジメントの現在はまだ、人事情報のWEB化とエンゲージメントサーベイなどのアンケートツールです。データとしての活用はできません。行動データ、オペレーションデータと認知アンケートを掛け合わせ、認知アンケートの背景から探っていくことで、本質的な予測と反復につながります。
「データを利活用する」とはどういうことか
データを利活用するとは、単にデータを収集するだけでなく、それを適切に管理・分析し、得られた洞察を基に業務や戦略を改善していくプロセス全体を指します。データの有効活用により、企業は競争力を高め、より効果的な意思決定が可能になります。
データ利活用のプロセスとして、下記の図のような段階を経ていきます。
情報:データに意味を見出せば「意味のある情報」となります。
知識:意味のある情報同士がつながっていくことで情報は体系化され、関連性やパターン(知識)が生まれます。
洞察:知識の中から特定の重要なポイント(本質)を見抜くことができます。
知恵:洞察をもとに多くの知識や情報から最も適切な判断や行動を選び取り、それをどう使うべきかを理解し、実際に役立てることができます。
このように、「データを意味のある情報に変換し、情報同士がつながることで知識となり、そこから重要なポイントを見つけ出し、実際に活用し役立てていく」といった流れが非常に大切です。
この流れを行わず、会社や個人の都合、偏見や忖度でデータをつなぎ合わせ利活用してしまえば、陰謀めいたものを感じさせ、社員に不信感を与えてしまう可能性も否めません。
データ利活用のための分析手法
この章では、具体的な分析手法について解説していきます。
記述的分析(Descriptive Analytics)
記述的分析は、大量の生データから結論を導くことによって、「何が起こったのか?」という問いに答えるのに役立ちます。この分析は、アクセス可能な折れ線グラフ、表、円グラフ、棒グラフ、および生成されたナレーションに可視化されます。
記述的分析は、データセットの属性を要約するために使用される測定値を使用しており、周波数、中心傾向、分散、および位置を特定します。 ビジネスや組織において重要な情報を提供します。一例として、顧客の行動を分析することで、どのような製品やサービスに関心を持っているか、さらには売り上げのトレンドやピークの時期を把握することができます。これにより、販売戦略や在庫管理の最適化など、組織のパフォーマンス向上につながる戦略を立てることができます。
また、リソースの割り当てに関しても洞察を得ることができます。どの部門やプロジェクトが最も効率的にリソースを活用しているのかを把握することで、効果的な意思決定が可能となりのです。 さらに、記述的分析はプロセスの改善にも役立ちます。たとえば、製造プロセスのデータを分析することで、生産ラインのボトルネックや効率の悪い作業手順を特定することができます。これにより、生産性の向上や品質の向上につながる改善策を導くことができます。
記述的分析は、大量のデータを効果的に処理し、有益な情報を抽出することができます。これは平たく言うと過去のデータを分析して変化や傾向を理解するプロセスであり、組織が過去に何が起こったのかを把握し、歴史的データからパターンを特定するのに役立ちます。一般的な技術には、データの集約、データマイニング、データの可視化が含まれます。論理的思考でいう「帰納法」を機械が担うということです。
具体的な事例として、小売企業が過去の販売データを分析するケースが挙げられます。数年にわたる販売傾向を調べることで、特定のシーズンに最も売れる商品を特定できます。この分析により、企業は将来の販売期間に向けて在庫とマーケティング戦略を最適化し、人気商品を適切なタイミングで十分に在庫し、販売を最大化するために促進することができます。
このように記述的分析は、現状把握や問題解決、戦略策定などの重要な業務に役立てることができます。
診断的分析(Diagnostic Analytics)
診断的分析(Diagnostic Analytics)は、過去のデータを深く掘り下げて、起こった事象や傾向の原因を理解しようとする分析手法です。これには、データの探索、相関関係の分析、および因果関係の探求が含まれます。目的は、特定の結果がなぜ発生したのかを明らかにすることです。
事例として、ある製造企業が生産ラインの遅延の原因を特定するために診断的分析を利用するケースがあります。データ分析を通じて、特定の機械の故障が遅延の主な原因であることが判明した場合、企業はその機械のメンテナンス計画を見直し、将来的な遅延を防ぐための対策を講じることができます。このように、診断的分析は問題の根本原因を特定し、より効果的な意思決定をサポートします。
予測的分析(Predictive Analytics)
予測的分析は、過去のデータと最新の情報を分析し、将来の出来事を予測するための手法です。この分野は、統計学や機械学習などの技術の進歩により、ますます注目を集めています。予測的分析は、ビッグデータを活用して、パターンや傾向を見つけ出し、それを基に将来の市場環境や影響要因を予測します。これにより、事業計画や製品開発計画など、さまざまな分野で活用されています。
「超予測力」(フィリップ・E・テトロック 、ダン・ガードナー)の本では、2011年から2015年にかけて、アメリカ国家情報長官直属の組織が主催した「予測トーナメント」に参加し、圧倒的な成績を収めたチーム「Good Judgement Project」のメンバーの共通した思考法が記載されています。国際政治に関連する複雑な問題を予測するにも関わらず、このメンバー予測は専門家である米国国家機関のプロの情報分析官をも上回ったと言われています。
彼らは高いIQを持っているわけでもなく、彼らは積極的に歴史や過去の物事を探究し、確率論的な観点から物事を捉え、パターンや法則を捉えて、現在の新たな条件や事実を付け加えながら予測を微修正していったと言われています。 「歴史は繰り返す」ということから考えられた分析方法です。
予測的分析の最新動向としては、オンラインで将来のイベントの統計的確率を計算する予測Web分析があります。これにより、未知のイベントに対しても予測的分析が適用されます。たとえば、犯罪が発生した後に容疑者を特定したり、クレジットカード詐欺をリアルタイムで検出したりするなどの活用があります。
予測的分析は、データモデリング、機械学習、人工知能(AI)、深層学習アルゴリズム、データマイニングなどの統計手法を使用することにより、過去の行動パターンを特定し、将来の結果を予測することが可能です。単純な相関付け以上の機能を持つ予測分析ツールも開発され、ビジネス分野でさまざまな用途に活用されています。 利活用例としては、需要と供給の正確な予測や、コンピューターネットワークの脅威や潜在的な問題の特定、保険サービスや金融サービスにおけるセキュリティリスクの低減、クレジットカード詐欺のリアルタイム検出などがあります。
処方的分析(Prescriptive Analytics)
処方的分析は、特定のパラメーターセットが与えられた場合に、データと機械学習を活用して行うべき最適な行動を導き、より優れた意思決定を行うための方法論と手段を表します。この手法は、ビジネスインテリジェンスプログラムに組み込んで運用をガイドしたり、処方的分析の決定結果をダッシュボードのデータ分析として人間のオペレーターに提示したりすることができます。
処方的分析の一つの例としては、ヘルスケア業界における予測分析があります。救急外来の受診者数の急増や特定の症状の急変など関連要因の急増を予測し、の効率的な医療サービスの提供をサポートできます。
また、処方的分析は価格最適化やAIによる発注の最適化、広告出稿の最適化などでも活用されています。処方的分析のビジネス実践を広げるためには、数理モデリングの自動化など、いくつかの課題が残されています。しかし、量子コンピュータのような技術的革新が進むことで、これまで解けなかった規模の問題も解決できるようになると予想されています。
データ利活用を実現するデータ基盤構築の進め方
実際にデータを利活用するためにはどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。これまであまりデータを活用してこなかった企業にとってはハードルが高いように思えるかもしれません。ここでは、データ利活用のステップを5段階に分けて解説します。
ただし、どの段階・ステップであっても、論理的に捉えて考えていくことが不可欠です。ロジカルシンキングの考え方であるMECEのように、「わけて」「並べて」整理することで、本質が見えるようになり、データ利活用に最適な最適な基盤を構築できるでしょう。
目的設定・計画
何のためにデータを収集・分析するのか、必ず目的を設定しましょう。たとえば「売上を増加させる」ことを最終的な目標とするならば、「どのような条件のもとにどのようなアクションを取ることが売上向上に最大の効果をもたらすのか」を判断することがデータ取得の目的となるでしょう。
この目的を達成するためにはまず、売上を構成する要素、または売上に影響を与える要素を、あらかじめ漏れなく洗い出しておく必要があります。店舗の売上は顧客数*顧客単価で成り立ちます。顧客数はそれぞれ時期や時間帯、広告宣伝の活動や店舗の外装・看板に影響を受けますし、顧客単価も同様に時期や時間帯はもちろん、接客対応の質や商品の陳列によって変わってくるでしょう。今までPOSで行ってきた分析に加え、店舗全体やエリア、本社側のオペレーションデータを含めることで、より詳細な要因分析が可能になります。
また、目的をさらに詳細にブレイクダウンする中で、スタッフが接した特徴的な顧客のニーズや、長期的な接遇スキルの向上、スタッフのエンゲメント状況、エリア・店舗間の連携状況、もしくはより偶然性の高い発見のためにはスタッフのあらゆる属性データなども必要となってくるかもしれません。
このように、まずデータ利活用の目的を明確にすることで、データ取得・分析の計画を立てることができます。
収集・蓄積
そのうえで、利活用するデータを実際に集めていきます。データを集める際の入り口としては、POSやCRMなどのほか、社内の基幹システム、社員に関するデータであれば勤怠管理システム、イントラネット、導入していればタレントマネジメントシステムなど人事関連システム等が挙げられます。顧客や社員など人に関するデータを集める際には、年齢や性別などのデモグラフィックなデータ、あるいは嗜好や価値観などのサイコグラフィックな情報をひとつのデータサーバー収集し、蓄積していきます。技術的な側面が大きいので、自社に技術やリソースがない場合は外部のベンダー企業に協力を依頼しましょう。
データの整理・整形
データを収集・蓄積できたら、得られたデータを分析できるように情報を整理していきます。具体的には、人間が分析をしやすいようにデータの形式や表示を整えたり、関連性のあるデータをまとめたりつなげたりすることです。担当者によって差が大きく現れる作業でもあります。
現代社会の情報量は膨大かつ複雑化しています。そのため情報を整理するスキルが必須となります。整理を間違えるとその後の分析結果も誤ってしまうので要注意です。
そこで、情報や知識を体系的に整理し、因果関係やつながりを正しく分ける「整理学」を学び身につけるほか、専門とするデータエンジニア・データアナリストの力を借りるといった対策が効果的でしょう。
分析・可視化
データを整形できたら、ようやく分析ができるようになります。データの分析とは、収集された情報をもとに相関関係や因果関係を導き、仮説の立案・検証や、情報群を組み合わせて新しい知見を得たりすることを指します。分析方法はさまざまに体系化されていて、目的によって異なる取るべき手法が存在します。分析した結果、常に目標として追いかける指標や、目標に影響を与える要因などをまとめ、一目で確認できるようビジュアル化したレポート化を行うことも重要です。会議の際に常にそれを確認したり、組織全体に共有したりすることによって、意思決定の根拠となり、またさまざまな気付きや仮説が生まれやすくなります。
また、変化の激しい市場や、先の予想が難しい市場を相手にしているビジネスでは、前述した記述的分析でも触れた「帰納的推論」が効果的です。アンケートやインタビュー、売り場視察などからプロトタイプを作り、テストマーケティングを繰り返し行う中で、データの抽出・分析を行うといったやり方です。ほかにも、競合他社を徹底的に調べ上げ自社との差異を分析する方法もあります。市場の変化に取り残されないよう、データを利活用していきましょう。
ビジネスモデルへの展開
データによって裏付けできた主張や、データが導き出した仮説をもとに、事業やプロジェクト、ビジネスモデルへと展開していくことが最終ステップです。データの利活用はここで終了ではなく、新たなビジネスモデルによって得たデータをさらに収集・蓄積・整形・分析し、改善へとつなげていきます。このサイクルは「データドリブン」、マーケティングにおいては「データドリブンマーケティング」、経営においては「データドリブン経営」と呼ばれます。連続性のあるデータ分析と捉えていただければわかりやすいでしょう。
データを利活用できていない企業は、各部門がデータを蓄積する必要性を感じておらず(あるいは企業自体がそのような文化・風土であるために)分析に耐えうるデータが整理されていません。そういった場合、データ利活用の必要性を社内に理解してもらうための取り組みが優先となります。
また、データ分析を行う上では、「それがどのように従業員の役に立つのか」といった観点からもアナウンスしておくと各部門からの協力が得やすくなります。データはセンシティブなものなので、特に個人に関わるデータの提供には抵抗を感じる社員も存在するでしょう。データ利活用の目的やメリットに加え、データ管理の体制についてもしっかりと伝え、関係部門との関係性を築いた上でデータを受領することが重要です。
データ利活用における課題と解決法
データがますます重要性を増す現代において、データ利活用に伴う課題はますます顕在化しています。データの膨大な量や多様性、そしてそれらを正確に解釈・活用するための適切な技術や人材の不足など、さまざまな障壁が存在しています。
ここからはデータ利活用における現在の課題を探り、それらに対処するための解決法について考察します。データの真価を最大限に引き出すためには、どのようなアプローチが必要なのか、実践的な視点から探っていきたいと思います。
データのサイロ化
データのサイロ化とは、組織内で情報やデータが各部門やチームごとに独立して管理・保持され、共有や活用が困難になる状態を指します。データのサイロ化が発生する主な要因には、組織文化の分断、担当者間のコミュニケーション不足、適切なデータ管理システムの不在などが挙げられます。さらに、データアクセス権限の過剰な制限や情報共有への意識不足もサイロ化を助長します。
これにより組織内で情報共有が滞ることで、意思決定の遅延や誤解が生じる他、業務効率や顧客満足度が低下する可能性があります。また、競争力強化や戦略展開において迅速な判断が求められる現代では、サイロ化は致命的な障害となり得ます。
【解決策】
まず、組織全体でのデータの共有と透明性を促進することが重要です。各部門やチームが持つデータの壁を取り払い共有することで、データの重複や不整合を防ぎ、全体最適な意思決定が可能となります。
次に、統合されたデータプラットフォームの導入が効果的です。異なるシステムやデータベースを統合し、ひとつのデータソースから情報を取得できる環境を整備することで、データの一元管理が可能となります。
データガバナンスの確立も重要です。データの品質やセキュリティに関するルールやプロセスを整備し、データの正確性と信頼性を確保することができます。また、データを俯瞰するためのデータダッシュボードや可視化ツールの活用も効果的です。
データの品質管理不足
データの品質管理が不適切な場合、正確な分析や効果的な意思決定が困難になります。データの品質管理は、データの収集から保存、整理、分析に至るまでの過程で重要です。品質の低いデータを元にした分析結果は信頼性に欠け、企業の意思決定に誤りをもたらす可能性があります。したがって、データの品質管理を強化し、正確性や信頼性を確保することが重要です。
【解決策】
まず、データの正確性と信頼性を確保するために、データの収集方法やプロセスを改善し、エラーを減らすことが重要です。また、データの保存や管理においては適切なセキュリティ対策を講じることが欠かせません。
次に、データ品質の評価や監視を行う仕組みを整えることで、問題が発生した際に早期に対処できるようにします。定期的な品質チェックやデータ品質の向上を目指す取り組みを行うことが重要です。
さらに、データ品質に対する意識の向上や教育プログラムの実施も効果的です。組織内でデータ品質の重要性を理解し、従業員が適切なデータ管理を行うための研修やガイドラインを整備することが必要です。また、専門的なデータ品質管理チームを設置し、データ品質向上に取り組む体制を整えることも有効です。
分析リテラシーの欠如
データを適切に理解し活用できる人材が不足しているという現状を踏まえると、分析リテラシーの欠如が深刻な課題であることは明らかです。データは現代社会において非常に重要な役割を果たしており、それを活用できる能力はますます求められています。しかし、十分な分析リテラシーを持つ人材が不足していることは、企業や組織にとっても大きな障害となり得ます。
【解決策】
まず第一に教育とトレーニングの強化が重要です。企業や組織は従業員に対してデータリテラシーを高めるための継続的な教育プログラムを提供することが必要です。データの正確性や信頼性の重要性、データの分析や可視化手法の習得などを含むトレーニングが有効です。
次に、データ利活用の文化を醸成することが重要です。データに基づく意思決定を推進し、データ駆動型の組織文化を築いていきましょう。データリテラシーを向上させるためのツールやリソースの提供、データ分析ツールのトレーニングやデータ可視化プラットフォームなどを導入することで、従業員がデータを活用しやすくなります。
最後に、外部専門家の活用も考慮すべきです。データリテラシーの高い専門家やコンサルタントに助言を求めることで、組織全体のデータ活用能力を向上させることができます。
目的・目標の不明確さ
企業がデータを収集・分析する際、明確なビジネス目標が設定されていないケースが少なくありません。データを活用することで企業が得られるメリットは大きい一方、目的を持たずに取り組むとリソースの無駄遣いや効果の不明確さが生じる可能性があります。どのようなデータを収集すれば良いのか、どのような分析手法を用いれば良いのかが定まらず、効果的な利活用が難しくなり、さらにデータから得られる洞察や予測が組織の意思決定や戦略に十分に活かされない可能性が高まってしまいます。
【解決策】
まず、ビジョンと戦略を策定し、データを利活用する目的や具体的な目標を定めていく必要があります。そのうえで、関係部署やステークホルダーとの協力や情報共有のため、組織内でのコミュニケーション強化が不可欠です。定期的なミーティングや報告体制の整備などを通じて、目的や目標を共有し、進捗状況を把握することで、不明確さを解消することができます。
また、適切なデータ分析ツールや専門知識を持つ人材の活用も重要です。データを分析し活用するためには、適切なツールやスキルが必要となります。組織内にデータサイエンティストや専門家を配置するか、外部の専門家と連携することで、効果的なデータ利活用が可能となります。
さらに、成果を可視化し評価することも重要です。データ利活用の成果や効果を定量的に測定し、目標達成度を把握することで、目的・目標の不明確さを解消し、今後の方針を適切に修正することができます。
適切なツール・インフラの不足
データを適切に活用し、情報を効果的に処理するためには、適切なツールやインフラが不可欠です。しかし、現在の状況では、データの処理や解析に必要な技術基盤が整っておらず、多くの企業や組織が適切なツールやインフラの不足に悩まされています。 たとえば、データの可視化や分析を行うためのソフトウェアやプラットフォーム、高速で大容量のデータを処理するためのインフラなどが不足していると、データの有効活用が妨げられることがあります。また、セキュリティやデータの保護に関する面においても、企業の重要な情報が漏洩するリスクが高まる可能性もあります。
【解決策】
データ処理の効率向上に向けた取り組みの一環として、クラウド技術が注目を浴びています。クラウドを活用することで、適切なツールやインフラの不足を解決し、データの柔軟な管理が可能となります。
また、ビッグデータ処理ツールもデータ利活用の重要な要素です。膨大なデータ量を迅速かつ正確に処理する能力が求められており、ビッグデータ処理ツールはその課題に対応します。データ分析や可視化のニーズも高まる中、使いやすいビッグデータツールの採用が進んでいます。
さらに、AI(人工知能)の活用もデータ活用効率を向上させる鍵となっています。AI技術を組み込むことで、データ解析や予測分析を自動化し、生産性向上や意思決定の根拠強化が図られます。機械学習アルゴリズムによって得られる洞察は戦略策定において有益な情報源となります。
データ利活用がうまくいくポイント
データは現代社会において重要な資源と位置付けられていますが、その有効な活用は容易なことではありません。次はデータの有効な利活用がうまくいくポイントに焦点を当て、成功への道筋を探ります。
全社的なデータ文化の醸成
データを活用し、意思決定や業務改善に役立てることは、組織全体の効率性向上につながります。データに基づいた判断は、客観的かつ的確な方針を立てることができるため、より効果的なビジネス展開が可能となります。データ文化を醸成することで、従業員間の情報共有や協力体制の強化も期待できます。全社的なデータ文化の浸透は、組織の競争力強化にもつながるでしょう。
一例として、ワークマンの「Excel経営」があげられます。全社員がExcelを使い、企業が置かれている状態や、自分の所属店舗の状態を数字で把握できるようになりました。数字によるデータは、情報共有の円滑化において障害となる、社員のプライドや好き嫌い、嫉妬といった余計な感情が入る余地はなくなります。そのため問題点や改善点が一目瞭然なのです。
ワークマンによるEXCEL経営は、基本レベルのITスキルで、カバーできるものであるため、どの企業でも導入しやすい手法です。しかし、入力した数字が間違っていた場合、操作されていた場合、EXCELが出してくる解もどんどんズレてしまいます。そのため、最終的には数字の意味を解釈できる経営者の目視が必要です。AIではまだ最終的な判断ができる状態にありません。処理速度が速いため間違いも速いスピードで増幅してしまう恐れがあります。最後は今でも人の目による確認と判断が不可欠です。数字を基本とした経営は、アナログによる監視がしっかりと行われることで、透明性・心理的安全性の高い経営の実現につながります。
スモールスタートと迅速な改善
まずは小さなステップから始め、データを活用するプロセスを着実に進めていくことが大切です。そして、その過程で得られたフィードバックや成果を元に、素早く改善を行うことが成功への鍵となります。データを活用する際には、計画を立てて段階を踏んで進めることが有効です。具体的な目標やKPIを設定し、それに基づいてデータを収集・分析し、行動に移すことで成果を上げることができます。また、チーム全体での共有や意思疎通も重要です。
経営層のコミットメント
データ利活用には経営層のコミットメントが欠かせません。経営層がデータ活用の重要性を認識し、積極的にその推進を行うことが、組織全体のデータ活用文化を確立する鍵となります。経営層がデータ活用に対するビジョンを示し、リーダーシップを発揮することで、社内の関係者もその重要性を理解し、協力して取り組むことが可能となります。
経営層がデータ利活用にコミットすることで、組織全体がデータを活用し、意思決定や戦略策定に活かすことができます。データに基づいた意思決定はより客観的で効果的なものとなり、競争力の強化につながるでしょう。経営層のコミットメントがデータ活用に注がれることで、組織はより迅速かつ正確な意思決定を行い、市場の変化にも柔軟に対応することが可能となります。
KPI(重要業績評価指標)の設定と情報共有の透明性
KPIを設定することにより企業は目指すべき成果や進捗状況を明確にし、データ分析の焦点を絞り込むことができます。具体的な目標を持つことで、データ収集や分析のプロセスが組織全体で一貫性を生み、効率的に進められます。
また、最近GAFAMのリーダーたちによって「コンストラクタル」という考え方が、提唱されるようになりました。コンストラクタルとは、「川と海が交わるとき、もっとも流れやすいコースを取るといったように、企業の中の情報も最も滑らかに流れることが望ましい」という考え方です。このような滞りのないスムーズな情報共有は、企業内外の透明性を高め、信頼の獲得、意思決定の効率化、イノベーション促進といったメリットにつながります。
そのため、KPIの透明性を高めることで、組織内の共通理解を促し、意思決定の根拠を明確にします。そのうえで、目標達成に向けた協力体制が整い部門間のサイロ化を防ぎます。さらに、データ分析の結果や進捗に対する信頼性が向上し、迅速かつ的確な意思決定を支える基盤となります。KPIの設定と透明性は、データの利活用を最大限に引き出すための鍵となるでしょう。
データ利活用の改革事例
すでに多くの企業がデータの利活用を進めています。決してIT企業だけではなく、メーカーや食品メーカー、飲食業などさまざまです。ここからは具体的な企業事例を4つ紹介します。
スシロー
回転寿司で有名な株式会社あきんどスシローはシステム化に対して非常に積極的です。現場の勘や経験を蔑ろにせず、逆にそれらの感覚をシステム化しようと試みている点が特徴的です。
回転寿司チェーン「スシロー」は他チェーンと比べるとレーンに流す寿司の量が圧倒的に多く、廃棄となってしまう寿司の量を削減することが大きなビジネス課題となっていたといいます。そのため、まったく手をつけていなかった40億件にものぼる寿司の売上データを活用し、流す商品の種類をコントロールすることで、年間に億単位のコスト削減を行っています。その他、データは売上分析や新商品開発にも使われており、データを利活用した好例といえるでしょう。
富士通
富士通は、農業経営を支援する「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウドAkisai」というクラウドサービスの提供を2012年に開始しました。農作物の栽培や施設園芸、畜産業務における生産活動や経営を支援するためのアプリケーションを、農業生産者やJA、大手の流通業者や自治体などに提供しています。利活用するデータは作業実績や栽培状況、栽培環境や気象データなどです。これらを活用して温室のコントロールなどにつなげ、サービス利用者のコストの削減を実現しています。
ダイドードリンコ
コーヒー飲料を主力商品とする飲料メーカー、ダイドードリンコでは、データの利活用によって、自動販売機でドリンクを販売する際の商品サンプルの配置を決めています。ここで利用するのは「アイトラッキング・データ」です。これは、人が商品を購入する際に「どこを見るか」をデータ化したもので、これまで飲料業界では常識とされていたZ型の配列(左上から右下に視線が動く配列)を改める結果となりました。実際に自社データを利活用した陳列を行うことで売上も増加しています。
大阪ガス
関西圏のガス会社である大阪ガスでは分析力を強みとしてビジネスに貢献する専門部署である「ビジネスアナリシスセンター」を設置し、データ分析によるソリューションを社内に提案し導入するミッションを持たせることで、業務プロセスの改善につなげています。業務用車両の待機拠点をGPSデータから選定することでユーザーの利便性を上げるなど、実際に大きな効果を上げています。
野村証券
野村証券は、景況感指数調査にAIとSNSを活用しています。具体的には、X(旧Twitter) APIを利用してポストの内容を指数化しました。これは抽出AIがSNSの投稿データから情報を抽出し、評価AIが景況感を評価する仕組みです。
この取り組みにより、同社は調査コストの大幅な削減と、迅速な情報発信に成功しただけでなく、さらに月間15,000件ものサンプルデータの収集も実現しています。
ワークマン
前述でもご紹介しましたが、元々作業服を扱っていたアパレル企業であるワークマンは、2024年3月期決算ではフランチャイズを併せて1752億円の売り上げを叩き出した今注目の企業です。ワークマンは、「Excel経営」によって、コンストラクタルのように円滑な情報共有を実現させ、透明性を確保してきました。全社員がExcelを活用し、企業全体の状態や自分の所属している店舗の状態を数字で把握しています。
心理的安全性からみて、数字を示すことによって、上司やほかの社員の気持ちを考えることや忖度をする必要がなくなります。土台が数字であるデータを全社員に共有し透明性を高めることで、顧客ニーズに対して機敏に対応できるうえ、心理的安全性が確保された職場を実現しました。ワークマンが驚くほど短期間に店舗を1000以上にまで増やしたことは、コンストラクタルのような情報共有がもたらした結果といえるでしょう。
まとめ
社内にすでにあるデータを利活用することで、企業のビジネスの成長に役立てることができます。しかし、データの利活用の経験のない企業の場合、収集の時点でつまずいてしまう場合があります。ソフィアではデータの利活用の支援も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
関連サービス
関連事例
よくある質問
- DXとは何ですか?
デジタルトランスフォーメーションとは、最先端のデジタルテクノロジーを使ってビジネスモデルや業務の在り方などを大きく変えることです。
新技術を利用して既存の製品やサービスに付加価値をつける単純な「デジタル化」ではなく、社会の構造を根本から変えることを目指しているので、「デジタルトランスフォーメーション」と呼ばれています。

株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。
株式会社ソフィア
先生

ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。