2020.12.24

2000年代の日本企業を取り巻く環境変化と、ソフィアの歩み

ソフィアは2021年2月5日で創立から満20年を迎えます。ゼロ年代にはまだ日本に定着していなかった「インターナルコミュニケーション」という言葉も、今ではその重要性が広く認知され、詳しい説明がなくとも通じる言葉となりました。
企業と働く人々を取り巻く環境が急速に変化したこの20年、日本企業に大きな影響を与えたできごととともに、ソフィアの歩みを振り返ってみます。

20年の年表

● 2001~2004年

日本企業の注力市場は国内から海外へ。「ブランド価値向上」が鍵

ITバブル崩壊後の不況に突入したこの時期、小泉内閣による規制緩和の一環で2003年に労働者派遣法が改正され、製造業および医療業務への派遣が解禁。派遣期間も無制限となり、正社員と派遣社員で構成される職場が一般的になりました。一方で、円安や日銀の量的緩和政策によって輸出産業は好調に。内需が停滞する中、BRICsに代表される新興国の急激な成長も背景に、企業は海外市場や海外投資家を重視。コミュニケーションの分野では「ブランディング」がキーワードになった時期でした。

ソフィアの活動

ソフィアの前身となる「ブランドキャピタル」「サイドバーンシステムデザイン」設立。企業のブランド価値向上をテーマに、PR、IR、ER、SRといった全方向のコミュニケーション支援を開始。2003年にはNEC(日本電気株式会社)の参加型環境コンテンツ「ecotonoha」を企画し国内外の主要な広告賞(カンヌ国際広告賞サイバーライオン:日本初)を受賞し、2004年には『コーポレート・コミュニケーション・デザイン入門』を出版して優良企業のコミュニケーション戦略を紹介しました。この時期は企業のIRサイト並びにIRコンサルティングを中心に事業展開し、上場支援コンサルティングや社内報の企画制作を手掛けました。

● 2005~2007年

「企業の社会的責任」に注目。企業におけるWEBの重要性も高まる

会社法の施行によって企業経営の透明性や社会的責任がより重視されるようになり、上場企業における株主の影響力が高まったことで、IRやCSRコミュニケーションを強化する企業が増えました。日本でのインターネットの人口普及率が70%を超えて、企業コミュニケーションにおいてもWebの比重が増していきます。また、個人情報保護法の施行、証券取引法違反による企業不祥事などにより、企業のコンプライアンスへの意識が高まった時期でもありました。

ソフィアの活動

「ブランドキャピタル」「サイドバーン」が合流して新体制の「ソフィア」が発足。ブランディング案件を多く手掛ける一方で、新規事業としてBtoCのポッドキャスト事業を開始し、音声を使ったさまざまな学習コンテンツを発信しました。
やがて「コンサルティング」「メディア&コンテンツ」「システム構築」などコミュニケーションに特化した事業形態に変化し、2007年頃からは「 Employee Relations(従業員との関係構築)」を事業の中心に。「社員ペルソナ」「Emotional Experience Design」といった新しいフレームワークを考案しインターナルコミュニケーション支援のサービスを提供開始しました。

● 2008~2009年

世界的な経済危機と、SNS・スマートフォン時代の幕開け

2008年のリーマン・ショックとそれに続く世界的な経済危機の影響から雇用の縮小や企業経費削減が進み、とくに大企業において従業員の不安解消やモチベーション向上、生産性向上に向けたインターナルコミュニケーションの重要性が認識され始めます。iPhoneの発売や、Facebook、Twitterの日本語によるサービス開始などでSNS普及が加速した背景もあり、紙メディアを縮小または廃止してWeb社内報や社内SNSを導入する企業が続出しました。

ソフィアの活動

Employee Relations事業において、社員ペルソナサービスや社内報制作支援サービスが好調。大手企業のインターナルコミュニケーション案件が複数スタートしました。また、社内SNS導入支援サービスや、理念・ビジョン・行動指針の策定サービスを提供を開始。ソフィア社内においてはリモートワークプロジェクトを始動。仕事と家庭の両立にも力を入れ、2009年に厚生労働省の「子育てサポート企業」認定(くるみん認定)を受けました。また、2009年からは新たに農業事業を開始しましたが、その後政権交代による農業政策転換の影響で撤退を余儀なくされました。

● 2010~2012年

不安定な世界経済と中国の台頭、デジタルワークプレイスの萌芽

急成長する中国のGDPが2010年には日本を抜いて世界2位に。リーマン・ショックや欧州の経済危機を背景に、不安定な欧米の市場から、中国に市場を広げる企業が増加し、現地企業の買収や合併による日系企業の本格的グローバル化が加速しました。2011年には東日本大震災が発生した影響で日本経済は停滞。多くの企業が厳しい局面を迎えます。一方で、Microsoft Office365(現 Microsoft365)発売、LINEのサービス開始など、その後のクラウド台頭につながる動きが出始めたのもこの時期でした。

ソフィアの活動

大手企業のインターナルコミュニケーションコンサルティングプロジェクトを複数手掛けつつ、独自のコミュニケーション調査プログラム(PCF)の提供も開始。大手企業のグローバル理念浸透プロジェクトがスタート、グローバル案件が増加しました。また、社内ポータルシステム「eureka!nets」の提供開始、中国事業の立ち上げ(2013年に撤退)など新規サービスを積極的に展開。一方、研修事業が本格スタートし、メディアやシステムを介さない対面のインターナルコミュニケーションへと進出。2012年には平井による事業構想大学院大学での講義もスタートしました。

● 2013~2014年

日本経済は回復基調。その陰で「働き方」の問題が浮上

アベノミクスの金融緩和により急速な円安・株高となったことを受けて、企業では設備投資が回復傾向となります。一方、消費税アップで個人消費は鈍化し、「ブラック企業」が流行語となるなど働く人には厳しい状況が続きます。2014年には過労死等防止対策推進法が制定され、労働安全衛生法の改正で一定規模以上の事業所にはストレスチェックが義務化されるなど、「働き方」の問題が注目されました。

ソフィアの活動

調査・コンサルティング・メディア/コンテンツ・システム・研修など、社員接点を複合的に掛け合わせて、社員の体験(Employee Experience)に着目したサービスや、マーケティング変革を起点とした組織変革サービスの提供を開始しました。また、デジタル・ワークプレイスの広がりを受けてMicrosoft SharePointを活用した社内ポータルサイトなど、Office365を活用したコミュニケーション基盤構築のサービスを提供開始。
東京都市大学 岡部研究室×実践女子大学 松下研究室の共同プロジェクトとして大学生に向けた「実験的インターンシップ」の取り組みを実施したほか、『実践ペルソナ・マーケティング』(日本経済新聞出版社)において、インターナルコミュニケーションにおける社員ペルソナ活用の事例を廣田・森口が執筆するなど、多角的な活動を展開しました。

● 2015~2017年

サステナブルな社会の実現に向けた、国や企業の動きが加速

欧州の経済危機や米国のマイナス金利解除、イギリスのEU離脱決定、中国経済の失速、そして米トランプ政権誕生など、世界経済が大きく揺れ動いた時期でした。一方、2015年には国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されてSDGsの取り組みがスタートし、気候変動問題に関する「パリ協定」も締結。日本では少子高齢化による働き手不足の問題が深刻化する中、女性活躍推進法が成立し、企業の存続に向けた人材の多様性の大切さが認識され始めます。将来の不確実性が増す中、企業のコミュニケーションにおいては「サステナビリティ」「ダイバーシティ&インクルージョン」が重要テーマとなりました。

ソフィアの活動

2015年にデンマークのEFI社とOffice365用のラーニングマネジメントシステム「LMS365」の代理店契約を交わし、日本での販売をスタートしました。2016年には、Engagement ,Change management, Customer value, Communication platformの4つを事業のドメインに定め、調査・コンサルティングコンテンツ研修サービスなどを複合的に提供しました。この時期に組織風土変革サービスの提供が本格化し、組織風土改革と人事制度改革を組み合わせたサービスの提供も開始。2017年には宣伝会議『社内報作成講座』がスタートし、現在も廣井が講師の1人を務めています。また同年、総務省による「テレワーク先駆者」にソフィアが選ばれました

● 2018-2019年

デジタルトランスフォーメーションの波と働き方改革元年

2018年に働き方改革関連法案が成立、また経産省による「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」が発表され、企業の生産性向上やデジタル活用による働き方改革が急務となります。企業のグローバル化や女性の活躍推進、「働き方」への意識の変化などにより、働く人のダイバーシティが広がる一方でコミュニケーションのギャップも拡大。DXの実現や働き方改革、SDGs推進などに向けた組織風土変革や、デジタルツールを活用したコミュニケーション改革を課題とする企業が増えていきます。

ソフィアの活動

2014年から支援してきた西武ホールディングスのグループビジョン浸透のプロジェクトが「PRアワードグランプリ2018」においてシルバーを受賞。また、企業のDXの取り組みが活発化する中、Office365(Microsoft365)のSharePointOnline、Yammerなどを組み合わせたデジタルインターナルコミュニケーションサービスIT×コミュニケーションリテラシー研修のサービスを多数手がけました。2019年に出版された『人を活かし組織を変える インターナル・コミュニケーション経営-経営と広報の新潮流』(経団連出版)第1章第3節と第5章の執筆を池田が担当するなど、研究活動も拡大。新規事業として、演劇の手法や対話型組織開発の考え方を取り入れたワークショップ「REVERSE」や「インプロワークショップ」を展開しました。

● 2020年

コロナショック、在宅勤務の急速な拡大

2020年のはじめから新型コロナウイルスの流行が拡大し、日本では4月~5月に緊急事態宣言が出されました。世界各地で感染拡大防止に向けたロックダウン(都市封鎖)が行われ、企業活動にも大きな打撃を与えました。また、在宅勤務の急速な拡大により、Web会議やビジネスチャットなどデジタルコミュニケーションツールの利用が広がり、企業のDX推進の動きは一層加速しています。一方、新型コロナウイルスの流行によって、国際的な危機対応における各国・地域と企業等の相互影響があきらかになり、あらためてSDGsへの取り組みやサステナブル経営の重要性が注目された年でもありました。

ソフィアの活動

サステナブル経営を支援する子会社「ソフィアサーキュラーデザイン」を設立し、新たにSDGsブランドコンサルを開始。一方、IABCJapanチャプターの理事長に築地が就任し、池田も引き続き理事を務め、ビジネスコミュニケーションに関する海外とのネットワーク構築や情報発信に取り組んでいます。また、Great Place to Work(R) Institute Japanが主催「働きがいのある会社」ランキング 小規模部門で、ベストカンパニーに選出されました。新たな動きとしては、企業向けの組織風土改革支援などで培ったノウハウを生かして教育分野における伴走支援の活動を開始。各地の教育委員会と連携し、高等学校における「探究」の導入支援などを行っています。

20年の実績(主要取引先)

ソフィアでは、国内大手企業を中心に教育機関や社団法人などさまざまな組織のインターナルコミュニケーションを支援してきました。お取引いただいた組織の一部をご紹介します(50音順)。

株式会社アイセイ薬局 / 株式会社朝日学生新聞社 / 味の素株式会社 / 株式会社ADEKA / 出光興産株式会社 / 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) / 株式会社エイチ・アイ・エス / エコラボ合同会社 / エディー・バウアー・ジャパン株式会社 / NECソリューションイノベータ株式会社 / NHK / 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ / MSD株式会社 / オーエスエレクトロニクス株式会社 / 株式会社オートバックスセブン / カシオ計算機株式会社 / キヤノンマーケティングジャパン株式会社 / キユーピー株式会社 / キリンホールディングス株式会社 / サッポロホールディングス株式会社 / 三機工業株式会社 / 株式会社CACクロア / 昭和電工株式会社 / ジョンソンコントロールズ株式会社 / 株式会社西武ホールディングス / セガサミーホールディングス株式会社 / ソフトバンク株式会社 / 株式会社ダイセル / 大日精化工業株式会社 / 田辺三菱製薬株式会社 / TIS株式会社 / テルモ株式会社 / 東京海上ホールディングス株式会社 / 西松建設株式会社 / 株式会社ニチレイフーズ / 日本たばこ産業株式会社 / 一般社団法人 年金綜合研究所 / バイエルホールディング株式会社 / 株式会社白洋舍 / 富士ゼロックス株式会社 / プルデンシャル生命保険株式会社 / 株式会社ミスミグループ本社 / 三井物産株式会社 / 三井不動産株式会社 / 三井不動産ビルマネジメント株式会社 / 三井不動産ファシリティーズ株式会社 / 株式会社ヤオコー / 国立大学法人 山形大学 / ライオン株式会社 / YKKAP株式会社 ほか

20年を振り返って-代表よりご挨拶-

代表取締役社長 廣田拓也 これまで多くの取引先の皆様に支えられ、お客様と一緒に未知の課題に向かい合い、実験を繰り返しながらここまで歩んできました。

上の年表からもわかるように、この20年、企業を取り巻く状況はめまぐるしく変化し、主要な経営テーマも変化し続けています。そして変化に対して素早く適切に対応していくために、企業におけるインターナルコミュニケーションの重要性は一層増してきています。インターナルコミュニケーションは、一見、時間や手間がかかる割に業績には直結しない、重要度の低い取り組みに見えるかもしれません。しかし、これまで私たちがさまざまな企業の支援をする中で確信しているのは、より綿密なコミュニケーションで現場の社員やチームが最大限に能力を発揮して活躍できる環境をつくることが、企業の持続性や価値向上の鍵となるということです。

私たちは今後もお客様の伴走者としてともに課題解決に取り組み、「人と組織を元気に」していきます。

代表取締役社長 廣田 拓也

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