読まれる社内報のデザインとレイアウトのコツは?

「せっかく労力をかけて社内報を作っているのに、あまり読まれていないのかもしれない…」。報われない担当者の労力と心情はさることながら、コストのかかる部分ですので、せっかく作るのであれば、読まれる社内報を作りたいものです。
本記事では、事例を交えながらそのコツを解説していきます。
※本記事での社内報は、紙とWebの両方を想定しています。

社内報の目的とは?

社内報における目的は、「情報共有」「ビジョン浸透」「帰属意識の向上」「業務のサポート」など、幅が広くさまざまです。しかし、目的達成のため、それに関連する情報を載せた社内報を制作したところで、社員が見なければ意味がありません。
見られない社内報の根本原因はユーザー目線がインサイトがデザインに組み込まれていな場合がほどんどです。華美なデザインを施し奇麗でかっこよい印象のものを制作したとしても、「なぜこんなに社内報に投資しているんだ」と思われてしまう可能性もあります。

では、どうしたら社員に見てもらえる社内報を制作し、目的を果たせるのか、詳しく見ていきます。

ユーザーの心をつかむためのペルソナ設定

まず、ユーザーである社員が、どのような心境で、どのようなコンテンツやデザインを求めているのかを考慮する必要があります。

そこで有効なのが、ペルソナの設定です。ビジネスにおけるペルソナとは、マーケティング領域で生まれたものであり、サービスや商品を利用する典型的なユーザー像のことです。実際にペルソナどおりの人物が存在していると想定し、デモグラフィック(人口統計学的)な分類である性別や年齢、居住地や年収に加えて、サイコグラフィック(心理学的)な側面の性格や価値観、ライフスタイルなどを加えて架空の人物を作り上げたものです。
「この人はきっとこのような生活をしているから、こういった商品を求めているはず」「こういった広告に反応するはず」と、このようにぺルソナを設定することで、商品企画や販促企画の具体的なアイディアが出やすくなります。
この考え方を、社内コミュニケーションや人事の領域に応用したものが社員ペルソナです。自社で働く社員を設定することで、従業員の心理的な要素を具体化することができます。これに基づいたコミュニケーション施策を立てることで、従業員に伝わりやすいメッセージを発信でき、自社への理解や共感、納得感を得られます。また社員の主体的な行動を促進する材料にもなります。

さらに、ロールモデルとなる架空の人物である「モデルペルソナ」によって、目の前の業務に縛られている社員に対して、企業が求める人物像を明確にすることができます。彼らの視野を広げるだけでなく、意識改革やモチベーションの向上にも繋げることができます。

「キラキラ社員の優秀事例」が社員の社内報離れを生んだ事例

ここ10年くらいのトレンドとして、「成功事例」や「優秀事例紹介」といったコンテンツは、関係者や周囲の人々が閲覧しているだけで、実際の社員の閲覧数やページビューはあまり高くありません。事例として、下記のようなことがありました。
Web社内報のログ解析やコンテンツの更新頻度を高めると、閲覧数(PV)は、「増える」か「伸び悩み変化しない」という傾向にあります。しかし、ある会社では、更新頻度は上がっているに訪問数が減少するという事象が発生しました。政策を立てる会社ではないソフィアがログ解析をしても、原因を特定することができませんでした。
そこで、6人の社員に社内報についてのインタビューをしたところ、「実際は違う」という結論にたどり着きました。経営者視点の編集方針は行き過ぎていて、変革やイノベーションを促すような内容であり、優秀事例の選出は一部の人間に限定されていました。大多数の社員はルーティン業務が多く、全く違う状況に置かれていたのです。そのため、優秀事例を見るたびに、挑戦する意欲よりも諦めを感じることが増え、見るのが辛く感じてしまったのだそうです。

「写真が語る健康経営」からわかる裏話の重要性

インターナルコミュニケーションにおける社内報やWeb社内報のコミュニケーションコンテンツは、企業が掲げる経営方針である「DX」「サスティナブル」「イノベーション」「人的資本」「健康経営」といった内容を、コンテンツとして強く打ち出しています。具体的な取り組み事例や成功事例は、社員の写真とテキストで表現されたり、インタビュー動画で紹介されたりしています。これらの情報は、冊子や社内ポータルを通じて社員に伝えられています。

しかし、社内広報の担当者は、配信する記事が社員にどれくらいクリックされ、閲覧されているかを知るため、アンケートやログ解析を利用して効果を測定しています。改善を目的とする数値分析の側面もありますが、自分や自分のチームが作成したコンテンツが実際に閲覧されているかという点も、制作者側としては気になる点です。
ここ10年くらいのトレンドとして、「成功事例」や「優秀事例紹介」といったコンテンツは、関係者や周囲の人々が閲覧しているだけで、実際の社員の閲覧数やページビューはあまり高くありません。逆に、「失敗体験」や「成功事例の裏話」などのコンテンツの方が、社員の閲覧率は高い傾向にあります。

事例として、ある会社で制作された「健康経営」に関する記事で、社員が自ら取り組んでいる食事、運動、休憩などを紹介するコンテンツ企画がありました。その中で、中堅社員が急性の大病を患い休職した自身のエピソードが掲載されました。記事に添えられた画像は、病院服を着てベッドに横たわり、呼吸器をつけ、苦しいながらピースをしている写真でした。その写真はご家族が撮った写真だったとのことです。
このコンテンツは、なんとトップメッセージよりも早く、ほぼ9割の社員に閲覧されていました。

社内報のデザインやレイアウトで大事なこと

社内報のデザインやレイアウトには、守るべきセオリーがあります。

ターゲットと目的にあっていなくては意味がない

前述した通り、前提として、社内報には「誰に読んでもらいたいのか」というターゲットの設定が必要です。若手社員向けなのか、中堅以上の社員向けなのか。オフィスで働く人向けなのか、工場や店舗などの現場で働く人向けなのかによっても、読者にフィットする表現は大きく変わってきます。これらを踏まえたうえでコンテンツを考える必要があります。

例えばマネジャー層に向けたものであれば内容が最優先なため、文字が多めのシンプルなデザインでもよいかもしれません。しかし、現場社員が読むとなると、まずは興味を持ってもらい、読んでもらうことが第一目的なので、イラストや図、写真などを多く使い、デザインやレイアウトを工夫して、目を引きやすいものにする必要があるでしょう。

万人受けを狙った無難なデザインにしてしまうと、誰にも見てもらえない可能性があります。社内報のターゲット読者となる社員は、どんな情報を必要とし、何に関心を持っているでしょうか。また社内報を読んだ読者が「何を想い、どう感じてほしいのか」までを考慮したうえで、まず、人物像をイメージしてみてください。

ブランドイメージを守ること

自社のブランドは社内の人間が体現し、形作っていくものです。社員の発言や行動を社外に向けたブランディングにつなげるためには、まずは社員に向けたブランディング活動、すなわちインターナルブランディングが必要です。社内報もインターナルブランディングの一環で、自社のブランドを社員に浸透、定着させるための重要なツールのひとつです。

特にコンシューマー向け商品を扱う大企業であれば、社員も社員の家族も大事な顧客であり、彼らが目にする社内報は彼らの会社への愛着度を左右します。すなわち、社外向けのマーケティングツールと同様のクオリティで作り込むことが、ブランディングのために重要ということです。会社が売りにしているものに関して、決して手抜きをしてはなりません。それは社内報も同様です。

例えば独創的なアイディアやクリエイティブが売りの会社なら、それを社内報にも発揮しましょう。社内報らしさをあえて捨てて、ひねった表現や斬新なデザインを盛り込んでも良いでしょう。それこそ社内報ではなく、一般の雑誌などからアイディアを得てもいいでしょう。

社内報は、必ずしもキレイなデザインである必要はない

社内報のように大勢の人の目に触れるものを作るとき、ほとんどの人が見映えのよく美しいものが良いものと思いがちです。しかし、目的や役割に合っていて、ターゲットに合致した内容であれば、必ずしもキレイなデザインではなくともターゲットの社員や経営層にはきちんと読んでもらえます。

それらの要素を満たしていれば紙面はモノクロでも構いませんし、WordやExcel、PowerPointで手作りしたものでもまったく問題ありません。逆に、どんなに見た目が綺麗で立派な社内報でも内容が読者の興味・関心からかけ離れていて、役に立たないものであれば、読者には「費用の無駄遣い」というマイナスイメージしか残さないかもしれません。

これは文章面においても同様で、プロのライターのような丁寧で正確な日本語でなくてもよい場合があります。
もちろん、冊子全体で統一感のあるブランドイメージを訴求するなどの目的があれば、すべての記事のクオリティを一定レベルまで上げ、表記ルールなどにも気を配る必要があるでしょう。

しかし、例えばWeb社内報上で「現場の社員が情報発信する」ことが目的の記事であれば、よっぽど読み辛くなければ多少文章が拙くても問題ありません。そのほうが、現場の雰囲気や社員の個性を出すために適しているからです。堅苦しくないカジュアルな文章には読者の親しみもわくでしょう。
重要なのはリアリティです。リアリティによって共感を促すことで、社員の興味・関心を引き読者の心をつかむのです。


また、「現場社員」をターゲットに「経営情報」を届けるとしたら、メッセージは極限まで絞り込んでシンプルにすべきです。現場社員に経営情報に興味を持ってもらうためには、まずは読んでもらうことが最初の目標となります。伝え方にも工夫し、あまりにも堅い文体や難解な表現は避けたほうが無難です。

このように、誰に読んでほしいのかを考えながら、ターゲットに合った表現を心がけましょう

社内報のデザインテンプレートおすすめ

Canva

Canvaはオーストラリア発の画像デザインソフトです。無料プランと有料プランがありますが、無料プランでも十分に利用することができるので、非常に人気のソフトです。
Canvaはオンライン環境のWebブラウザ上やアプリ上で利用でき、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでも使用可能です。 61万点以上のテンプレートと1億点以上の素材があり、ドラッグ&ドロップの簡単操作で様々なデザインを作成することができます。ブログのトップ画像やSNSのサムネイルなど、簡易的なデザインであればプロのデザイナーに依頼する必要がありません。さらに、Canvaプリントと呼ばれる印刷サービスも提供されており、作成したデザインを数クリックで印刷注文することもできます。

bookuma

Bookumaは、主に書籍や雑誌、パンフレットなど、印刷物のデザインを効率的に行うことができます。作業を迅速化し、一貫性のあるデザインを実現するのに役立ちます。レイアウト、フォント、色彩、画像配置などが事前に設定されており、利用者が必要なテキストや画像を簡単に差し替えることで、素早く魅力的な印刷物を作成することができます。また、使いやすいインターフェースやカスタマイズの自由度が高い点も、bookumaを利用するメリットの一つです。さまざまな業種や目的に合わせたデザインテンプレートが用意されており、社内報のデザインにお悩みの方におすすめのサービスと言えます。

パワポン

アスクルのパワポンは、チラシやパンフレットなどのデザイン作成に便利なツールであり、パワーポイントを使い、簡単に魅力的なデザインを作成することができます。さまざまなテンプレートが用意されており、イベントやセール、求人募集など、さまざまなシーンに合わせたデザインを選べます。
テンプレートはカテゴリごとに分類されており、飲食店や小売業など、さまざまな業種に対応しています。 選んだものをダウンロードすると、それをパワーポイントで編集することができます。テンプレートにはイメージやテキストボックスが配置されており、自分の情報や写真を追加するだけで簡単にオリジナルのデザインが完成します。また、フォントや色、レイアウトなども自由に変更することができます。
また、デザインテンプレートは全て無料で利用することができますので、予算を気にせずに多くのデザインを試すことができます。 作成したデザインは、自分のプリンターでも印刷可能ですが、アスクルのパプリで注文することもできるため、プロの印刷物として仕上げることも可能です。

Microsoft Office テンプレート

Microsoft Officeは、多くの人々がビジネスや個人の目的で利用しているオフィスソフトウェアです。その中のテンプレートは、プレゼンテーション、文書、スプレッドシートなどの作成を効率的に行うことができます。 テンプレートは、デザインやフォーマットがあらかじめ設定されており、ユーザーはそれを利用して自分のコンテンツを追加するだけで、簡単かつ迅速に文書を作成できます。
ビジネス関連の書類からイベントの招待状まで、幅広い用途に対応しており、自分でカスタムテンプレートを作成することも可能です。自分の好みやブランドイメージに合わせて、独自のデザインやレイアウトを作成し、保存して再利用することもできます。

ただし、直接的な商用利用(小説や雑誌などへの利用)や間接的な商用利用(説明書やルールブックの補助ファイルとしての利用)をする場合、Microsoftの利用規約に違反しないように注意する必要があります。具体的な規約については、マイクロソフトの公式ウェブサイトや利用規約を確認することをおすすめします。

真似できる企画ネタ

社内報に掲載する企画内容として、真似しやすく、社員の興味をひきやすいものをいくつがご紹介します。

新入社員自己紹介

新入社員が自己紹介を行うことで、他の社員との親睦を深めるだけでなく、組織全体の一員としての認識や溶け込みを促進する効果があります。一般的に、社内報による新入社員の自己紹介記事では、以下のポイントを含めることが有効です。

まず「新入社員の基本情報や経歴」を簡潔に紹介します。氏名、出身地、学歴、前職などが含まれます。次に「入社動機や期待、将来のビジョン」など、新入社員の志向や抱負を示す部分を盛り込みます。また「趣味や特技、興味のある分野」など、個人的な面を紹介することで、他の社員との共通点や交流のきっかけを作ることができます。さらに「新入社員が担当する業務やチーム」についても触れることで、読者が今後の活躍に期待を寄せるような演出ができます。
自己紹介記事は、新入社員が自身の個性や魅力を表現する機会であるため、内容はその人物らしさが反映されるよう工夫されると良いでしょう。これにより、組織内でのつながりを深め、活気あるコミュニケーションを促進する役割を果たします。

座談会

座談会では、複数の社員や関係者が集まり、特定のトピックやテーマについて活発な議論や意見交換を行います。参加者はそれぞれの立場や視点から議題に対し意見を述べることで、情報共有や新たな発見を促す役割を果たします。内容は、企業のビジョンや価値観、業務プロセスの改善に関する議論、社内イベントや取り組みに対するフィードバックなど多岐にわたります。
企業内の意見や声を広く共有する手段として活用される社内報を通じて、座談会に参加する社員の声から、組織全体の意見や課題を把握し、より良い職場環境や業務改善につなげることができます。

社員に人気の社食メニューやランチや店舗紹介

社員に人気の社食メニューやランチ、店舗紹介などを取り上げる企画は、社員の満足度を高めるだけでなく、コミュニケーション促進にも役立ちます。社食メニューの紹介では、社員が日々楽しみにしている食事に関する情報を提供することで、職場環境の良さや社員の健康面への配慮を伝えることができます。
新しい店舗やランチスポットの紹介を通じて、社員同士が新しい共通の話題を持つことができるため、チームビルディングやコラボレーションの機会を創出し、社員のモチベーション向上や職場雰囲気の活性化にもつながります。

社員アンケート集計結果

社員アンケートの集計結果は、社内の雰囲気や課題を客観的に把握するための重要なデータとなります。社員からの率直な意見やフィードバックを集計し、それを社内報に掲載することで、組織全体の認識を共有し、改善点や課題について意識を高めることができます。また、組織として社員の声に耳を傾けている姿勢を示すことができ、組織への参加意識やモチベーションを高める効果もあります。

アンケート結果を掲載する際には、結果だけでなく、その背景や具体的な意見も併せて公開することが重要です。透明性を保ち、従業員に対して情報を隠すことなく、オープンな情報を掲載する必要があります。さらに、アンケート結果を受けて具体的な改善策や取り組みを示すことで、社員の満足度向上やエンゲージメントの向上につなげることができるでしょう。

読まれる社内報のためのデザインとレイアウトのポイント

前述したように、社内報は必ずしもキレイなデザインである必要はありません。ただし、忙しい読者にとって「読みやすく・わかりやすい」ことは最低限必要です。以下の要素は押さえておきましょう。

見出しやリードを効果的に使う

見出しやリードを使って文章に緩急と区切りを持たせましょう。同じトーンの長文は負荷が高く敬遠される傾向にあります。斜め読み、拾い読みできるデザインを心がけてみてください。

情報を構造化する

情報はまとめて整理し、構造化してわかりやすく伝えましょう。特にインタビュー記事などに多いのですが、内容を詰め込みすぎてどこが重要なのかわからなくなる場合があります。

読み手の視線の動きを想定する

読み手の視線は「Z」型に動くといわれています。横書きなら左上→右上→左下→右下、縦書きなら右上→右下→左上→左下という動きです。特に読んでもらいたい内容の記事を、目に留まりやすいところに配置するといった工夫が可能です。
また、スマートフォンで閲覧する際は縦長のレイアウトになるので、横幅と一行の長さを意識しながらデザインしてみましょう。

ユニバーサルフォントを使う

ユニバーサルフォントとは、誰にとっても読みやすいフォント(書体)です。書体は社内報のイメージを大きく左右します。ロゴやイラストに使うフォントは独創的でもよいですが、読んでもらいたい文章に使うフォントは読みやすいものを使うように心がけてください。

イラストや図、写真を効果的に使う

表現は文章だけで完結させず、イラストや図、写真もふんだんに使って多彩な伝え方を心がけてみましょう。文章だけになると読み手が退屈して離脱してしまうリスクがあります。特にイラストや図が不要な場合でも、関連するイメージ写真を挿入しておくだけで読者の興味を引きやすく、レイアウトにもメリハリがつきます。

余白を生かし、強弱をつける

余白が多いと軽い印象、少ないと重い印象を与えます。前者は余裕があり後者は窮屈でもあります。また、たっぷりとした余白の真ん中にある文章や画像には目が留まりがちです。こうした特性を生かして強弱をつけていくと、さらに読みやすい社内報を作ることができます。

読まれる社内報のためのデザインとレイアウトのポイント

読みやすいデザインやレイアウトのポイントをご紹介します。

社内報をデザインする際の基本

社内報のデザインは、伝えたい内容を絞り、内容のウエイトを決めることから始まります。書体や色、行間の調整などのデザイン要素も重要であり、これらを工夫することで、読者が興味を持ちやすくなります。より良い社内報を作成するために、これらのポイントを参考にしてみてください。

内容を絞る

まず、伝えたい内容を絞りましょう。一つの号で伝えることができる情報は限られているため、主要な情報に絞って掲載することが大切です。これにより、読者が情報をスムーズに受け取ることができます。

内容のウエイト

伝えたい内容が複数ある場合、それぞれの情報の重要度を考慮します。重要な情報には大きな見出しや目立つ位置に配置し、他の情報は適切なサイズや位置で掲載することで、読者が重要な情報に目を向けやすくなります。

書体の工夫

書体は文字の印象を大きく左右する要素であり、読みやすさや情報の伝達にも影響を与えます。適切な書体を選び、見出しや本文のフォントサイズや太さを調整することで、読者が情報をスムーズに読み取ることができます。

色の使い方

色は視覚的な印象を与えるだけでなく、情報の重要度やイメージを伝える役割も果たします。適切な色の組み合わせや配色を工夫することで、読者の興味を引きつけることができます。

行間の調整

行間は文字の読みやすさや情報の整理に大きく影響を与えます。適切な行間を設定することで、読者が情報をスムーズに読み進めることができます。

1ページ=1テーマで作る

1ページ=1テーマという考え方は、情報を整理し、読みやすさを追求するための方法です。社内報を効果的に活用するためには、各ページごとに明確なテーマを設定し、そのテーマに関連する情報をまとめて掲載することが求められます。このような構成によって、社員が必要な情報をスムーズに把握しやすくなり、読みやすい社内報を作ることができます。1ページ=1テーマのアプローチは、情報の整理や伝達効率の向上につながるだけでなく、社内報の質を向上させ、社員の関心を引くことにも役立ちます。

タイトル・見出し・本文で構成する

記事を作成する際には、タイトル、見出し、本文の3つの要素を使って構成します。 これらの要素がしっかりと組み合わさることで、効果的に情報を伝えることができます。

タイトル

タイトルは記事の内容を簡潔に表す役割があります。読者が検索エンジンで検索した際に、タイトルが表示されることが多いため、興味を引くような魅力的なタイトルを作成することが重要です。

見出し

見出しは記事内のセクションごとに設けられるものです。見出しは大きな文字で書かれ、記事の内容を分かりやすく整理する役割があります。これによって、読者は目的の情報を素早く見つけることができます。

本文

本文は記事のメインコンテンツです。タイトルや見出しで示された情報を詳しく説明し、読者の疑問や関心を解消するような内容を提供します。そのため、分かりやすく論理的な構成で書かれることが求められます。

行間やフォントサイズなど“間”を大切にする

記事において、行間やフォントサイズが適切に設定されていないと、読みづらくなってしまいます。
行間が広すぎると、文字が散漫になり、まとまりのない印象を与え、逆に狭すぎると、文字が詰まって読みにくくなります。そのため、適切な幅に設定することが大切です。 フォントサイズも行間と密接に関係しており、フォントが大きい場合、行間も広く設定する必要があります。一方、小さい場合は、行間を狭くすることで読みやすくなります。フォントサイズと行間のバランスを取ることで、文字の見やすさを向上させることができます。

さらに、行グリッドという要素も行間と関係しています。行グリッドとは、行の高さを均一にするための目印となる線のことです。これを使用することで、行間の均一さを保つことができます。
行間やフォントサイズの設定は、資料作成においてデザイン性だけでなく、読みやすさや情報の詰まり具合にも影響を与えるものです。

メリハリをつけてレイアウトする

社内報をデザインする際には、情報を整理し、読みやすさを重視することが重要です。メリハリをつけることで、読者の興味を引き、情報を効果的に伝えることができます。文字・画像の大きさに差をつけるなど、適切に目線を誘導する工夫や、タイトルや見出しをビジュアル要素として活用することも重要です。また、種類の異なる情報を分けて配置することで、情報を整理しやすくなります。読み手の視覚的な誘導や情報の階層化を考えながらデザインすることで、より効果的なコミュニケーションを実現するでしょう。

イメージに合ったデザインを実現する依頼の仕方

最後は、デザイン会社などに社内報のデザインを依頼した際に、「思っていたものと違った…。」「何かが違うけどどう説明すればいいかわからない…。」といったことを防ぐためのコツをお伝えします。

読者像や利用シーン、目的を伝える

「そのメディアやそれぞれのコンテンツの想定読者はどのような人なのか」「どのようなシーンで読まれることを想定しているのか」「読むことによってどうなってほしいと思っているのか」など、できるだけ具体的な情報を伝えましょう。社内で共有されている社内報の発行目的や編集方針があれば、社内報制作に携わるパートナー企業にも共有しましょう。

また、会社のCIやVIに関連したデザインガイドラインはもちろんのこと、これまで制作した会社案内や各種パンフレットなど、企業や社員のイメージが伝わるものがあれば積極的に共有してください。そのうえで「コーポレートカラーをベースに、このパンフレットのような色合いにしたい」「これまでのものとはガラッと雰囲気を変えたい」などの要望を伝えます。

具体的な手がかりがない中で、担当者や経営者が求めるデザインがどのようなものか探るのは、社外の編集者やデザイナーにとっても雲をつかむような仕事です。できるだけ求めているものが具体的に伝わるような情報を集めて共有しましょう。とくに、読者像や利用シーンを伝える際には「社員タイプ」や「社員ペルソナ」が役に立ちます。活用を検討してみてください。

デザインを見る目を鍛える

もうひとつのポイントは、デザインを見る目を鍛えることです。最初は理論でなくても構わないので、自分がよいと思ったデザインがなぜいいのかを理解することから始めましょう。

「色使いがキレイ」「文字の段組みが自然」「強弱がついていて最後まで読める」「この会社らしい」といったものです。そしてこれらのデザインはストックしておいてください。スマホで写真を取ったり、スクリーンショットを撮るなどしていいデザインをストックしておくと、いざ依頼するとなったときに「このような感じにしてほしい」と依頼しやすくなります。

さらに、提案されたデザインに対して違和感を感じた際に、「どう変えて欲しいか」を説明できるようにもなります。

まとめ

社内報の他社事例は多々ありますが、それが必ずしも自社に合っているとは限りません。参考程度に留めておくことが好ましいでしょう。また、自治体の広報紙のように万人に向けられた表現は無難すぎて誰の目にも留まらないというリスクがあります。

社員の「読んでみよう」という心を引きつけるためには、媒体あるいは各コーナーのターゲットを明確にしてレイアウトやデザインを作り込むことが重要です。自社に社内報デザインのノウハウがない場合には、社内報制作支援の実績が豊富なソフィアへお気軽にご相談ください。

 

よくある質問
  • インターナルコミュニケーションとは何ですか?
  • 社内やグループ会社内など、同一の組織内における広報活動のことです。「社内広報」や「インナーコミュニケーション」とも呼ばれ、社内報や社内セミナー、対話集会などを通して、社内におけるコミュニケーションを活性化する活動全般を指します。
    こうした活動は、組織の価値観や文化に対する社員の知識・理解を深めることにつながります。会社のビジョンを外部に向けて主体的に発信することのできる社員を育成し、組織全体を良い方向へと導く取り組みとして、インターナルコミュニケーションが行われます。

  • 読まれるレイアウトのコツは何ですか?
  • ターゲットと目的にあわせてレイアウトすることです。社内報のターゲット読者となる社員は、どんな情報を必要とし、何に関心を持っているのか、人物像をまずイメージします。
    見映えのよく美しいものが良いものと思いがちですが、社内報は必ずしもキレイなデザインである必要はありません。

株式会社ソフィア

ディレクター・エディター

岡田 耶万葉

主に社内報や社内制作物の企画・編集を担当していますが、加えてライティング・ストーリー制作も得意です。演劇に携わった経験から、演劇の手法を使った研修・インターンシップなどのご提案もしています。

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