2014.05.01
社内メディアよ、社外のメディアに負けるな!
先月4月14日に、日本IBM様主催の「社員のやる気を見える化セミナー~社内ソーシャルで社員を輝かせるには~」において、講義の機会を頂戴しました。
当日は、80名ほどのお客さまにご来場いただき、
「なぜ今、インナーコミュニケーションなのか ~変化を味方に、組織を変える~」
を題目としてお話をしました。
伝えたいことがたくさんありすぎて、直前に少しカットしたものの、持ち時間をギリギリオーバーしてしまったのですが・・・。
伝えたかったことを要約すると、
・社員=生活者を取り巻く情報の量は、どんどん増加している
・情報取得のためのツールが拡充され、いつでも好きなときに、好きなように、好きなものを見ることができるようになった
・それぞれの興味によって、取得される情報は分かれて、興味がない情報は、完全にスルーされる、または見向きもされない状態
・それは、インナーコミュニケーションも同じ
この中で一番の問題は、社内の情報と社外の情報が天秤にかけられているのではないか?ということです。
一人一台与えられたパソコンで、制限されているサイト以外は自由に見ることができる。
メールもいくらでも受信できる。
スマートフォンがあれば、ちょっとした隙間時間でも、LINEやfacebook、まとめサイト、掲示板などにアクセスし、自分と同じような興味関心を持つ人たちがシェアする「おもしろい」情報をどんどん取得できる。
通勤電車:スマートフォンでfacebookやラインなどを使って情報収集
会社:業務遂行に集中
休憩時間:同僚とのランチで情報収集、スマートフォンを見ながら一人ランチ
自宅:好きなテレビ番組などを見ながらスマートフォン・・・
このように、「会社の自分のデスク」にいる時間だけは、「業務遂行」の時間だが、それ以外のちょっとしたスキマ時間は、どんどんスマートフォンに奪われている。
通勤電車で社内報を読んだり、昼休みにイントラネットで社内情報を見たり…これまで社内情報の閲覧に使えていた時間は、どんどんスマートフォンに侵食されているのではないだろうか。
「好きな」情報や「同じ興味関心」の人からの「おもしろい」情報が集めやすくなっているが、逆説的に言うと、「好きでもない」情報や「違う思考」の人たちからの情報は、入りにくくなってしまったのだ。
以前は、会社ではオフィシャルなツールを使った情報取得、
プライベートではプライベートなツールを使った情報取得、
と切り分けられていた。
それがスマートフォンの普及に伴って、いつでもどこでもプライベートなツールを使って好きな情報を取得できるようになったため、会社発信のオフィシャルな情報と、自分の好きな情報が天秤にかけられている。
となると、会社が発信する情報の中では緊急度の高い情報=業務に必要不可欠な情報だけが優先的に処理され、それ以外の重要だが緊急ではない情報へのアクセスはどんどん後回しになる。
そして、残念なことに、その「重要だが緊急ではない情報」には、会社のビジョンや企業理念など、会社の足場を固め、未来を作るコンテンツが含まれてしまっている。
それらの情報にいかにアクセスしてもらい、読んで興味を持ってもらうかが、社内広報担当者の腕の見せ所ではないだろうか。
社内のイントラネット(Web社内報)だからと、社内の情報に固執する理由はない。
社員に役立ち、面白いと思ってもらえそうな情報であれば、どんどん発信すればよいと筆者は思う。
そうやって、社内サイトの地位を高めて、「アクセスすれば、何かおもしろいことがあるだろう」と思ってもらうための工夫をしていく必要があるのではないか。
参考:セミナー配布資料
※株式会社ループス・コミュニケーションズの運営するブログメディア「in the looop」、株式会社宣伝会議の運営する
広告界のポータルサイト「AdverTimes」に掲載されました。
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