「成長を見守れる会社を目指して 大日精化工業株式会社 新入社員体験型研修・新入社員受け入れ研修」
顔料や機能性材料を製造する大日精化工業株式会社では、新入社員の入社後の離職防止や成長のため研修の改善に取り組んでいます。ソフィアは2016年から新入社員を対象としたプロジェクト体験型研修、そして2017年からはさらに新入社員の指導役となる社員に向けた受け入れ研修を支援してきました。自社にあわせた研修をともに作り上げてきたご担当者とソフィアメンバーは、終始朗らかな雰囲気でプロジェクトを振り返りました。
パッケージではなく自社なりの研修を
新さんはいつ頃から研修を担当されていますか
- 新さん
- 2007年から研修を担当しています。当初はもともとあった新入社員研修を引き継いでいたのですが、その後自分なりに試行錯誤を重ねる中で、もっと配属後の具体的な行動に結び付けられるような取り組みができないかと思い始めました。また近年は少子高齢化の影響で採用市場も厳しい状況が続いていますし、せっかく採用した社員が離職してしまうのはできるだけ避けたい。そのためには大事な新入社員の時期に、きちんと会社で成長を見守ってあげることが必要なのではないかと思っていたところ、ちょうどソフィアさんから電話がかかってきました。
ソフィアからご提案した新入社員向けの体験型研修はかなり大胆な内容だったと思いますが、驚かれませんでしたか
- 新さん
- 少し驚きましたが、話を聞くうちに引き込まれました。いろいろな会社がパッケージの研修を提供していますが、それをただ当てはめても実際の行動にはつながりにくい面があります。ソフィアさんからご提案いただいた体験型研修は、当社の状況や課題に合わせて考えてくれていました。また新入社員の自発的な行動を促せる仕組み、各部署を巻き込むような工夫があるので、配属された後のフォローにもつながるのではないかと思い、非常に魅力的に感じました。ただし、いざ自社に合わせた研修をしようと思うと、社内のさまざまな部署・社員に協力をしてもらわなければならないので、関係者への説明や日程調整などかなり苦労しましたよ(笑)
実際に参加された新入社員からはどのような声が聞かれましたか
- 新さん
- 「会社のことを良く知ることができた」「課題をやるために社内の人に話を聞かなければならなかったので、自然と行動に結びついた」などポジティブな意見が多かったです。当社の理念では「興味」を大切にしているので、今回の研修は企業理念にもとづいた行動の促進にもつながったのではないでしょうか。また、1ヶ月近く同じグループで課題に取り組んでもらうので、グループ内でのすりあわせや調整など、配属後の仕事で必要なプロセスも経験できたと思います。
上層部や他の社内の方からの評価はいかがでしたか
- 新さん
- 今回は新入社員を配属する予定の部署を題材に、新入社員自身が各部署の将来像を考えるという研修だったのですが、最終発表を聞いた各部署の幹部からは、「すごいね」「よくこんな内容思いついたね」「うちの事業部の技術担当にも発破をかけてみようかな」という感想をもらいました。自分の部署に入る可能性のある新入社員たちがどんなことを考えるのか、という点で、幹部側にも興味を持ってもらえる内容だったと思います。
- 古川
- 今年は2年目ということで、新さんと相談して「質よりも行動・経験」「達成感を感じてもらう」ということを大切にしました。昨年は課題の発表時に質疑応答が少なかったので、今年は聞き手の幹部の方々にできるだけメモをとらずに集中して発表を聞いてもらい、新入社員にも事前に他グループへの質問を考えてもらいました。こうした工夫のおかげで、今年は質疑応答の時間がかなり活発になりました。
- 新さん
- 昨年の経験を踏まえ、ちょっとしたことでもソフィアさんが一緒に考えてくださったからこそ上手くいったんだと思います。非常にありがたかったです。
コミュニケーションが成長の鍵
今年からは、さらに新入社員受け入れ研修もお手伝いをさせていただきました。こうした研修は以前からやりたいと思っていらしたのですか
- 新さん
- はい。配属後は各部署でのOJTが基本なので、実際にどんなことをしているのか、何に困っているのかが見えづらかったんです。ただ、指導役の社員と新入社員がきちんとコミュニケーションを取れれば、新入社員は「自分を見てくれている」と感じることができ、会社への思いも強まるのではないかと思っていました。そこで新入社員だけでなく、教える側が接し方や考え方を学ぶことも重要だと考え、受け入れ側の研修をしたいと思いました。ご提案いただく中で、ソフィアさんが他社と違ったのは、ここでもやはりパッケージの研修ではなく、大日精化なりのやり方を考えてくださったところでした。
御社に合った研修にするために、事前に古川が社員ヒアリングを行ったそうですね
- 新さん
- 私も一緒にヒアリングを行いましたが、社員がいろいろなことを考えているのがよくわかりました。研修ではそうした社員がお互いに考えていることを上手く伝え合えるようにサポートしてあげたいと思いました。
- 古川
- 当社でモメンタムチャートと呼んでいる、気持ちの変化をグラフで表す手法があるのですが、ヒアリングでは新入社員の方に「この一年、気持ちはどのように変化しましたか」、指導役の先輩社員には「この一年、新入社員の気持ちはどう変化したと思いますか」という質問をしてグラフを書いてもらいました。すると、まったく異なる線を書くところもあるんです。それはつまり、お互い考えていることを把握していないんですね。だからこそきちんと話そうという研修になりました。
- 新さん
- 研修の際に、私もモメンタムチャートをやってみたのですが、自然と「あのときどうだったかな」と振り返ることができました。新入社員と先輩社員だけでなく、各職場に置いておいて、いろんな社員がコミュニケーションするツールにできるのではないかと考えています。
受け入れ研修を実施するにあたり、大変だったことはありますか
- 新さん
- 全国に工場や拠点があり、生産現場にはメールアドレスを持っていない社員もいます。結果として人づてで趣旨を説明することになったので、意図がきちんと理解してもらえるかが不安でした。しかし、研修が始まってみると参加者がちゃんと耳を傾けてくれたのでほっとしましたね。今後は、研修で学んだことがきちんと現場に落としこめるかが課題です。今年は新入社員教育の様子を記す報告書にもモメンタムチャートを取り入れました。どう実践されるか注意して見ていきたいと思います。
今回は60人の先輩社員が研修を受けましたが、5年、10年続けることができればかなりの人数になります。さらに数年後には研修参加者に指導された新入社員が、指導側に回ります。そうやって研修参加者の裾野が広がって、現場でのコミュニケーションがよくなっていくといいなと思います。
人事部は理想の会社を作れる場所
新さんが会社や社員のために頑張れる思いの根源はどこにあるのですか
- 新さん
- 自分自身この会社が好きだから長く続いてほしいし、せっかく入社した人には長く働いて長く活躍してほしい。みんなが気持ちよく働いてほしいと思っています。人事部はそういう会社を作ることができる立場でもあるのだから、力を入れてやらなきゃと感じています。
- 古川
- そういう新さんの思いのおかげで、受け入れ研修を経験でき「大日精化にいてよかった」と思う人が生まれるかもしれませんね。参加者からは「今まで受けてこなかった人は残念だったね」「今年の新入社員は、受け入れ態勢がしっかりしていてずるい」という声もありました。
- 新さん
- 自社に合った研修をするのはその分大変ですが、一般論で教えられるのと自社の経験にもとづいて教えられるのとでは納得度が違います。数社ご提案いただいた中でソフィアさんを選んだのは、やはりその部分で寄り添った対応をしてくださったからです。ヒアリングなど事前準備にかけていただいた手間や時間を含めたら、お値段以上の研修だったと思います。
今後はどんな取り組みをしていきたいですか
- 新さん
- 今後は参加者への事後ヒアリングや、報告書に記入してもらうモメンタムチャートのフィードバックを積極的に行って研修の内容を定着させていきたいです。数年後にはコミュニケーションの文化が根付いて、自分で考えて行動する社員が増え、業績にもつながっていけば嬉しいです。個人的には全新入社員の入社数年後の離職率をゼロにしたいですね。
ソフィアへのご意見・ご期待があれば教えてください
- 新さん
- 私としては、今やっている2つの研修を引き続きご支援いただきたいです。 ソフィアさんはいわゆる「研修会社」ではないなと感じます。私の周囲の人から話を聞いていても、インナーコミュニケーションは今後すごくニーズがあるのではないかと思います。人気になりすぎてそのうち仕事をお願いしても断られるんじゃないかと心配なくらいです(笑)
これからもぜひ自信を持って、ぶれずに続けてください。
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