「中央大学:教育現場の広報マインドを向上 ブランディング強化支援」
- 中央大学 広報室広報課
- 室長 T.Mさん(写真右から3人目)
課長 Y.Nさん(写真右から2人目)
副課長 A.Mさん(写真右)
インタビュー実施日:2024年7月29日
中央大学広報室では、中長期事業計画を主軸としてブランディングの明確化やインターナルコミュニケーションの強化、情報発信力の強化を目指しています。教員・職員一人ひとりの広報マインド醸成に向けて、ソフィアではアンケートのデータ分析、学内メディア利活用の提案などを行いました。広報室の皆さんに、中央大学ブランド向上への思いと現在までの成果についてお話しいただきました。
職員全体に広報マインドを持ってほしい
ソフィアを知ったきっかけは何でしょうか
- T.Mさん
- 今でこそ、教員・職員が元気な大学は元気だという考え方が常識になっていますが、昔は職員=事務方と考えることが主流でした。2008年7月から2011年6月まで人事部の人事課長を務めていた際に、働きやすさから働きがいにどうシフトしたらいいのか悩んでいたんです。そんな折に、ソフィアがインターナルコミュニケーションの研修を行っていることを知りましたが、当時は依頼する機会がありませんでした。
- 中央大学を含む、首都圏と関西の私立大学17校が連携して開催している広報担当者会議というイベントがあるのですが、2022年度に行われた研修で、ソフィアが講師として登壇していたんです。私もその時には広報室へと異動しており、タイミング良く研修に参加していました。ちょうど年間計画を練っていたこともあって、伴走を依頼することにしました。
今回どのようなプロジェクトを行ったのか教えていただけますか
- T.Mさん
- 私たち広報室の活動方針となる中長期事業計画には「ブランディング明確化・強化」「インターナルコミュニケーションの強化」「情報発信力の強化」という三つの柱が組み込まれています。その中のブランディング強化の一環として、ソフィアには効果測定をお願いしました。私は、中央大学ブランドを広報室主導で発信していくのではなく、教職員一人ひとりが意識を持って発信をしていく、“広報パーソン”のマインドを持ってほしいと考えていて、向上させるための施策をソフィアと検討しています。
- 幾田
- PDCAサイクルを回す際にKPIを設定しますが、インターナルブランディングは指標を考えるのが非常に難しいんです。そこで、学内の教職員向けアンケート調査の結果を元にKPIの達成度を評価するご提案をしました。今期は効果測定の結果を踏まえて実務的な施策を進めているところです。インターネットコミュニティ強化、ブランドブックやハンドブックの利活用、発信力の強化などの支援を行っています。
プロジェクト開始当初と比べて、変化はありましたか
- Nさん
- ソフィアの皆さんが言う、「認知・理解・共感・実践・協働」という5つのステップに当てはめると、2022年当初は認知の段階でしたが、現在は共感のステップまで来ていると感じます。着実に変化してきてはいますが、共感している方は一部に限られているので、今後も着実にステップを踏んでいきたいですね。
- A.Mさん
- 昨年、教職員全体に向けたアンケート結果の報告会をしたことで、一人一人が今の中央大学の状態を知ることができたと思います。広報マインドはデータ分析の結果から数値として出ているので、どうすれば全員が広報パーソンに近づくのかを、広報室として検討する必要がありますね。リソースの活用方法については、今まさに検討していただいているところです。
教育現場の枠を超えた助言をもらえる
ソフィアが培ってきた企業向けのノウハウと、教育現場との違いを感じる瞬間はありましたか
- A.Mさん
- 広報室が制作しているコンテンツに、プレスリリースや学内情報を数分の動画にまとめた「イッテC」というものがあります。多忙な教職員の皆さんに観てもらえておらず、視聴数を伸ばす方法を模索していたところ、ソフィアから「エンタメ系の内容を入れてはどうですか?」と具体的な提案書をいただいたことがありました。広報誌としてエンタメの要素を入れるべきか否か、自分たちで考えるきっかけにつながったことが印象的でした。
- T.Mさん
- 大学関係者だけで話し合ったり、知恵を出し合ったりしても上手くいかないことがありますし、ソフィアには“民間マインド”の空気をいただいています。中長期事業計画はすでに2025年までの計画が具体化していますが、引き続き2026年以降の施策に向けて、企業向けに培ってきた皆さんの経験と、幅広い知恵を拝借できたらありがたいです。
- Nさん
- さまざまな経験をされた専門家が集まっているので、組織のお医者さんのような感じがしますよね。
データ解析とはどんなご支援だったのでしょうか
- 伊佐地
- ブランドブックやハンドブックなどのメディアが、どのような認知をされていて、どれくらい共感・活用されているのか、教職員向けアンケートを行いました。私は回答者の属性や回答内容などの集計データを分析、資料化し、幾田がそれを元に広報室の皆さんと施策の方向性などを検討していました。
- 幾田
- アンケートの回答は教職員の方が考えていることの一部でしかありません。ですから今回のデータ分析支援で資料を作成する際には、実態をヒアリングしたり、他部署の方々にコミットできているか確認したり、中央大学の皆さんと連携しながら進めました。
- T.Mさん
- アンケート項目では、中長期事業計画の浸透や、各部課室のアクションプラン浸透といった、通常ならば人事労務が行うような部分も織り込みました。いざ調査結果を突き合わせてみると、予想が裏付けられる結果でしたね。中長期事業計画を引っ張っていく総合戦略や、人事と連携しながら働きやすい環境を用意すれば、ますます広報ブランド力は上がっていくと思います。ただ、結果になって出てくるまでは数年かかるんです。
最後に、今後の展望をお聞かせください
- T.Mさん
- 我々も民間マインドを大切にしていくとなれば、人的資本経営も看過できないと感じています。今は職員を管理する考え方ではなく、インターナルコミュニケーションを重視する考えや取り組みが必要とされているので、働きやすさや働きがいにつながる環境を作っていきたいです。そういった姿勢を「中大らしいね」と言われるように、ソフィアには今後も寄り添って伴走していただけるとありがたいですね。
- Nさん
- 現在の施策を推進するにあたって重要な考え方は、ソフィアのミッションである「人と組織を元気にする」に尽きるのではないかと思っています。引き続き施策を行い、中央大学が元気を持って、世の中へと存在感を示せるようになりたいです。
- A.Mさん
- 中央大学らしさを示して、活力ある組織が出来上がってくるといいなと考えています。まだまだ学校内部だけでは弱い部分があるので、客観的な視点とアイデア力、データ分析力をお借りしながら目標に近づいていきたいです。