代表メッセージ

廣田拓也

時代の変化とともに、人的資本経営やコレクティブインパクトといった新しい社会経済システムの概念が注目を浴びて久しく経ちます。今年も世界は大きく動き、既存の社会システムの根本が揺れ動いています。
 
2024年初に、目先の形あるものではく、考え方や価値観といった根本的な部分までも新たに創り直す時期にきており、あり方(How to be)の問い直しが進むだろうとお話ししました。この傾向は今後も続いていき、人も組織も、社会や地域の中でのあり方を捉え直す活動がより進んでいくと考えます。
 
今年は仕事を通して高校生と出会う機会も多くあり、彼らの視点や考え方・価値観に刺激を受けました。その中で感じたことは、この先のあり方や未来に対して大人が悲観的になるのではなく、私たち自身がもっと明るい未来を見てチャレンジしていくべきであるということです。子どもたちがチャレンジできる環境を整えていくことも重要ですが、前向きに変わろうとする大人の姿を見せることが、新しい世代にとっても力になります。
 
とはいえ、私たちの世代は、一人で頑張って成果を出す自己完結型の教育を受けて育ってきました。その中で確立されてきた成功体験や固定観念が、無意識に私たちを縛り付けています。
 
企業においては、営業・マーケティング・技術・生産・管理などが本来は同じ目的のために働いているにもかかわらず、牽制し合い、力を合わせてシナジーを生み出すことができない場面が多々あります。同じように、社会や地域においても企業はここまで、行政はここまで、教育機関はここまで……という線引きをして境界線を越えて協働することが難しくなっています。新たな変化に向かっていくためには、企業同士、企業と行政と教育それぞれが越境し、力を合わせ協働することを学び、実践していく必要があります。
 
一方で働く個々人と組織の関係性も、従来とは変わっていきます。この関係性の中でもそれぞれの境界線を溶かし、新たなかかわり、関係性を再構成していくことになっていくでしょう。
 
私が最近大切にしている「生業(なりわい)」という言葉がありますが、人の「生業」=職業ではないと考えています。生業は人が生活を維持するために行う職業や仕事、その人の生き方や地域社会とのつながりも意味するものであり、職業以外の活動や自己表現、誰かの役に立つための行動も含まれています。生業は必ずしも企業・組織に依存するものではないのです。
 
この観点から考えていくと、組織に所属し働くということが、いくつかある自己表現の中の一つでしかなくなります。組織の中に人材を囲いこむということは難しくなり、会社側が「求める人材」を規定し管理するという考え方が意味を持たなくなっていきます。働く人と組織がどんな関係性を築くのか、各企業や組織が独自の組織運営のやり方を編み出していく必要が出てくるでしょう。そうした意味では、エンゲージメントという概念も従来の形から姿を変えていくと思っています。
 
どのような組織運営スタイルを作るにしても、組織運営の肝はコミュニケーションです。100社100通りの組織の形があり、同じ数だけのコミュニケーションの形があります。私たちソフィアが正解を提供することはできませんが、お約束できるのは独自の組織運営スタイルを構築するために伴走すること。そして長年のノウハウをもとに、お客様の課題と状態を客観的に捉え、納得できる解やワクワクする解に向けてサポートしていく存在であることです。
 
2025年も、私たちソフィアはさまざまな可能性やアイデアを見いだし、実験を繰り返しながらともに歩んでいきます。

代表取締役社長 廣田 拓也

社名の由来

「sofia」はギリシャ語で「英知」を表す言葉です。
会社としては小さいながらも、世の中に知恵と価値を生み出していく集団であり続けたいという思いを込めています。